1998年 今週の意見 5月

今週の意見(66)

英語フォーラムに参加しよう

  日経BPが主催するBizTech Forumの中にHello! BizTech Forumというのが
あって、入会者がそれぞれそこで自己紹介をしたり、会員同士のさまざまな交
流をする場がある。今度そこに全部英語でメッセージやコメントを書くEnglish
Salonというのを開設した。まだ始まったばかりでなんとも言えないが、まず
まず参加者が集まりそうな雰囲気ではある。

  パソコン通信の時代からそういう英語で書くボードというのは日経MIXの
時代にもあったしそれからNIFTY Serveにでは今でもそれがある。MIXの時
代、結局は長続きしなかった。NIFTYServeのものも結構書き込みがあるようだ
が、極めて限られた会員からしか参加はないようだ。英語は読むのでも大変な
のに書くことなんてもっと大変だ、というのが本音だろう。

  パソコン通信時代はともかくインターネットが普及しはじめてからは英語は
ますます大切な言葉になりつつある。ネットサーフィンなどする際にも外国の
サイトにアクセスすると英語を読んだり、書いたりする能力が必要になってく
る。翻訳ソフトを多用する人もいるが、英文和訳はともかく、和文英訳などま
だ殆ど実用になっていない、というのが実状だろう。インターネットの良さは
なんと言っても、海外、国内に限定することなく、さまざまな情報を入手した
り、必要なソフトをダウンロードしたりできることである。

 外国のサイトを十分活用するためにはやはり、英語をマスターしておく必要が
ある。英語勉強法はいろいろあろう。が、インターネットを利用しての英語勉
強というのが今の時代一つの大変いい方法だ。

  私の場合毎週一度この「今週の意見」 というコラムを書くか、ホームページ
の英語ページでそれを紹介するために英語でも書かなければならない。週一度
でも和文英訳をやっていると結構勉強になる。日々のトピックスを英語にする
ためさまざまな単語を調べることで単語も覚える。そして考えるにもう
一つのいい英語勉強法がForumにおけるこうした英語分科会である。毎日少しづ
つでも実際に英語を書くことで、また他の人の英語を見ることで、互いに刺
激し合うこともできる。

   参加に当たって大切なことはあまり文法的ミスに神経質にならないことだろ
う。辞書はもちろんどんどん引いて英語らしい表現を覚えてそれを書き込みこと。
一番注意したいのは単語スペルだが、これはスペルチェックのソフトが大変便利
だ。これはかなり機械的にできるのでこれはアップロードの前にチェックをかけ
てみることである。使用する単語さえ的確であれば少々の文法ミスがあっても意
図するところは十分伝わるはずである。

  インターネットの世界で英語が主流になるのはけしからんなどと言うのはやめ
て、どんどん英語を習い、使い、そして英語ででもどんどん情報発信できるよう
になるべきだ。

  その意味でも BizTech Forum English Salonにどんどん参加して欲しいもので
ある。

1998/5/7
Tadashi HAYASE
今週の意見(67):

一本釣り

 5月8日、高知県の中土佐町で講演を依頼され、出かけた。テーマは「ネット
ワーク社会のコミュニケーション」 講演の方は順調でうまくできたと思う。夕
刻町営の黒潮本陣という宿に一泊、参加者の方々ともども宴会で本場のかつお
のたたきをごちそうになった。宿の庭でわらを燃やし、その場で焼いていただ
いくものだから大変おいしい。スーパで買って食べる冷凍のたたきとまったく
違うのも当然だろう。                         

 当地はかつおの本場、町のパンフレットを見ると、鰹乃国という言葉があっ
た。昔から鰹漁業で生計を立てている町なのである。かつお漁業と言うとそれ
は、昔ながらの一本釣りなのである。かつおの一本釣りという漁法は知ってい
たが、常々なぜ網でまとめて獲らないのか疑問に思っていた。当地に来て、町
のPRパンフレットを見て始めてその理由がわかった。          

 網で一網打尽にする方が効率がいいはずなのになぜそうしないのか。理由は
二つある。一番目の理由は一網打尽にすると魚がいたみ、味がおちるというこ
とである。二番目の理由は資源保護である。まとめて獲ってしまうと必要以上
に獲りすぎる結果となる。その結果、資源がなくなってしまうおそれがある。
そのような運命になった漁業資源はいくらでもある。底引き網でごっそり限ら
れた魚資源を獲ってしまい、日本近海で絶滅に瀕した魚類は沢山ある。それを
防ぐため、かつお漁業関係者は一本釣り漁法をかたくなに守り続けてきたのだ
という。それを聞いてなるほどなと納得した次第。            

 それと関連して思いついたことがある。最近の新しいマーケテイングの方向だ。
最近はかってのマスマーケテイング、大量生産、大量販売のマーケテイングか
らワン・ツ・ワンマーケテイングに移行してきたと言われる。顧客の好み、嗜
好は10人10色である。それぞれの好みに合わせて、製品を開発し、生産し
供給していくという考え方である。一例として最近のパソコン販売などがあげ
られる。客のスペックを聞いて、それに従って工場に発注し、生産し、供給す
るという受注生産方式がだんだん増えてきた。これなど典型的なワン・ツ・ワ
ンマーケテイング、一本釣りのマーケテイングと言っていいのだろう。   

 在庫を持ったり、売れ残りを作ったりする無駄がないわけだ。希望のスペック
通りのものができるのだから客の満足度も高い。そうした仕組みが効率よく動
くのもコンピュータネットワークのおかげと言っていいのだろう。ネットワーク
こそが一本釣りのマーケテイングを可能にしたのである。         

 おいしいかつおのたたきをいただきながら、同席の方々とそのうような雑談を
楽しんだのであった。                         

1998/5/16                              
Tadashi HAYASE                            
今週の意見(68):

インドの核実験

  インドが2度にわたって核実験を強行した。包括的核実験禁止条約CTBT
が成立する前の駆け込みだと見えるし、敵大国パキスタンへの示威行動だとも
言える。核保有国になることで、強国になったのだとの国際社会への示威の意
味もあるのだろう。国内の世論は8割方、これを支持しているようだ。

  これに対し、世界の世論は一応に反発をしているが、経済制裁など明確な方
針を打ち出したのは日本、アメリカなどの他は数が少ない。中国、フランスな
どは遺憾の意を表しているものの経済制裁措置の発動そのものには慎重な姿勢
である。そりゃそうだろう。かって自分たちがやったことを棚に上げて、今更
おっぴらに非難などできるわけがない。しかしこのような示威行動が今や国際
社会においてなんの意味も持たないことをインド政府指導者それになによりも
国民に認識させなければならない。そのためには経済制裁で痛い目に会わせる
しかないのである。

  日本では橋本首相自ら制裁措置を発表していたが、当然のことである。中国
やフランスの時よりなにか断固たる態度であるようにも見えるが、それでよい。

  いうまでもなくインドは日本にとっても文化、歴史、そして宗教面で大変関
係の深い国である。おしゃかさま仏教生誕の地でなのである。西欧諸国ではど
うかわからないが、マハトバ・ガンジーの無抵抗主義、非暴力の思想はさまざ
まな形で日本人に影響を与えている。旧約聖書の「目には目を、歯には歯を」 と
いった考えより、無抵抗主義の考えの方が日本人にはわかりやすい。

  かってそうした偉大な指導者を生んだ国が、「目には目を」式の暴力には暴力
をもって、力には力をもって、核には核で対抗するような行動に走ることはま
ことに残念である。国家主義から脱し、地球国家、世界連邦をめざそうかとい
う大きな潮流にも逆らうものである。そうした暴走を経済制裁などという力で
押さえつけなければならないのは残念な話だが、やむをえないところであろう。
パキスタンも対抗して核実験を始める可能性があるが、国際世論、経済制裁の
厳しさを見れば考え直すにちがいない。サミットでも一応の非難声明があった
ものの断固たる国際世論の一致、制裁措置が今一番必要なようだ。

1998/5/23
Tadashi HAYASE


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