2008年 今週の意見 11月
今週の意見(601):
給付金はまさに究極のバラマキ
世界的な緊急危機で株価が、乱高下している。一時は7000円を切ったような状
況が日本経済にとって緊急事態であり、それに麻生政権が緊急対策を打つ、そのた
めに解散を先延ばしするというのはやむを得ないということについては容認しょう。
が、しかし政府が発表した追加的経済対策に盛り込まれた2兆円にのぼる定額給付
金の内容を見て驚いた。もともとそれは公明党が考え、政府のその実施を要求して
いたことはわかっていたが、麻生首相がそれに乗って定額減税でなく、給付金など
というものを打ち出すとは思っていなかった。
それについては最近の週刊朝日だったかな、それは「貧乏人から金で票を買う作戦」
と批判していたがまさにそうだ。当初の定額減税というのでなく、一時金として現
金や、クーポン券という形で国民に配るのだという。減税だといろいろ手続きに時
間が掛かるが、給付金の形だと、即効性が高いのだという。
実はこれについては先例がある。平成11年に実施されたものに「地域振興券」と
いうのがあった。たいした経済刺激効果がなく、「天下の愚策」といわれたものだ。
それに懲りずこんな政策をまた打ち出すとは、民主党ほか野党が批判しているよう
に、まさに選挙対策用の「究極のバラマキ」といわれてもしかたがない。日本経済
の立ち直りのために必要なのは、減税策と言うがもっと継続的な、そして根本的な
構造改革に寄与するようなものでなければならないはずだ。この一時的給付金など
まさに一時しのぎ、場当たり的なものにしかすぎない。
このための必要な財源は2兆円ともそれ以上とも言われているが、その根拠は明示
されていない。過去ずっとあった「埋蔵金」なるものから充てるといっている。ま
た麻生首相はすでに3年先の消費税アップを示唆している。いや、それもバラマキ
批判をかわす高等戦術のつもりなのだ。民主党ほか野党と違い、政権党として、た
とえ世論の支持がなくても消費税を10%にあげることが必要だと言っているので
ある。
しかし消費税アップは景気回復が予想される3年先だという。そのやり方は前の小
泉首相がそうだった。小泉前首相も「自分の政権ではやらないが、日本の財政再建
のためには消費税アップ」を明言していたものだ。財源に関して無責任な野党と違
うところだといいたいのである。
そんな馬鹿なというのが正直な感想である。将来増税保証付の減税策、一時金支給
だなんてものが景気対策になるわけがない。これはまさに「究極の詭弁」ではない
か。国民は決してこんな「天下の愚策」にごまかされるようなことがあってはなら
ない。
2008/11/1
早勢 直
今週の意見(602):
変化のアメリカ、未だに現状維持の日本
オバマ氏の勝利は予想通りと思われているが、あの金融危機が勃発しなかったら、
どうなっていたかわからない。その直前二候補の支持率はきっ抗していた。あのま
ま選挙に突入していたら、マケイン勝利も十分ありえた。政権選択決定を有権者は
最後まで迷っていたに違いない。
黒人層は別にして。白人票の行方は最後までどうなるかわからなかった。アメリカ
の黒人差別の歴史、意識はそう簡単に変わるものではない。あの激しい公民権運動
を経て、黒人は今日の市民権を得るのだが、その底流にある差別意識はまだまだそ
う簡単に払拭されるものではないのだ。
そのアメリカが半分白人の血が流れているとは言え、黒人の大統領を選んだのだ。
これが「変化」どころか革命的歴史の一ページを開いたのである。オバマ氏はその
ことを決して口にしなかったし、今後とも口にすることはないだろうが、それが氏
のいう「変化」の第一のものなのだ。
もう一つの大「変化」は、アメリカが市場経済主義から大きく管理経済主義への転
換をめざそうとしていることだ。選挙期間中オバマ氏の経済政策はマケイン支持派
から、「あなたは社会主義者か」と批判されていたものだ。それにはオバマ氏はま
ともに答えなかったが、彼の経済政策、社会保障制度の根幹をなすものはその傾向
が大いにあるということだ。アメリカは長らく徹底的な競争至上主義社会であった。
市場経済主義がすべての経済の根幹であった。それがアメリカが世界に冠たる経済
大国のよって立つ絶対の原理だと信じられてきたのだ。
その原理に大きく水を差したのが、「金融危機」だったのだ。市場経済主義信仰は
これで一気にくづれた。いや、それは皮肉にも、市場経済主義の原点ともいえる1
8世紀の経済学者アダム・スミスの自由経済思想、経済は自由競争のもとで「神の
見えざる手」に導かれて最適化するという言葉がそうさせたのだった。「神の見え
ざる手」もなにもあったものでない。「サブプライムローン」などというあんなめ
ちゃなマネーゲームが成り立つわけがなかったのだ。それは市場原理のもと、自然
崩壊したのだった。
アメリカの国民は改めて、自由競争主義を人間の手による管理修正の必要性を実感
したに違いない。そして管理経済的色彩の濃いオバマの支持に大きく舵をとったの
だった。これが二番目の革命的「変化」であった。
この先アメリカがどう進んで行くかはこれからの話だ。問題はこの盟主アメリカの
変化に世界がどう対応していくか、同盟国を自認している日本がどう対応していく
かである。
日本の各界の対応ぶりを読んでいるとおもしろい。そのほとんどはオバマに何を期
待しているか、何をどうして欲しいのか、政界、経済界からはそんな声しか聞こえ
てこない。
相手が変った限り、自分も変わることがまず何より一番肝心なことのはずではない
か。大きく変った相手に対応するためには、自分はこう変わる必要があると語るむ
きがほとんどないのは一体どういうことだろうか。
政治・経済に行きづまったアメリカで、有権者は「変化」を求めた。一方の日本の
有権者国民はどうなのか。基本的には相変わらずの「現状維持志向」が蔓延してい
るように見える。変化どころか麻生選挙管理政権は政権の座を守ろうと必死である。
あれだけの失政を繰り返してきた自公政権に日本の有権者はまだ景気対策を任せる
つもりなのだ。いずれ選挙という声は大きいのだが、とりあえず目先の景気対策を
やってほしいという声の多さががその「現状維持志向」をもの語っている。
麻生内閣は選挙管理内閣にすぎない。根本的景気対策、長期の経済立て直し政策を
打ち出せないことなど明白だ。あの2兆円の給付金とか、ETC利用に限って高速
道路代金を安くしますなんて発想は一体どこから出てくるのか。すべては従来の官
僚的政治・経済の発想から一歩も出ていない。
この状況下にあって、日本の有権者もさすがに「一度政権交代が必要かもしれない」
と考えだしたようではある。が、それがなんのためかということが未だによくわか
っていないようだ。それは今まさにあらゆる場面にわたって「変化」が求められて
いるはずである。
アメリカの大統領選挙の過程そしてその結果を見ていて、私が一番感じるのはアメ
リカ人と日本人の政治意識の大きな差である。政治意識というより、自ら国民の一
人として一体何を、何のために選択するのかということを考えているかいないかだ。
さらにそれについて自分なりの意見、考え方をきちんと持っているかいないかとい
う根本的な差である。
今日本人の考えるべき行動すべきことははっきりしている。こんな中途半端な政治
状況を一体いつまで容認しているのかである。「政局より経済対策だ」などとただ
ひたすら延命をはかっている政権に見切りをつけることがどうしてできないのか、
やらないのか、その意思を明確に示せないのかである。
オバマ政権を生み、変化を求めているアメリカ国民。オバマ氏はすでに来年1月の
就任に向けて、政権の仕事の準備を始めている。その一方で日本国はまだ何も生み
出せないでいる。麻生総理は早速オバマ氏に会うそうだが、会って一体なんの話が
できるのだろうか。相手はこれから最低4年間政権の座が保証されている。こっち
はひょっとしたら政権の座から追われるかもしれないことはオバマ氏だって知って
いるにちがいないのだ。そんな相手とどれだけ真剣に話すかだ。
そんな中で政局より経済対策だ、政治を空白にするわけにはいかないなどという言
い分が通る、通すことを許すこの国の政治レベルはほんと情けないと思う。
2008/11/8
早勢 直
今週の意見(603)
じっとがまんの民主党
定額給付金の騒ぎのTV報道を見ているが、どの局も徹底的にこれに批判の矢を放
っている。これでまた内閣支持率下落は必至である。そういう情勢の中で、与党は
この政治状況を一旦冷却しようと、臨時国会の延長をやめ、この給付金を出すたの
法改正、補正予算などの提出を越年させる作戦のようだ。
麻生総理が政局より、政策だなどと言っているのは真っ赤なうそで、麻生総理をは
じめ与党は今や100%政局、選挙対策のみが念頭にあること、明白である。
こんな相手を民主党ほか野党が厳しく批判するのは当然であるが、その都度党幹部
が解散時期をやれクリスマスだの、年明け通常国会召集冒頭だなどと、予想してみ
せることなどはやめておいたほうがいい。それが与党のプレッシャーになることは
ないからだ。麻生総理側近の一人菅義偉氏がクリスマス解散をいう鳩山氏をせせら
笑っていたが、そうなのだ。彼らは民主党の幹部がそれを言うのを逆手に取って民
主党内の結束の乱れを待っているのである。
小沢党主を始め幹部の指示もあって民主党若手はすでに解散に向けて走りだしてい
る。ところがなかなか解散にならない。それでなくても政治資金の乏しい党であり
特に若手はカネがない。彼らの不満は見込み違いをしている党執行部へに向けられ
る。が、しかしそれは筋違いである。与党自民党はそうやって民主党の結束が乱れ
るのを待っているのだ。そんな見えすいた魂胆がどうしてわからないのか。
水曜日の昼だったか某テレビニュースショーで定額給付金の混乱ぶりを徹底的に叩
いていた。自民党の片山さつき氏と民主党の長妻 昭氏が出演しコメントしていた。
片山さつき氏などもう何を言っても通用しないから論外だ。が、長妻氏が、「こう
いう状況だからこそ早く解散を行い、民意を国民に問うた上で本格政権を作り、本
格的経済政策を展開すべきなのだ」と主張していた。が司会者は「今そんなことは
関係ない」ないと、長妻氏の発言を無視し、ああでもない、こうでもないと自分た
ちの用意した給付金政策の問題点を洗い出すことに専念するのだ。「今そんなこと
は関係ない」はないだろう。長妻氏のいうことこそがすべての問題を根本的に解決
する大前提なのだ。定額給付金のことなど今の政治大混乱のほんの一つの要因にす
ぎない。
明くる木曜日今度は別のみのもんたのTVニュースショーだったが、同じくこの給
付金問題を取り上げていた。それには自民党の後藤田正純氏と民主党の原口一博氏
が出ていたが、質問をされた後藤田氏なんと定額給付金のことでなく、総理自身を
はじめ、麻生内閣閣僚などの批判を始めたのだ。そしてこういう政治状況だから「
政界再編が必要だ」などと発言したのだった。いやはやあきれ果てた所業である。
もう自ら自分たちの党は持たないといっているのだ。それはいいとして、後藤田氏
民主党もあんな党主ではダメで、選挙後民主党を含めた政界再編が起こるとコメン
トしたのだった。いやこれが多くの自民党員の本音なのだろう。もう自民党はダメ
だと認め自分たちが政界で生き残るためには政界再編だと言っているのだる。
そうした中でいま民主党が置かれている立場は非常に重要である。各種世論調査で
は民主党自体への支持率はまだまだ自民党には及ばないが民主党を中心にした連立
政権望ましいという声が圧倒的に高いのだ。これまた不思議な現象である。それは
民主党単独にはまだ信頼を寄せないが今度の選挙では少なくとも第一党になって欲
しい、なることが望ましいということだ。
もっともかれは民主党にとって大きな励みはないはず。国会対策などでちゃちな駆
け引きをやめ、堂々と構え、じっくりと腰をすえて解散を待つことだ。党員はそれ
で政治資金が不足するなどという泣き言はやめて欲しい。やめるべきだ。今はネッ
トの時代、かっての選挙戦と違うはずである。頭の使い方ようでよりカネの掛から
ない、またカネの集め方というものもあるはずだ。議員一人一人でそういう力をつ
けていくことこそ議席を獲得し、政権を奪取する唯一の道であるはずだ。
国民のことを考えず、いかに政権を維持するかばかり考えている与党には必ず民意
の鉄槌が下るだろう。自民党はある意味でもう自壊している。麻生総理は遅かれ早
かれ解散総選挙を断行せざるを得なくなる。
そして民主党による政権交代こそが今混迷日本を救う唯一の道筋なのだ。いや少な
くともそれがいい方向での政界再編のきっかけになることを期待するものである。
2008/11/15
早勢 直
今週の意見(604):
テレビデジタル化経済効果
我が家にもやっとデジタルテレビが入った。妻は2011年に今のアナログテレビ
がなくなり、デジタルに切り替えなくてはならないということもよく理解しておら
ず、これまで問題なく見れているテレビをなぜ買い替えなければならないのかわか
っておらず、買い替え自体ににずっと反対してきたのだった。
私自身テレビをさほど見るわけでなく、特に急ぐ理由はないが、デジタルテレビの
みならならずブルーレイだなんだと、そういうもの自体には興味があったから、も
うそろそろ買ってみたかったわけだ。それで、37インチのデジタルテレビとブル
ーレイのレコーダーを買うことにしたのだった。二週間前の土曜日レコーダーはま
だ買わなかったが、デジタルテレビを買い、我が家ではケーブルテレビ回線を利用
していたので、CATV会社に切り替え工事を依頼、土曜日工事の人がやってきて
従来のアナログテレビををデジタルテレビに切り替えたのだった。
いや、なその画面のきれいなのにはびっくりした。従来のアナログテレビとは全然
違う。これまで使ってきたアナログテレビはたまたま2年ほど前、ブラウン管が故
障しまだ比較的に新しいものだから、まだ結構きれいに映っていた。それと比べも
のにならないことは事実だ。妻はそれでも「それがどうしたの、なぜわざわざ切り
替えなければならないの、一体そんなこと何時、誰が決めたの」となどと言う 。
いや、それはたしかにそう。実はこの問題私も深く考えたことなかった。それで少
しそれを調べてみた。その決定に直接関わったのは総務省には違いないが、社団法
人デジタル放送推進協会なるものも一枚加わっている。まあそれは電機産業界別行
動体であろうことは想像されるが、その推進が一体どういう法律に基づき、どうい
うプロセスで決まったのかよくわからないのだ。
いや今言いたいのは実はそのことではない。それはそれとして、はたと思ったこと
は、テレビデジタル化がもたらす大きな経済効果ということだった。今まさに景気
浮揚策が論じられている時だ。デジタルテレビの買い替え需要の経済効果たるや、
あんな定額給付金どころのさわぎでない。いろいろ調べてみたが、一説には212
兆円ほどの経済効果が期待されている。いや考えようによってはもっと大きな波及
効果があるはず。
ここ数年の景気浮揚、企業業績改善の中で自動車産業などは本件とは直接関係ない
が、電機産業、家電産業の立ち直りはこのことによることが大きいだろうことは言
うまでもない。
現在までにテレビのデジタル化がどれだけ進んだか、まだ明らかにされていないが
大きめに見て1/3程度かなと想像している。それには全くなんの根拠もないがい
ろんな人に聞いたり、工事にやってきたCATV会社の人に聞いた結果である。い
ずれにせよ、まだその買い替需要はこれから本格化する。この経済情勢の中でそれ
が持つ意味は非常に大きいということだ。
だれがどういう意図でそれを推進したかはとりあえず横におくとして、今政府が行
うべき景気対策とは実はこのような大規模に需要を喚起するものでなければならな
いのだ。あんなちゃちな給付金などまさに「屁のつっぱり」にもならない。
さらにテレビデジタル化のほかそれに類するものにどんなものがあるか考えてみる
べきだ。
それはいろいろあるではないか。もともと日本の企業、産業が得意とするもの、国
内だけでなく国外でも大きな需要、消費を生むもの、例えば今話題の太陽電池の普
及ほかエコ、環境対策関連、自動車のハイブリッド化もそうだし、住宅建設促進と
かいくらでもありそうだ。政府はそういう分野にこそ、補助金制度を含めて、税制
面での思い切った優遇措置を展開すべきなのだ。他国に比べても日本にはそれをや
ることで大きな成果が期待できるインフラが存在するのではないか。
12、000円の給付金をあてにする貧困層に最低10万円もするテレビがすぐに
買えそうもないし、ましてや200万円、300万円もするハイブリッドカーに手
が出るわけがないと思うだろう。そうした層には別の施策例えば食料品の消費税は
ゼロにするくらいの措置も必要かもしれない。そしてより余裕のある層にはテレビ
といい、自動車といい、住宅といいその新規購入買い替え需要を大きく促進するよ
うな政策が今求めれられているのではないだろうか。
2008/11/22
早勢 直
今週の意見(605):
党首討論どっちが勝った?
金曜日国会で麻生総理・小沢民主党党首の40分にわたる党首討論があった。TV
中継があったので、ずっとみていたが、あまり緊張するような場面がなかった。先
の福田前総理・小沢氏の討論では、福田氏が逆質問する場面が多く、内容のいい悪
いは別にして、そういう意味ではより緊張感があった。そういう言い方は語弊があ
るがおもしろかった。が、今回は殆どが、小沢氏の質問に麻生総理が答えるという
展開であった。小沢氏が麻生内閣、与党が景気対策のための第二次補正予算を今国
会に提出しない矛盾を徹底的についたことに、麻生総理が全く筋の通らない答弁、
言い訳に終始したという印象だった。
そして小沢氏が失言を繰り返す麻生氏の総理ととしての資質をやんわり批判したこ
とについても、さしたる弁明もなく殊勝に今後そういうことのないよう努力します
といったような答弁に終始した。要するに討論の形をなしていなかったのだ。いや
ありていに言えば、討論など強弁しようがないということでなかったか。
傑作なのは、討論会後の記者会見で河村官房長官が、「総理もやればできる」などと
コメントしたことだった。驚くなかれ、その討論の内容で総理が小沢氏に勝ってい
たというのでなく、またそこで麻生総理の失言が飛び出すのでないかという懸念が
払拭され、無難に討論会を終えたことを言っていることだった。一体全体討論会の
意味をなんと心得ているのだろうか。
官邸筋では事前に政策うんぬんでなく麻生総理に徹底的に失言だけは気をつけるよ
うアドバイスをしたようだ。そしてあの麻生総理もそれに従って安全運転だけを心
がけたようだ。小沢氏のいくつかの挑発にも乗らず、ただひたすら守りを貫いた。
そのことを官房長官がほめているのだから、あきれたものだ。
党首討論を求めてきたのは政府与党側だ。よくそんなことで党首討論など求めたも
のだという感じである。一体それはなんのためであったのか。下落する内閣支持率
に歯止めをかけるため、小沢民主党との政策の違いを浮き出させ、解散した時に少
しでも選挙を有利に戦おうという目的であるはずだった。それがあんな守勢一方で、
一体国民の支持をどう回復しようというのか。
昨日午後のことであるから、マスコミ各社がこの党首討論をどう評価するかはこれ
から出てっくるだろう。が、今日の早朝の段階でもいくつかの主要新聞がネットで
その内容を報じている。概して、討論の内容をただ伝えているだけで、どちらが勝
った、負けたという評価は殆どない。それについては社説などで出てくる、出すつ
もりであろうからそれを待ちたいものだ。
党首討論は単なるセレモニーでない。それはまさに政策の中身、具体性、その実行
の程度などを論理的に論じ、その雌雄を決すべきものだ。マスコミ各紙はその立場
観点を別にして、その勝敗、どちらがよりより優れた論理を展開したかについて評
価し、評論してもらいたいものである。それがどちらが勝ったか、などという標題
があるからその中身を見るとただ双方の主張を並べてて解説しているだけの記事が
多すぎる。
小沢氏が早期解散を求めたことに関して、麻生総理は先延ばしと答えた。それにつ
いては「小沢氏の主張が正しい」、「麻生総理のいうことが道理に適っている」と判定
して欲しいのだ。いや、すべきなのだ。それが討論会そのものの目的である。
そうした総合評価もこれから世論調査その他で出てくるのだろうが、今日の早朝ネ
ットニュースをチェックしていて一つだけ明確な評価結果を目にした。Yahoo
のネットリサーチである。それによると、小沢氏勝利が62%、麻生氏33%、引
き分け5%と圧倒的に小沢氏勝利を明言していた。私も小沢氏に一票を投じそれか
ら結果を見たが、それで納得が得られたのであった。
私のいう納得とは、もちろんその結果の内容そのものについてもあるが、討論とい
う限りその結果どちらがより正しい論理を展開し、その主張により多くの賛同を得
られたかということを明確にしなければならないはずである。それがマスコミの使
命でもあるはず。
時を同じくして、昨日新しい国民参加の裁判制度に参加する国民への資料が一斉に
送付されたニュースがあった。それについてマスコミは今頃になって、それについ
ていいの悪いのと盛んに報道している。今更いいも悪いもない。もうやると決まっ
た以上、一番の問題は国民一人一人が自分でものを考え、自分としての意見を明確
に持つ訓練をすることなのである。それができるかどうかに、この制度の成功のす
べてが掛かっているのだ。
再度言うが、党首討論は単なるセレモニーでもなければ政治ショーでもない。それ
は総選挙に当たって、国民がどちらの政党を選択するか、どちらの政党が政治をよ
りよいものに導くかの選択のためのものである。それについてマスコミなるものが
どちらがより優れた見解を展開したについて明確な判定ができないような状況こそ
が、今の政治の堕落、閉塞のすべての背景があるのだ。
2008/11/29
早勢 直
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