2000年 今週の意見 11月
今週の意見(190):
わかってない官僚
長野県の田中知事が選挙で当選後初めて県庁に出かけ、各局へ挨拶回りをした。
藤井企業局長に、知事の名前入りの名刺を「田中です」と言って渡した。その局
長なんとその名刺を二つに折って、「上司が部下に名刺など渡すものではありま
せん。田中個人に会ったことにしましょう」というセリフをはいた。そのニュース
がテレビで放映されたものだから、長野県民はもちろん、その他からも、「なんと
いう無礼な行動か」と電話やe−mailの抗議が殺到したそうだ。私もその画面
を見たが、ほんと失礼な行動だと腹が立った。
その他講堂に職員や幹部を集めての会合の中でやはり幹部の一人が、選挙中の田
中氏の県政に対する批判を攻撃していた。その具体的な中身の是非はともかく、少
なくとも田中氏は開かれた県政をめざす、県民、市民との対話を重視し、双方向の
意見交換を行い、それを県政に活かしていくということを主張し、それが県民の支
持を受けて、自民、民主など既成政党や、既成官僚組織の壁を破って当選したので
ある。それを支えたのが、勝手連とも言われる市民のボランテイアグループであっ
た。
県の政党リーダ、県庁の幹部達にとってそれがおもしろくないことは当然であろ
う。なにが政治、行政に全く素人の田中氏に何ができるかという思いがある。まし
てや「しなやかな行政」などと言われてもなんのことかわからないという批判もわ
からぬではない。しかし、一番のポイントは地元の県民はそんなことよりも、開か
れた県政、本当に県民の声を聞く県政を行うという田中氏を新しい知事に選んだと
いうことなのだ。同じような例に高知県の橋本知事がいる。東京都の石原知事の場
合は前に政治家の経験があるから少し事情が違う。行政の素人であろうとなかろう
と県民にとって一番大切なことが何か、ということが分かっていることが大切なの
である。
例の藤井局長は世間の反応にびっくりして、辞職を申し出たが、知事は慰留した。
その局長に限らず、県庁の幹部やその他官僚は一体何が問題なのかよくわかったの
だろうか。その意味で今後厚い官僚の壁と闘わなければならない田中氏の今後の活
躍を期待し、応援したいものである。
2000/11/4
Tadashi HAYASE
今週の意見(191):
メデイア混乱
アメリカ大統領の選挙が混乱に陥った。フロリダ州でのブッシュ、ゴア両候補の
票数が1800票あまりと接近したため、再集計となったためだ。それだけならい
いが、その後到着する数千とも言われる不在者投票の結果によってはどうなるかわ
からないという。一説には結果が出るのにさらに10日を要するという報道もある。
いやはや大変なことになったものである。
それはしかたがないとして、問題はメデイアの報道が大混乱したことであった。
多くのメデイアが出口調査などの結果で、開票初期の段階でゴア氏当確といい、
それが後にブッシュ氏が追い上げると今度は、ブッシュ氏当確と報道した。ゴア氏
はそれを見てブッシュ氏に敗北を認め、祝意を伝える電話をしたのだが、実はその
票差がごくごく僅かであることを知ってそれを取り消したそうだ。そしてメデイア
はこぞってブッシュ氏当確を取り消したのである。
まあそれくらい混戦だったということだろうが、こうしたことは単に取り消し取
り消しで済む問題ではないと思う。マスコミが視聴者、国民を混乱に陥れた責任は
極めて大きいと言わねばならない。
第一なんであんなに急いで当確を打つのか、その必要があるのかよくわからない
のである。当確を打ちながら、その後落選というケースは日本の選挙などでも結構
あったし、これからもあるに違いない。もちろんそうした予測は過去のデータやさ
まざまな最新のデータをもとに、統計学的に推測するものだから、当たる確率は極
めて高いものには違いないのだ。しかし、当確などと誤った報道をされ、そうでな
かったら被害を被るのはそれぞれの候補の選挙関係者であり、国民なのだ。メデイ
アはなによりも事実を報道すればいいのであって、予想、予測よりも正しい結果の
報道がその使命であるはずだ。選挙は競馬競輪の類ではない。当った当たらなかっ
たの興味ばかり先行してはいけないとつくづく思ったわけである。
当選の確率90%という言い方ならわかる。が、確実という意味はほぼ100%
という意味なのである。この際あらゆるメデイアはこの表現について再検討すべき
だと思う。
2000/11/11
Tadashi HAYASE
今週の意見(192):
加藤氏造反
加藤氏の内閣不信任に同調するかもしれないという発言で政局が俄然緊迫した。
最近はその話ばかり。自民党内はもちろん野党を含めてそれぞれの思惑で、ああで
もない、こうでもないとやっている。
それが加藤氏がそのまま自民党に残って次期総裁をねらっての戦術なら、言語道
断だと思う。あんな発言をした限りもう次ぎの選択は自民党を飛び出して、新党を
作るしかないと思う。その上で、他の野党との共闘という筋書きならわかる。民主
党の鳩山氏も、自民党に残ったままでは共闘の話などありえないとしているが、そ
れはその通りだと思う。
自由党の小沢氏はかって、羽田氏などとともに宮沢内閣の不信任案に賛成票を投
じるともに自民党を飛び出し、政界再編のきっかけとなった。党に造反するのなら
それが本当だろう。加藤氏の動きについて小沢氏自身は、「自民党打倒という一点
にしぼって非自民で結束すればいいこと」とコメントしているがそれが本当だと思
う。
他の与党リーダー達は総じて、今この大切な次期に政権抗争などすべきではない
としている。補正予算など重要案件が山積している中でそんなことをしている暇は
ないという論理だ。果たしてそうか。野党だって直ちに不信任案提出、国会解散と
はしないだろうが、森内閣に対する国民の不信がここまで高まった今、とりあえず
緊急的な案件は片づけたら解散総選挙というのが民意ではないかと考える。加藤派
が不信任案に賛成してそれが成立する見込みなら、加藤派決起は大いに意味がある。
いずれにせよもう一度政界大編成は避けられないと思う。えらいコストと時間の
かかる話だが、それはしかたのないことだ。国民は今度こそどの政党が本当に日本
の将来を背負って立つ党か見極めなければならない。
2000/11/18
Tadashi HAYASE
今週の意見(193):
フエアのアンフエア
東日本、西日本はじめ全国のJRで料金の計算が間違っていて、まちがったまま
の料金掲示がしばららくそのままになっていた。乗客の指摘でひそかに直したりし
たものの、あちこちでそれではすまない規模に発展してしまった。一体なんという
ことだろうと思った。
払いすぎた客には払い戻すというが、当たり前だ。第一そんな過去のことなど乗
客だってよく覚えていないし、たしかに乗ったという証拠もなにもない。遠慮深い
人はまあしかたないか、ですますのだろうか。それともこれこれの回数乗ったから
返してくれと言えば、無条件で応じてくれるのだろうか。いずれにせよ、ずいぶん
ずさんな話である。
なぜこんな基本的なミスが起こったのかと問われて、JRの内部事情に詳しい人
が「合理化、合理化で人手不足、現場の志気が落ちているのがその理由」などとあ
ったが、そんなことはいいわけにもならない。
これがもし私鉄なら運輸省かなにかの指導があって報告書を出させた上に厳重注
意なんてことになるのだろうが、JRの場合はどうなるのでしょうね。なんだかそ
んな動きもあったようだが、内閣不信任事件の騒ぎにまぎれてこの問題あまりマス
コミも取り上げないので助かっていますね、JRさん。
主題の意味分かりますね。フエアとは鉄道料金のこと。アンフエアとは不正なこ
と。解説したらなんにもおもしろくない。
2000/11/25
Tadashi HAYASE
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