2004年 今週の意見 10月
今週の意見(389):
郵政公社の宅急便参入
下に最近宅急便のクロネコヤマトが新聞に出した意見広告があります。郵政公社
がコンビにのローソンを使って宅急便取り扱い始めることについての不当性を訴え
たもので、これをやめるべきだとという内容です。
私はクロネコの主張は正当であると思います。そしてそもそも郵政公社が公社と
いう経営形態のまま従来民間企業のクロネコが四苦八苦し、創意工夫のもと開発し
たビジネスモデルともいうべきコンビニなど使った宅急便のビジネスに、郵政公社
が参入し、しかもクロネコが開拓したローソンを使うというのは、不当であるとい
う言い分はその通りだと思うのだ。
クロネコは民間企業だ。そのビジネスに関し、あげた利益の半分近くを国に税金
として収めている。一方郵政公社は国営の名のもとで、郵便事業に関しては、さま
ざまな権益を独占している。例えば私信の取り扱いなどまだ民間に開放されていな
い。宅急便のビジネスはそうしたさまざまな規制のあるなかで、クロネコは他の民
間企業とともに、苦労して我々一般市民消費者にとって今や日常生活にとって不可
欠とも言える宅急便ビジネスを展開してきたわけだ。封書はともかく、ものの配送
サービスではかって郵便局が及ばなかった分野である。
その分野に郵政公社がクロネコなどが開発したビジネスモデルともいうべき宅急
便ビジネスに参入するという。郵政公社が完全な民間会社としてなら、それを歓迎
すると、クロネコはいう。が、そうではない。まだ一方で、郵政公社としてさまざ
まな特権権益を残したまま、一方でおいしそうな部分だけ民間企業がやっているビ
ジネスに参入してやろうというのは勝手すぎる、というか不当である、と主張は
正しいと私は思う。
クロネコは意見広告とともに、公正取引委員会にその不当性を訴えたと理解して
いるが、その判断が注目される。
郵政民営化は小泉首相の構造改革の本丸だそうだが、もしこうしたことが許され
るとすれば、郵政民営化って一体なんなのだろうと改めて考えのである。
2004/10/2
Tadashi HAYASE
参考:意見広告クロネコヤマト社ホームページ
今週の意見(390):
パソコンライフ
改めて計算してみて驚いた。1993年10月というからもう11年前のことだ
と知って大変感慨深いことがある。その時私はまだサラリーマンだったが、仕事と
は無関係にパソコン、パソコン通信というものにのめりこんでいて、その体験をど
うしても世の人たちに伝えたいという衝動にかられ、「50才からのパソコンライフ」
という本を書き出版したのだった。当時のパソコンはまだMS−DOSのものであ
り、機能性能において、今日のそれと比べるべくもないものであった。だから、こ
とパソコンのこととなると今のパソコンユーザが読むと、何を書いてるのよこれ、
となりかねない内容である。
その本の「おわりに」で、「マルチメデイアパソコンの夢」ということを書いている。
パソコン、テレビ、オーデイオ、それに、電話、通信が一体化し、そういうものを
自由自在に使って、世界中から情報を集めたり、発信したりすることができるよう
なパソコンの登場を待望することを書いたものでした。そうしたパソコンのことを
当時マルチメデイアパソコンと呼んでいた。
そして10年一昔、今自分の目の前にあるものが、まさにそれ、しかも当時のそ
の本の中には一行も出てこないインターネットがオンラインで、高速でつながって
いるのだ。パソコンのOSはもうMS−DOSなんてものではない。高速、高性能
マルチタスクのもの。テレビが見れ、録画でき、CD、DVDの装置があり、再生
記録ができる。オーデイオの機器がつながっている。まさにその当時の想像をはる
かに超えたものになっているのだ。
それはすばらしいことだ。が、考えてみると今やっていることは当時とあまり変
わらない。そうした高性能化したパソコン、インターネットという通信環境のおか
げで、なにをやるについても効率よく、スピーデイにできるようになったことは、
まちがいない。が、わかりやすくいうならば、今その環境でそれをある程度自由に
使いこなせるのは、当時の、今からいうととんでもなく性能の劣るパソコンを使い
また旧式の通信環境のなかでも、内容的には同じことをめざし、やってきた経験が
ベースになっているということだ。
で、その内容とは何か、である。抽象的なことを言ってもしかたがないから、具
体的言おう。それは友人、知人、離れた家族などとも、地域のサークルをはじめ、
広く日本国内はもちろん世界の人々とネットを通じて、意見交換、情報交換をした
り、絵、音楽、旅行、その他趣味に関してその作品を自ら発信したり、仲間のもの
を見たりして交流し、それを楽しむことである。そのことは、上記本の続編ともい
うべき、「パソコン知的生活のすすめ」という本の中で書いているのだが、要するに
それが、生きがいを持ったり、毎日の生活を楽しむ一つの具体的方法、具体論だと
言いたかったわけだ。多くのネット仲間たちはそれを実践している。
パソコン、インターネットを通じて毎日さまざまな人々と交流できる楽しさは何
者にも変えがたい。私たちのネット仲間、パソコンクラブ、英会話クラブなど仲間
との交流を何よりも大切にしたいと思っている毎日である。
2004/10/9
Tadashi HAYASE
今週の意見(391):
シンガポールのDFS
パソコンクラブ、英会話クラブの人たち総勢6人で3泊4日のシンガポールの旅
を楽しんできた。シンガポールには以前ビジネスマンの時代、2度ばかり、勤務す
る会社の国際会議で来たことがある。が、観光目的は始めて、現地では実質2日、
1日はシンガポール、1日はマレーシャという忙しい旅だが、それぞれの社会生活
文化の一端に触れて大変楽しく、興味深く、面白い旅行であった。そのことについ
てはまた別に書く。今回はDFS(免税店)なるものについて
シンガポールは日本の淡路島ほどの面積の小さい国、観光のスポットといっても
さほど沢山あるわけでない。雄大な自然や、歴史ある壮大な遺跡があるわけでなく
そういうものだけを期待してくると観光客は失望するかもしれない。日本人客の多
くは香港などと同じ、買い物が主な目的でやってくることが多いのだろう。シンガ
ポールにもダウンタウンには、大きな免税店(Duty Free Shop)がある。
おもしろいのはツアを企画する旅行会社が市内観光の前後、何かにつけて、この
免税店をその拠点にすることだ。日本の観光バスが観光の間、あちこちのおみやげ
店に立ち寄るのと同じだ。今回の免税店の場合、そこに連れてくるのはいいが、た
だその入り口で客を降ろすのでなく、ガイドは必ず免税店の4階まで連れて行く。
そして、割引券や、1000円クーポン券など渡し、入店した上で解散となる。そ
こから直接下まで降りることはできない。客はしかたなくそこから店内を歩いて一
階の出口までたどりつかなくてはならない。エスカレータも、かっての古いタイプ
の日本の百貨店と同じ、店内をぐるりと回らないと次のエスカレータまでたどりつ
けないのである。あの手この手でブランドものが好きな日本人に多く買い物をさせ
ようとする。旅行会社と現地の免税店のみえみえの共同戦術なのだ。
免税店ではないがもっとびっくりしたのは、市外にある宝石装飾品工場の売り場
に案内された時のことだ。店内に入った途端、なんと出入り口が封鎖されてしまっ
た。入り口には戻れない。出口はなんとシャッターが降りている。要するに一定時
間客を完全封鎖しているのだ。店内は殆ど日本人。見ていると数人いたアメリカ人
らしい外国人はそんなところで買い物などしない。外に出れないので店の店員に何
かいい、自分達だけ事務所らしい出口から早々出ていった。日本人観光客で宝石に
興味のない人たちはみなじっと我慢、羊のようにおとなしく開放されるまで待って
いる。
私は腹が立つ前にこんな扱いをする店の経営者の感覚そしてそれを一緒にやって
いる旅行業者の無神経さにあきれたのだった。DFSとはデユーテイフリーという
意味でなく、デユーテイ・フォースド(買い物強制)なのである。買い物に興味のな
い多くの人たちは気づいてはいるがじっと我慢しているんだろう。
私たちのグループはあくまで観光目的であって買い物目的でないから、そんな光
景もおもしろがって見ている余裕がある。日本のツア企画旅行会社は観光客はみな
ブランド製品を夢中で買い漁るものばかりだと思わない方がいい。我々のグループ
の人たちのようにそれを批判的な目で見ている人たちもいることを忘れないにした
方がいい。
こんなことをやっているとそのうち評判を落とすこと間違いないのだ。少し大げ
さにいうとそれはシンガポール、日本お互いのためにならない。
2004/10/16
Tadashi HAYASE
今週の意見(392):
インフレ懸念
次から次へと台風が襲ってきて日本列島の被害は深刻だが、その一つに野菜価格
高騰がある。なにしろ、毎日食べる野菜の値段が8倍、10倍になって生活を直撃
している。 昨日のニュースではレタス一個1000円、キャベツ半分500円と
いうのだからびっくりする。この状況は当面続きそうだという。
こうなると、安い中国野菜頼みになる。よく言われてきたその安全性などかまっ
ておれない状況、しばらくは目をつぶるということにもなるのか。
幸い主食のコメはやはり台風の影響を受けたものの、まあ作況指標が100近い
状況らしいから、これは不幸中の幸いだった。
ニュースでは野菜価格の高騰のことだけ報じていたが、建築資材をはじめとして
としてあらゆる物資の価格も当然上昇するのだろう。原油価格は台風とは関係ない
がすでに高騰している。それがまた全体の物価を押し上げる。
こうなってくると、景気が悪い、デフレスパイラルが問題だ、などといってきた
ことがうそみたいで、一転インフレ状況になりかねない。いやある程度なるのだろ
う。なにせレタス一個1000円なのだから。ガソリン価格が上がることなどとの
相乗効果で諸物価が上がる可能性がある。
台風災害はもちろん困ったことだが、これが契機となって、沈滞した経済に活気
を与える呼び水ともなるかもしれないのだ。いやなるだろう。災い転じて福となる
という側面もある。ただ一番困るのはそうした状況に便乗して起こってくる便乗値
上げである。あれが品不足だ、これが品不足だとやり始めるやからが必ず出てくる。
1970年オイルショックの時代それを経験したことがあった。が、今は情報化
の時代。ゆめゆめそんなことはないとは思うが、消費者はそうしたものに惑わされ
踊らされないようにすることがなにより肝要だと思う。決してかってのように買い
だめなどに走らないことである。政府公共機関の監視も必要だが、マスコミの正確
な報道の役割も大切である。
2004/10/23
Tadashi HAYASE
今週の意見(393):
新潟中越地震の教訓
マグニチュード6の直下型地震が新潟中越地方を襲って一週間たった。死者35
名被災者10万人、避難所や、車の中で過ごしている人が8万人というから、大被
害である。あの山や川、道路が完全に崩壊しているさまを見ると、その災害の大き
さがわかる。それでもこの程度の被害で済んでいるのは、震源地が過疎地であった
からだ。
もしこれが我々の住む東京など大都市近辺だったらどうなったかと思うとぞっと
する。新幹線も奇跡的に脱線だけで済んだ。ATSが働いたというより、運転手の
とっさの判断でブレーキを掛けたことが大事故になるのを防いだとMLの渡部さん
が説明してくれた。なんでも機械、装置、システム頼りの時代、最後に運命を分け
るのはやはり人間の判断であり、行動なのだと改めて思った。
大事故を防ぐこともそうだが、それが起こってからどういう緊急救援対策を取れ
るかどうか、個人個人の行動にもよるが、それは政治問題であり、行政の問題であ
る。
そういえば神戸大震災がそうだった。当時の村山内閣の対応はあまりにも遅かっ
た。当時の兵庫県知事も自衛隊の派遣の決断があまりにも遅くそれがもっと迅速に
行われていたら、被害をもっと少なくすることができたとあらゆる場で指摘されて
いる。今回はそうした経験を踏まえたこともあったが、自衛隊もいち早く出動した
し、そうした事態に備えて訓練を重ねた救急隊が90時間後に2歳の男のことを埋
まった土砂の中から救出したのだった。
地震多発国の日本、これからもそうした大地震が起こるだろう。国民一人一人が
それに対処するべく様々な防災準備を日頃しておくことは必要である。それになに
よりも必要なのは日頃の防災訓練である。一旦事が起こったら、各人が最低自分の
身を守る行動をするほか、やはり国、県、そして市町村一体となった連携救援活動
がなにより必要である。そのことは今回に限ってもまだまだ不十分のように見えた。
第一自分自身の経験でも、今住んでいる市がそういう災害に対する訓練など行い
それへの参加を呼びかけたことなど一度もない。今後是非、国、都道府県、市町村
を結んだ総合的防災訓練をやるべきだ。そのためにこそ、多額の税金を投入しても
いい、投入すべきだと思うのである。このことに関しては与党も野党もないはずだ。
国民の生命と財産を守ることが国家の役割だとしたら、今このことこそ一番優先
して行われるべき政治課題のはずである。
2004/10/30
Tadashi HAYASE
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