2005年 今週の意見 11月

今週の意見(446):

 総選挙後国会が始まって、いわゆる小泉チルドレンの動向がいろいろ報道されて
いる。猪口議員のようにいきなり入閣したり、国会の委員会審議で、質問に立ち、
きちんとその責務を果たした女性新人議員などは、議員としても合格ということに
なのだろう。まあそうした議員は元々政治の世界はともかく国連や、官僚の世界で
キャリアを踏んだ人たちだから、それくらいできた。

 だからチルドレンというのは単なる一つのジョークだと思っていたら、まさにそ
の名にふさわしい人がいたから、びっくりした。杉村太蔵議員である。あの自民党
圧勝の風に乗って自民党はもちろんご本人自身も思いもかけず、議員になってしま
ったのだ。

 本人は自分は「ニート」の代表だと自称しているが、NEETの意味がわかって
いるのだろうか。NEETとはアルク辞書によれば、young people Not in 
Education, Employment or Trainingとある。すなわち、学生でもなく、仕事にもつ
かず、専門的技能を学んでもいない若者たちの略。つまり、勉強する気も働く気も
ない若者たちのことなのである。今そういう若者が増えていることが一つの社会問
題になっているが、本人自身はいきなり政治の仕事をやってみようと考えたのだか
らそれ自体すごいことで、決してNEETでないことは認めよう。

 しかしその代表、代弁者っていったいどういう意味なのだろうか。いかなる理由
があるにせよ、NEETとはようするに社会からの落後者なのだ。どういう意味で
そんなものの代表であったり、代弁者であることの意味があるのだろうか。

 昨日の新聞記事であったが、杉村氏当選後の幼稚な言動がいろいろ物議をかもし
たので自民党がついに後見人をつけたというニュースがあった。その記事の中で、
小泉首相が「若いうちはどんな失敗をしてもいい。失敗のない人間は面白くない」
と語り親心」を見せた、と毎日新聞は報じていた。

 あきれ果てた話である。それが民間企業とか官界とかに入ってきた新人のことな
らわかる。杉村氏は国民の選良たる国会議員なのである。あらゆる意味で国民に、
人間としても、政治のプロとしてもその範をたれなければならない立場なのだ。そ
の選良に後見人がつくとは一体どういうことなのだ。少々の言動の失敗はおおめに
みてやろうなどいうセリフは一体どこから出てくるのか。

 まあこれも前回の小泉劇場選挙の一つの後遺症であるにはちがいない。日本の政
治レベルの低さを物語る例の一つにはちがいない。

2005/11/5
早勢 直
今週の意見(447):

将棋界の快挙

 将棋アマチュアの瀬川晶司氏がプロ棋士編入試験対局で3勝目をあげプロへの編
入が認められた。その様子はテレビ各局も報じていたが、それ自体さして大きな社
会的反響を生んだわけでない。しかしそれをたかが将棋の世界のことだとあなどる
なかれと言いたいのである。

 私も将棋が好きで、この編入試験が始まった時、さてどうなるか、結果に大いに
興味があった。瀬川氏はもともと将棋のプロへの唯一の道、奨励会に属し、プロを
目指してやっていたのだが、挫折し、今一歩のところで及ばなかった。それで奨励
会を退会し、プロの道をあきらめたのだった。そして将棋そのものもやめてしまっ
たそうだ。

 しかしその後趣味として再び将棋を続けるうち、力をつけアマチュア棋戦でチャ
ンピオンになったり、オープン戦でプロを破るほどの力をつけたのだった。それで
日本将棋連盟にプロ編入試験など実施し、プロへの道を開いて欲しいと嘆願書を出
したのだった。

 それを受けた将棋連盟は理事会を開き、瀬川氏の嘆願を受け入れ、まだ三段でプ
ロではないが、それに一番近い実力者一人、後は本当のプロの棋士数人選定し、3
番以上勝てば、プロ編入を認める決定をしたわけだ。そして瀬川氏は堂々3勝をあ
げたのだった。

 その話を聞いて、彼はそれだけの力があったのだから当然だと、世間の人は考え
たに違いない。確かに瀬川氏に実力があったからこそ出来たことには違いないが、
むしろ私が賞賛したいのは将棋界、日本将棋連盟のその英断である。今回それまで
一切前例のない敗者復活戦を認めたからである。

 従来奨励会を一度退会するともう復活の道は二度となかった。しかし、今回の決
定はその可能性を切り開いたのだ。日本の多くの会派、会合は閉鎖的なところが多
い。長年の伝統、習慣をかたくなに守り、新しい空気、制度をなかなか入れようと
しないのが通例である。

 しかし将棋界は違った。連盟理事会で、スパッとそうした編入試験を認めたとこ
ろがすばらしいのである。なかなかできることではない。現会長米長氏の指導力の
なせるわざかもしれない。

 これは単なる将棋界のことではない。日本社会があらゆる意味でもっとオープン
なものになる一つの象徴的できごとだと思うのだ。

2005/11/12
早勢 直
今週の意見(448):

民主主義という価値観

 APEC開催を前に、ブッシュ大統領が日本にやってきて小泉首相と日米会談を
行った。双方とも日米同盟が両国にとって極めて重要であり、アジアの安定のため
にもそれが必要だという点で一致したわけだ。ブッシュ大統領が先の総選挙で小泉
首相の構造改革路線が国民の支持を得たことをほめそやしたことを、朝日新聞など
揶揄的に論評していたが、そのことは別にして、日米が同盟関係の重要さを内外に
示すことについては、たしかにアジアの平和維持という観点からみて大きなポイン
トであることはそうだと思う。

 それはいうまでも台頭する中国への大きな牽制となっていることもいうまでもな
いことだ。中国の経済的な台頭、それが日本にとっても大きなプラス要因であるこ
とは中国が今や日本にとってはアメリカを抜いて最大の貿易国であることからして
も明らかなことであるが、その一方で中国の軍拡路線が日米のみならず、アジア、
世界の脅威となりつつあることも厳然たる事実なのである。

 日米首脳会談で対中国との良好な関係を維持する一方で、中国の国内政治体制、
自由抑圧統制の現状について懸念を示したこと、その改善を求めたことについては
当然のことだと捉えたい。政経分離は中国の大きな矛盾であり、政治の世界におけ
る民主化こそが、長い目、大きな意味でアジア地域のみならず世界の平和維持のた
めに必要なことであることも間違いのない事実である。

 中国は相変わらず、小泉首相の靖国神社参拝問題を持ち出し、日本の歴史認識を
非難しているが、歴史認識といえば、現代社会の重要な価値観、民主主義、自由主
義といういう価値観からずれているのはむしろ中国の方ではないのか。

 小泉首相の靖国参拝については首相自身の配慮、考慮がもっとあっていいことは
この際認めるとしても、歴史認識ということであれば、今大切なことは、中国、日
本どちらがより民主主義、自由主義という原則にたっているか、ではないか。日本
がかっての軍国主義をいまだ引きずっているようなことを言っているが、それは全
くないことは、日本国民自体が一番よく知っていることである。

 その点については日本と中国どちらが現在より民主主義的な国家なのか、世界に
向かって問うてみたらいい。

2005/11/19
早勢 直
今週の意見(449):

パソコン人生

 今年で七回目を向かえる嵐山合宿は、11月23日、24日、埼玉県嵐山にある
国立女性教育会館で開催され、無事終了した。今回は日帰りの人お二人を含めて総
勢30名の参加を得て、過去最高であった。年二回の開催だからもう3年半も前か
ら続いている。参加はパソコンクラブの会員が主体だが、それこそ全国各地から講
師としてまた受講のため参加してくださる方があることは主催者としてなによりう
れしいことである。

 この合宿研修はパソコン、インターネットを学ぶことを主眼として始めたものだ。
毎回さまざまなことをテーマに講師の方にもそれぞれの分野を担当していただいて
やってきた。パソコンの基本的機能、OSのこと、ワードやエキセルといった基本
的アプリケーションソフトの使い方、お絵描き、デジカメ、パソコン音楽、インタ
ーネットの使い方、ホームページやブログの始め方などその内容は多岐にわたる。
今年は年賀状の作り方、写真を動画で見せるフォトストりー3の使い方、エキセル
のオートシエイプ機能の使い方などについてやったが、みなさんそれぞれ熱心に聞
いておられた。

 パソコン、インターネットのことだけでない。その合間に海外生活経験豊富の講
師のみなさんに海外の話を聞いたり、それぞれの趣味の話、ボランテイア活動の話
なども大変興味を持って聞いていただけるようだ。講習会だけでなく夜の懇親パー
テイも実に楽しい。

 いつも会場として使う国立女性教育会館のマルチメデイア室のパソコンインター
ネットの環境には必ずしも満足していない。インターネットの接続スピードはさほ
ど早いわけではないし、なにしろ公立の設備のこと、セキュリイ保護の名目のもと
使用上さまざまな制限が加えられていて使いにくい。しかし、会場そのものは広い
広い森の庭園の中にあって、そこにいるだけでほっとする。朝の散策、バードウオ
ッチングなどを楽しむにも最高の環境である。

 後何年こういうことを続けられるかわからないが、これからも仲間のみなさんと
いっしょにパソコンを学んでいきたい。パソコンを技術として学ぶためのーマはま
だまだつきることはないだろう。それにそもそも少し大げさにいうのならば、合宿
の本来の目的は、パソコンを学ぶことを通じて、人生いかに生きるかのテーマを追
求することであることだと思っている。そのテーマの追求については無限であるに
違いない。

 これからもパソコンの勉強を通じて、そのテーマをより具体的に実践的にそして
創造的に追求していきたいと思っている。ご参加のみなさんのご意見、ご感想も是
非お聞かせ願いたいものである。

2007/11/26
早勢 直
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