2004年 今週の意見 5月
今週の意見(368):
問題をそらすな
先週三人の閣僚の社会保険料未払いので問題を論じたが、その後なんとさらに4
人の閣僚それに民主党の菅代表、鳩山元代表まで、一時期、社会保険料を支払って
いないことが判明した。閣僚と言わず、全国会議員を対象として調査したら一体国
会議員の何%が一体きちんと社会保険料を支払っているのか、未払い率が相当な数
字になりそうだ。
国民の年金制度への不信感はここに極まれり、というところである。若者の40
%が未加入でが問題の中、それはいけません、みなさん保険料はきちんと払いまし
ょう、と政府が有名女優を使ってTVコマーシャルをやったのだが、その女優本人
が国民保険未加入であったというお笑いにもならない事件が、そもそも今回の一連
の事実発覚のきっかけであったのだ。
未加入者をなんとかしなければ制度そものものが崩壊するなどと政治家が声を大
にして言っても肝心の政治家がこのありさまではどうにもならない。ことここに至
って政府が連休前の国会で提出し、委員会で可決成立した年金改正法案などゼロに
戻して議論すべきことは当然のことなのに、政府与党はその法案成立に全力の挙げ
る構えである。そんなことがあったいいのか。
殆どの問題の大臣や菅氏など別に悪意とか意図的に保険料を支払わなかったので
ないと釈明していることは認めてもいいだろう。しかしそれはまさに現行制度がい
かに複雑なものであるかを裏付けた結果となった。しかも現行の制度は政治家だ、
公務員らにとってはさまざまな優遇的制度であることも裏付けたのであった。で、
ないと彼らがそう簡単に保険料支払いを忘れるはずがない。
我々民間のサラリーの場合、保険料は給料から強制的にに差し引かれたし、それ以
外年金を受け取るすべなどなかったから、仮に転職したりした場合でも、その都度
きちんとそのつながりをチェックしたものである。でないともらえるものがもらえ
なくなることを知っていたからだ。
閣僚だ、政治家は国民年金などなくてもそれにそれに代わる他の年金や、高額の
退職金などがあるから、そんなものに無関心であったに違いないのである。そうし
た不公平の是正や、複雑な制度の簡素化という意味で一元化の必要性が論じられた
はずだ。それを主張した民主党の代表がミスを犯したからと、あたかもそれそんな
議論がなくなったしまったかのごとき問題転嫁がなされているところが、またまこ
とにおかしなところである。
2004/5/1
Tadashi HAYASE
今週の意見(369):
パソコンお絵描き
パソコンで絵を描くことの楽しさについては以前にも書いたことがあったが、先
週のパソコンクラブで、簡単なお絵描きをやった。みなさん楽しそうにやっておら
れたのを見て、改めてその楽しさについて書いてみることにした。
先週木曜日は、午前午後のセッションに分かれていたのだが、午後はWordの
使い方の中で習ったオートシエイプ(図形編集機能)を使って、簡単な家の絵の描
き方の実習を2時間ばかりやった。家の壁、ドア、窓、屋根、エントツなどを四角
形、台形、円などで描き、それに色を入れ、それもグラデイエーションの変化をつ
けたりする。それぞれの部分をばらばらで描いておいたそれぞれの部分を最後に一
枚の絵にまとめてしまうというプロセスなのだが、これが大変おもしろい。大の大
人が2時間夢中になってその面白さをそれぞれ満喫しておられたようだ。
四角形だ、円だの描き方とかそれに色を入れる方法とか、その方法はみな一緒な
のだが、その形、色の組み合わせ、それにオプションで庭を描いたり、そこに花を
植えたりするわけだが、それには絵を自由に描けるフリーペンを使う。そのフリー
で描く部分についてはそれぞれの人、決定的な違い、差が出てくる。元々水彩画、
油絵など描く経験のある人は、そこでその経験を活かしてそういうものを表現でき
るし、それがない人はまたそれなりにいろいろ工夫して描くところがおもしろいの
である。仮に技術的には少々劣るところがあったとしてもだ。
そうした簡単な絵を一枚描くだけでもそれを描くステップ、技術の組み合わせが
無限にあるところがおもしろい。ましてや、全体の構成、色彩感覚など、オートシ
エイプという機能をマスターすることもさることながら、油絵や水彩画を描くとき
と同じ感覚、絵描きの感覚がいろいろ出てくる、試される、訓練されるところがい
いわけだ。
パソコンで絵を描くなど、邪道だとか、本来の絵描きと全然違うものだとか言う
人もいるだろうが、そんなことは指摘されるまでもないことである。私などはそう
いうことをやってみて始めて、絵心がついたというか、絵を描くということの意味
楽しさを知ったということだ。私が今描けるものは絵どころか簡単なイラスト程度
それも既存の素材を使ったそれだが、それでもそれが大変おもしろい楽しいわけだ。
そうした楽しみはパソコン音楽ということについても同じことなのだが、それに
ついてはまた何時か書いてみたい。
すでにパソコンお絵描きをやってみられた方について、私の言いたいことは十分
理解いただいたと思うが、そうでない方については論より証拠一度やってみること
を是非おすすめしたいのである。
2004/5/8
Tadashi HAYASE
今週の意見(370):
モラルハザード
公明党の幹部、厚生労働省の二人の副大臣をはじめ国会議員の年金保険料未納者
が次から次へと発覚し、ついに小泉総理までその事実が明らかになった。まあそれ
が一応形だけのものであったとしても、そうした未納者が明らかになった政治家の
殆どは謝意を表したり、弁明したり、またその要職をやめたりする中、小泉総理は
その政治責任はないと表明し、それがどうした、と言わんばかりの態度だからあき
れる。
首相は一体どういう道徳観念をお持ちの方なのだろう。
民主党、公明党は全所属議員の年金加入問題を調べ、それぞれ未加入者を公表し
た。が、自民党はそれは個々の議員の問題として党として調べない、公表しないと
いう。安部幹事長はそれはマスコミの興味本位の報道だとし、別の党幹部はそれを
「魔女狩り」だなどと言明するにいたっては一体なんたることかと憤慨に堪えない。
小沢一郎氏が次の民主党代表に内定した。氏は、終盤国会での自民、公明、民主
三党の年金法案をめぐっての合意案に反対し、国会決議には欠席した。民主党の国
会対策委員長の野田氏はこれに不快感を示し、「公党の合意を守らないなど、モラ
ルハザード」と発言した。しかし、年金法案をめぐってのこんな状況下でのあのよ
うないい加減な合意案をまとめてしまうこと自体がモラルハザードではないのか。
この問題をめぐっての政治家どものそれぞれの対応、発言、駆け引きを見ている
自体本当に興味深い。その政治的スタンスは別にして、政治家というより、人間的
なモラルにまず欠けているのではないかと思う場面が多いのだ。
小泉、小沢両首脳の戦いがこれから始まる。その結果どうなるか、国民の一人と
してその行く末を見守りたい。こんなモラル欠如のトップは早く去って欲しい思い
で一杯だ。
2004/5/15
Tadashi HAYASE
今週の意見(371):
裁判員制度法成立
一般市民が重大な刑事事件の裁判審理に参加して、裁判官とともに、有罪・無罪
や刑の重さを決める新しい裁判制度を創設する法案が先の衆議院に続いて参議院で
金曜日可決成立した。こんな重要な法案が与野党ほぼ全会一致の決議で決まったこ
とにびっくりした。司法改革の一環としてそうした制度導入について国会で審議さ
れていたことも知っていたが、年金法案などと違い、与野党の対決もなく、すんな
り決まったわけだ。
テレビニュースを見ていた妻が、そんな制度のことを始めて知ったらしい。びっ
くりして言った。「へえ、法律も何も知らない一般の素人の市民が、しかも非常識
な市民が裁判員に選ばれる可能性があるというそんな危険な制度を導入していいの」
ってつぶやいた。「いや、あんただってその裁判官に選ばれるかもしれないよ。」
もちろん私だって。私なら一度裁判官なんて一度やってみたいけど、あなたはどう。」
「いや、とんでもない。嫌です。ごめん蒙りますよ。死刑に賛成するか、どうか自
分が決めるなんてのは」「いや、市民裁判官はくじで選ばれのだが、一度選ばれと
それ相当の理由がないと辞退できないのよ。」
それを聞いて妻は「へえー」と絶句してしまった。いや、今頃絶句してももう遅
い。もうその法律はもう成立してしてしまった。2009年4月から施行の予定な
のだ。多くの国民は私の妻と同じ状況に違いない。そのニュースを見て、そんな重
大な司法制度の改革、画期的な裁判制度が導入されることに始めて気づいた人も多
いはずだ。私自身もその内容については大体知っていたが、実は国会でそうすんな
り通ってしまうとは思っていなかったのだ。
まあそれについては、その制度のいい点、悪い点、問題点などこれから本格的国
民的議論が行なわれるだろう。その上でさらに改良すべきことがあれば改良してい
けばいいことである。ただその制度改革の本来ねらいが問題なのである。なにかに
つけても与野党の対決が多いなか、どうしてこんな法案に与野党こぞって賛成した
かである。
これまで裁判というと、とかく、検事、弁護士、裁判官といった法律の専門家だ
けの世界であり、一般市民から程遠い世界のことであった。そうした世界に市民の
常識的感覚を反映すること、市民の参加を得ることで、裁判制度自体やその大切さ
について理解を深めることをその狙いとしていることについては私も理解できるし
その新制度導入の目的自体については大賛成である。
司法改革に当たって国会議員達がもっと国民の参加が必要だという考えに立った
ことは大変結構なことだ。しかしである。司法改革と並んで同じように重要な行政
改革、立法改革、すなわち行政府だ、国会の改革、自らの問題となるとどうしてい
つも与野党意見が真っ二つに割れるのか。国民的視点に立てばもっと意見が一致す
る部分があるはずなのだが、と私は皮肉をこめて疑問を呈したいのである。
2004/5/22
Tadashi HAYASE
今週の意見(372):
平和ボケのNHK
先週土曜日泉首相が訪朝し、蓮池さん、地村さん夫妻のお子さん五人が帰って
くるとニュースが報じられた。そして夜小泉首相の乗る専用機と五人の乗る専用機
が相次いで羽田に到着する様子、期待を裏切られた家族会の人たちの記者会見など
の様子を日本テレビが逐一報じていた。他の民放はいつもの番組をずっとやってい
たようだ。
私がびっくりしたのはNHKである。NHK夜のゴールデンアワー中、そのい関
連の特別番組も何もなく、7時からずっと終了まで巨人・阪神戦を放送し続けた。
首相の羽田到着の様子や、お子さんたちの到着の様子など見ていてもしかたがない
が、私はやはり国民の一人として、この拉致問題は重大な関心がある。多くの国民
も拉致家族会の様子や日本国内、外国の反応などについて、それがどんなものか、
小泉訪朝の成果の評価、その意味などについて刻々知りたい思ったに違いないので
ある。
ところが、それでも民放の一社がそうした特別報道番組をやっているのに、公共
放送たるNHKが延々と野球中継を続けたのには驚き、かつ腹がたった。それは日
本国内はもちろん世界中が注目している国家にとって重大な政治事件なのである。
それが民放ならまだわかる。が、別にスポンサーとの契約があるでなし、公共放
送たるNHKそのことで特別番組を組んでも誰からも文句は出まい。まさか、圧倒
的に多い阪神、巨人フアンの反発を恐れてのことではあるまい。
私はそのことを大変疑問に思いながら、日本テレビをずっと見ていて、その日は
終わった。そしてNHKのそうした報道ぶりには他のマスコミや、NHKの視聴者
から大きなクレームが寄せられるに違いないと考えていたのだが、その後の経過を
見ていても、全くそのような気配はなかったのである。
私は今そのことに怒りを覚えている。それと共にこの日本と言う国の平和ぼけぶ
りについてある種の失望感をいだいているのである。
2004/5/29
Tadashi HAYASE
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