2007年 今週の意見 11月

今週の意見(550):

自民・民主大連合ならず

小沢民主党代表の党首会談で福田総理は現在の混迷する政治状況を打開するため小
沢氏に自民、民主の大連立をもちかけた。懸案の事項はいろいろあるが、このまま
だと新テロ法も成立しない。福田総理はかねて小沢氏の持論である恒久的な自衛隊
の海外派兵のための新法を作ることも視野に入れて、小沢代表に連立政権協議を始
めたいたいと提案した。

小沢氏はそれを党内に持ち帰り、検討すると回答した。民主党内に賛成者はなく、
小沢氏は電話で連立の提案はお受けできませんと返事したそうだ。話はそれで終わ
ったはずなのだが、これがまた結果、政界の大きな憶測、非難、政治不安、不信と
つながっていくところがおもしろい。いや、情けないのである。

一国のトップとして福田総理が政権協議を持ちかけたことに、深慮遠謀があったわ
けでもなかろう。新テロ法ほか、数々の懸案事項で民主党の協力を得ようとするこ
とは当然のことだ。一番いい方法は連立だと考えたのも無理はない。

一方小沢氏にしてみれば、これは氏自身の言葉だが、「一国の総理から話がしたい
と言われたら受けざるをえない」というのはまさに本音だろう。それ以上でもない
し、以下でもなかったのだろう。さらに福田総理から、連立を提案されて、その場
で「お断りします」とやるのが正解だったのだろうが、「持ち帰り党で検討します」
と答えたのが、結果大きな非難が民主党内はもちろん、他の野党から飛んでくるこ
とになった。その場でにべもなく、断るのが果たしてよかったのかだ。それはそれ
で、今度は与党サイド、いや民主党内からも相変わらずの強行姿勢に対する非難の
声が起こったに違いないのだ。

小沢氏にしてみれば、その話に少々乗るジェスチャーを示しておくことが総理に対
する礼儀だし、またさまざまな意味でのかけひきにとっても有利と考えたのかもし
れない。

いや、どんな場合にしても野党の党首の立場はたしかに難しい。強行対立姿勢も非
難を受けるし、協調友好姿勢もダメというレッテルを押されてしまうのである。

問題はこうした動きについての世論の動向だ。これについてはまだ昨日のことだか
ら、新聞社の世論調査などまだなんら出ていない。が、今朝この時間Yahooの
クイックサーチというのをみたら、83%が自民・民主の連立に反対とあった。私
はもちろん反対に一票を投じた上で結果をみたのだが。

一般のTV/新聞などによる世論調査はここまでの反対率ではないだろうが、大勢
は今の時期での二大政党の連立などありえない、すべきでないと答えなのだろう。
そしてそれはその通りと私も思う。

そういう意味でも今回の件で貧乏くじを引いたのは小沢氏だったかもしれない。自
ら戦う民主党のイメージを作ってきながら、今回は妥協のような行動を取ったよう
に見られてしまったからである。それも案外小沢氏の戦術だったかもしれない。そ
のことで逆に今苦境にあるのが自民党の方だということがはっきりしたからだ。

どっちにころんでこれで総選挙が近くなったという見方は当たっているようだ。こ
んな宙ぶらりんの形をいつまでもそのままにしておくわけにはいかなくなる。長い
目でみて日本の政治がよくなるためには、一度は政権交代が実現することである。
具体的には民主党がやはり次の衆議院総選挙で第一党の地位を占めることがすべて
の前提になる。そのためにも、今は民主党には小沢氏をサポートし党内一致した行
動をなにより期待したいのである。

2007/11/3
早勢 直

今週の意見(551):

マスコミ情報操作

福田・小沢氏の党首会談の内容を党の執行部に相談するため小沢氏は民主党に持ち
帰り相談した。それ自体おかしいという非難が多くのマスコミが報道したが、それ
はまた不可解な言い分ではないか。いくら党首とはいえ、そんな重要なことを一人
で決めていいわけがない。党役員会に諮ったというのは当たり前のことだ。

そして役員会では小沢氏以外全員それに反対した。小沢氏にしてみれば、もう少し
賛成者もいると思っていたのにこれは意外だったに違いない。それではなんのため
に党首会談などやったのか意味がないし、それは自分に対する不信任だということ
で辞意を表明したわけだ。そのこと自体は少々短慮にすぎたことで、党から慰留さ
れ、結果小沢氏が辞意を撤回した。それがまた大騒ぎとなり、その小沢氏の行為が
マスコミにたたかれる結果となるのだ。

小沢氏は辞意撤回に当たって民主党で謝罪したり、弁明したりおおわらわであった
。いやもともと辞意など表明しなかければそんな騒動が起こらなかったのだろう。
がしかしとにかく党首会談に応じたこと自体が非難の対象になることがおかしい。

一番の問題は読売、毎日、産経などがこの会談をもちかけ、自民党と民主党の大連
立を持ちかけたのが小沢氏だということを報じたことであった。小沢氏は辞任表明
の会見でマスコミのそうした誤った報道を非難したのだった。小沢氏は辞任撤回の
記者会見で党首会談が設定されたいきさつをこと細かく説明した。そして連立をも
ちかけたのも自分ではないとマスコミの報道を否定した。自分はマスコミからそれ
についてなんら取材を受けていないと説明したがそれは真実であったにちがいない。

小沢氏の説明の後、新聞各紙の記者が質問していたが、読売の記者が小沢氏がマス
コミを非難したことをとらえてそれが間違いだからその発言を撤回せよと迫ったわ
けだ。小沢氏は自分はマスコミからその件については一切なんの取材も受けておら
ず、党首会談の内容については当事者同士しか知らないはずだから。そんな批判を
うけるいわれはないとしたのだった。

至極当然のことだ。マスコミの報道はおかしいが中でも読売のそれは突出している
ようだ。そもそも今回の党首会談をアレンジしたのは読売のナベツネ氏ということ
らしい点からいってどうも情報操作のにおいは消しきれない。渡辺恒夫氏および読
売の意図がどこにあるのかわからないが、これでは小沢民主とうつぶしのためにそ
んなんことをやったのだと疑われてしかたのないことである。

多くの市民がこの事件の背景にそうした謀略みたいなものがあるとは夢にも知らな
い。いまや政治におけるマスコミ新聞TVの報道ぶりが大きく国民の意見形成、民
意形成に大きな影響力があるのだ。こんな情報操作が白昼堂々と行われている日本
の状況を憂えるものである。

2007/11/10
早勢 直


今週の意見(552):

二人の元大臣は喚問に応じるべきだ

「自民党の伊吹文明幹事長は十六日午前の記者会見で、守屋武昌前防衛事務次官が
、防衛専門商社「山田洋行」元専務との宴席に額賀福志郎財務相と久間章生元防衛
相が同席していたと証言した問題に関し、「参考人招致や証人喚問という問題では
ない。審議を引き延ばすためにあらゆることを利用する姿勢はもうやめるべきだ」
と、民主党が求める額賀氏らの証人喚問には応じない方針を示した。」ー東京新聞
ー11月16日

この伊吹幹事長の発言は極めておかしい。もちろん通常の状況ならば額賀氏や久間
氏が国会に喚問という事態にならない。が、山田洋行の守谷事務次官ほか、防衛省
幹部への異常な接待工作が明るみに出たのだ。今検察庁が防衛省関係者を30人も
呼んで調べているという状況である。しかも防衛省官僚だけでなく政治家がからん
でいるとなるとこれは一大疑獄事件になる可能性がある。

その政治家の名前が、疑惑の中心人物守谷氏から出たのだ。それだけでこの二人の
政治家がなにか受託収賄などに関わったとはまだ誰も言っていない。ただ政治家の
名前が出た以上国会自らこの二人を喚問してそうした疑いについて質疑を行うこと
のどこが間違っているのか。そんな問題でないという伊吹氏の感覚こそ疑われる。

伊吹氏はテロ特新法が最優先で討議されなければならない時にこういう問題を持ち
出して引き伸ばし作戦をやっているといいたいわけだ。引き伸ばしといえばそうな
るかもしれない。民主党はじめ野党は、防衛庁の給油量の間違い報告のような問題
を含めて、これはテロ法その他防衛問題を担当する防衛省内部の組織、統治能力の
問題に関わる重要な問題であり、これを徹底的に追求するということのどこがおか
しいのか。

そもそもこれは防衛省のトップの政治家が直接関わっていたかどうかの問題以前に
こんな不祥事を起こしたこと自体が政府与党の大責任であることを忘れている。そ
れを福田総理もこの伊吹氏もまるで人事みたいなスタンスなのだ。

もしそれに直接政治家が関わっていたとなると、内閣総辞職という事態に発展して
もおかしくない問題である。そんな内閣、大臣に国の安全を任せておけるのかとい
うことだ。それこそ新テロ法がどうのこうのいう次元の問題でない。

この根本的な問題を横においておいて、喚問を政局に利用しているなどと、ぬけぬ
けと言う与党、与党幹事長にどうしてマスコミはもっと厳しい批判の声を上げない
のか。

2007/11/17
早勢 直

今週の意見(553):

大和川にあゆ帰る

このニュースはTVでも見た。そして思った。「そうか大和川って全国でも一番汚
い川だったのだ。」

大和川は大阪市と堺市の境を流れる川だ。名前のごとく古都奈良から大阪湾に流れ
る川である。私は堺市生まれで、幼稚園から大学まで堺市で育ったから、この川に
関してはいろいろな思い出がある。高校がすぐ近くであったからよく川原で遊んだ。
大学の時、クラブの仲間と夏などよく川原ですき焼きなどやって遊んだものだ。た
ぶんそんなことはしてはいけないことだったに違いない。その頃はそんなに汚い川
だったわけでない。水だって結構きれいだったのではないか。が、周辺の住民がき
れいな川で保とうなどという意識はあまりなかったに違いない。

その後川下の堺市が臨海工業地帯を開発したりしたのだが、それ自体はこの川が汚
くなった直接的な原因でないだろう。が、当時は要するに自然環境よりも何よりも
経済発展が大切な時代であったのだ。川の汚染はもっと上流の市や町からの排水が
原因だったに違いないのだが、堺市住民を含めて、それをきれいに保とうという思
いや、その努力がなかったことは事実だろう。

私は堺市にある大学を出て大阪門真市に本社のある企業に就職し、堺市そのものか
ら去った頃は、日本は高度経済成長期で大和川に限らず日本の自然の環境破壊が最
高に進んだ時代だったのだ。

その後東京に住むようになり、まだ堺に住む両親を訪ねる都度、この川を電車の中
から眺めた。ああ、堺に帰ってきたかという実感と確かにうす汚れた水の流れが目
についた。その汚さが日本一と自慢できないものであることはつゆ知らなかった。

今はもう東京に定着したし、両親ともどももうあの世に逝ってしまったから堺とは
無縁になってしまった。しかし、このニュースを聞いてほっとした。いつかあの川
原に立って鮎が泳ぐ姿を見ることができるか日が来るかどうかである。楽しみにし
ておこう。

2007/11/24
早勢 直
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