2006年 今週の意見 3月

今週の意見(463):

JALの再建

 JALの新町社長が辞任し、平取締役の西松氏が社長に就任することになった。
日航もやっと再建も道を歩き始めたようだ。社内の部課長といったスタッフから
社長交代の署名運動が行われるということ自体が民間企業では前代未聞の事態で
ある。いろいろな会社の不祥事をみてきたが、こんなケースは初めて見る。

 新町社長がどんな人でどんな経営をやってきたかなどということはよく知らない。
が、ここ数年の度重なる不祥事や、今年度の決算で470億円という巨額の連結
当期利益となるような状況下、2月の主要株主との会議で、2007年までの留
任を宣言したということが一般株主や、従業員の不信をかったというとは当然の
ことかもしれない。

 幸いというか、新町氏はその責任を明言して社長を退くことに決めたのは日航に
とってもぎりぎりの決定でよかったのだろう。これ以上の混乱が続くと一体どうな
るかとの社内外の大きな懸念がその背景にあった。

 問題はその西松氏の新社長への決まり方である。いわば末席の取締役から一挙
に社長に昇進したのは、本当に平松氏にその実力があったからかどうか、いうと
そうでもないらしい。社長ひきずり下ろしの運動の中にあって、新町氏擁立派と
反対派が激しく対立したのだが、西松氏は財務担当役員ということもあったのか
どうか、いわば中間派であった。西松氏就任はいわば両派の妥協の産物というよ
うに報道されていたが事実はそうらしい。

 このあたりがいかにもいわゆる日本的解決策のような気がする。西松氏は財務
関係という仕事柄、主要バンクへの顔を利くから適任だというような解説もあっ
たが、そんなことより、氏が今困難に直面している日航のさまざまな経営上の根
本問題を本当に解決できるのか、また大混乱の社内体制を立て直してやっていく
だけの強力なリーダーシップを発揮できるのかどうかである。社長就任の最大の
要件はそのことであるはずだ。

 どんな組織でも問題が起こっている時、争いの中でどちらにもつかず、その旗
幟を明らかにせず、中立を決め込む人がいるものだ。私などは基本的にそういう
人はあまり信用しない。できない。反対なら反対でいい。むしろ自分が正しいと
思うことを堂々ぶっつける人の方が、後々むしろ同士となって一緒にやれるとい
うことがよくあるものだ。

 日航のことなどどうでもいいようだが、なにしろANAと並んで日本の二大航
空会社である。その経営がいち早くたて直ることはいうまでもなく国益につなが
ることである。

 西松氏のこれからの手腕に注目し、また株主だけでなく、消費者として、また
一国民として日航の経営が早く本来の信頼を回復し、業績の向上につながること
を期待しているものである。

2006/3/4
早勢 直
今週の意見(464):

突然の通達

 一年間自治会の役員をやってきて、いろいろ大変だった。まあなんとか最後のま
とめをやって、さてこれでやっと終わったか、と思っていたら、3月7日の日に、
地元郵便局の団体保険担当者が訪ねてきて、4月以降の団体保険の取り扱いについ
て説明したいという。なんのことかよくわからなかったのだが、聞いてみてびっく
りした。

 私どもの自治会では郵便局の簡易保険に団体加入している人が数百人いる。正確
にそれが何人なのか、自治会役員には知らされていないし、わかりようがない。た
だ個人が団体で保険に加入することで、個人の払い込み保険料は安くなるし、団体
にもその数に応じて、活動費が実際に保険運営を行っている財団法人から支払われ
る。その活動費自体、自治会にとってもおおきな収入源であるし、第一自治会自体
としては特にやることがないので、それ自体ありがたい制度ではあった。

 自治会としては誰がどのように保険に加入しているか、知らされてもいなかった
し、知るよしもなかった。それはある種個人情報であるし、それぞれ個人ないしは
世帯が加入するのも、その事実を自治会というか、他の人に知られることもないと
いうことで、加入していたという側面も当然あったはずだ。

 訪ねてきた郵便局の担当者の説明は要領をえなかったが、要するに例の郵政民営
化にともなって、制度が変わった。これまで郵便局、実際には郵政公社の外郭団体
である簡易保険加入協会が代行してやってきた団体保険事務、会員の管理、集金事
務を含めて、4月以降はそれぞれの団体がやってもらうことになるのでよろしくお
願いしたいということだった。それができないのなら、要するに団体加入はやめて
もらうことになる。説明については正確ではないかもしれないが、そういうことだ
った。

 いや、実はそのことは自治会事務局でも予測していたことだ。郵政民営化にと
もなって多分そういう事務をやってきた外郭団体も整理されることがあるかもし
れないから、いずれ団体保険制度自体見直されるだろうと役員会で話しあってい
たのである。第一団体としてはその名義を貸すだけで結構大きな活動費が入るの
だから、それについては文句はなかった。ただそれが郵政民営化にあたってそう
したものが整理統合されることも法律で決まったのだとすれば、それはそれに従
っらいい、従わざるをえないと思っていたわけだ。ただそれは団体にとって活動
費が入るかどうかということよりも、個々の加入者はメリットがあるからこそ加
入してきたわけで、それが突然やめるか続けるかといわれたら戸惑うにきまって
いる。

 集金業務を含めて、今後の管理業務一切を団体事務局がやるなどということは
団体にもよるだろうが、大変な負担となることは明白である。結論的にはおそら
く多くの団体が保険加入はやめるということにならざるをえないこともやむをえ
ないとその郵便局員の話を聞きながら思ったわけだ。

 しかし、しかしである。それを役員会だけで勝手に決めるわけにはいかない。
加入者一人一人にその意向を聞いてみなければならないことは明白である。さて
それをどうするかだが、上で述べたとおり、自治会事務局に加入者リストを含め
てその情報は一切ないのである。そのリストを入手してこちらから働きかけるこ
と自体、先の個人情報うんぬんのこともあってできかねることなのだ。だからそ
の意志を聞くとすれば、郵便局自体でやってもらうしかないしそれが筋である。

 それを今から、3月末までやれというのか。できるのか、一体どういうことか
とその係員にその後電話でも抗議したが、その係員いわく、「おっしゃっているこ
ともっともなので上司に伝える」という返答だった。実にあきれた話である。

 それとあらためてこの簡易保険料払込地域団体規定というものを読み返してみ
たわけだ。平成9年に上で述べた郵政公社の外郭団体と結んでいるものである。
それによれば、この契約は年間契約であり、各年度の2月末までに解約の事由が
発生しない場合さらに一年契約が存続するとあった。それで安心した。なんだ
そういうことだ。だってその係員が訪ねてきて説明したのは3月の7日であった
からだ。

 あのような形でばたばたと決めた郵政民営化の決定が、その後さまざまな形で
混乱を招いていくことになることは予想していたのだが、自分自身が身近にこん
なことが起こるとは思わなかった。この問題については今後全国的な問題として
波及していくことも間違いないことである。

 このこと「小泉さんと竹中さんに伝えてください」とその係員に伝えが、これに
はさすがノーコメントだった。

2006/3/10
早勢 直
今週の意見(465):

卒業式

 昨日金曜日、地元の中学校の卒業式があった。地元自治会会長たる私に来賓とし
て列席するよう招待状がきていたので、出席することにした。自治会の務めもこれ
で終わりだし、さて最近の中学校の卒業式とはどんなものか、自分達の時代のもの
とどう違うのか、見てみたいという興味もあった。

 昨年4月この中学の入学式には、やはり、自治会の代表者として出席したのだが、
それが縁となって、パソコンの授業のお手伝いをすることになり、今年度もそれを
続けてもらいたいという依頼もあって、それを了承していた。この中学校との関わ
りがそういうことでさらに深まることもあって、出席したわけだ。学校に入ったと
たん窓から私を見ていた卒業生が、私を発見して声をかけてくれたのがうれしかっ
た。

 朝の10時から始まったのだが、そこに卒業生、在校生、教職員、保護者、来賓
として教育委員会関係者、PTA役員などが出席していることは今も昔も変わりが
ないようだ。ただ私達の時代では、自治会役員とか民生委員などの出席はなかった
ように記憶している。最近は地元との関わり合いを重視するということもあって、
自治会代表や、民生委員などが出席するようになったのはいいことなのだろうと思
う。

 式は君が代斉唱出始まったが、せいぜい一時間半くらいかなと思っていた。それ
が、なんと2時間10分ほども掛かった。冒頭卒業生190名に卒業証書授与があ
るのだが、なんと言ってもこれに時間が掛かった。だって一人一人名を呼んで証書
を校長が手渡すのだから、それだけで80分ほど掛かる。

 昔はいわゆる総代の生徒が一人いて、これが代表して受け取るのだから時間は短
かかった。それを一人一人に変えたのは時間が掛かってもしかたがない。むしろい
いいことだと思ったわけだ。

 後は型どおりの市や教育委員会のお偉方の式辞、在校生徒の送辞も昔のパターン
だ。卒業生の答辞はかってはやはり卒業者の代表がやったものだが、最近は各クラ
スの代表者が数人でてきて、一つのテーマ、ストーリーのもと順次読み上げるとい
うパターンであった。これもちょっと長かったが全員参加という意味で、これもそ
れでいいのかなという感じであった。

 最後は例の別れの歌、「仰げば尊し」の斉唱だか、最近はどこの学校でもこれが歌
われることは殆どなく、それぞれの学校でさまざまな工夫をしているようだ。今回
は最近卒業式で歌われる人気の高い二つの曲を学校の吹奏楽部が演奏し、卒業生が
これを歌っていた。

 歌いながら感極まったのであろう。半分位の女子生徒が泣き出したのは意外でつ
いこちらも涙ぐんでしまった。

 最初はちょっと長いなと感じた卒業式だったが、拍手で卒業生退場まで見届けた
後はさわやかな気持で帰宅の途に着いた。

2006/3/18
早勢 直
今週の意見(466):

ライブドアの監査法人

 3月25日の読売新聞にこんな記事が出ていた。

 「インターネット関連企業「ライブドア」の粉飾決算事件で、同社の監査を担当し
た港陽監査法人が自主解散を検討していることが24日、明らかになった。・・監
査法人が解散を検討するという異例の事態で、改めて監査のあり方が厳しく問われ
ると同時に、監査法人のあり方にも大きな波紋を広げることは必至だ。

 港陽には今年1月時点で12人の公認会計士がいる。監査法人が自主解散した場
合でも、公認会計士の資格ははく奪されない。」 (読売新聞) - 3月25日

 読んでいてそのはずだ、当然だと思った。こんな異常な粉飾決算を会計監査のプ
ロが気付かないはずがない。気付いていて、おそらく気付いていたが、何もしなか
ったに違いない。果たしてそれですむのか、である。

 自主解散するということだが、解散したらそれで責任がなくなるということ自体
がおかしいのではないか。そうした不正処理がわかっていながら、知らん顔してい
たのなら公認会計士の資格剥奪してもいいくらいだ。それくらい厳しいことでない
と、今後とも同じような事件が起こる。過去にそういう事例はいくつもあった。

 資格剥奪とまでいかないにしても、「営業停止」くらいの処分があっていいはず
だ。法律上どうなっているのか、知らないが、企業の会計監査はその経営の健全性
を守るために極めて重要な制度なのだ。経営者、管理者をだけ処分してすむ問題で
はない。

 関係当局はそうした処分も検討すべきではないのか。

2006/3/26
早勢 直
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