2005年 今週の意見 3月
今週の意見(411):
牛肉輸入問題
アメリカが日本がいつまでたっても牛肉の輸入の再開に踏み切らないのでいらい
らしている。ライス国務長官の強い要請があったり、下院では日本経済制裁の法案
が上程されるそうな事態に発展してきている。
昨年の10月頃だったか丁度大統領選挙の真最中、訪米した小泉首相にブッシュ
大統領が、牛肉輸入問題の政治的決断を要請したことがあった。その時小泉首相の
答えは「これは科学的に決めることで政治的に決めることでない」と言ったそうだ。
「おおまさにその通り」と日本国民もみな納得したのだった。ブッシュもそれには
反論しようがなかったに違いない。ただし、その時小泉首相もBSEの問題につい
ては、日本側も早急に科学的に検討し、結論を出すという答えをしたに違いない。
ところがあれから、もう4ケ月以上経つが、日本がまだ何の結論も出していない。
アメリカ政府は畜産業界からの圧力もあってまたこの問題蒸し返されてきた。せっ
かく良好な日米関係に大きなひびが入りかねない情勢となってきた。
これまでも日米には製品の輸出入問題でいくつも大きな紛争があった。アメリカ
側の圧力掛け方に少々腹が立つことも多かった。そして今回のこの牛肉の問題。こ
れはそれまで多くの問題と違ってアメリカからの輸出、日本の輸入問題である。し
かもアメリカ産牛肉に関しては、アメリカ国内では問題のなく消費者に受け入れら
れているものであり、しかも日本の消費者、牛丼フアンが待ち望んでいるという事
情がある。安全性に問題があるというが、その根拠がおかしいということだ。
日本では島村農水省大臣が「全頭検査なんて時代遅れ」といったニューアンスの
発言があったとかなかったとかでまた大騒ぎになった。そうなのだ。要するに科学
的に安全性の検証というその根拠が日米間で大きく違っているのが問題である。ど
うしてもBSE検査に関しては全頭でなくアメリカ側が主張するような統計的サン
プル抜き取り検査方法のようなものではどうしてダメなのか、ということに問題は
集約している。そのどちらの主張が科学的に正しいのかである。
日米とも感覚論、感情論でなく、その検査方法の科学的根拠をめぐってどうして
意見、見解が一致しないのか私は不思議でならない。別にアメリカ側の主張がすべ
て正しいとは思わない。ただ、もしアメリカの主張する検査方法が科学的に正しく
ないということなら、その根拠をまさに科学的に説明すべきである。どうもその辺
で議論がかみ合っていない。島村大臣の発言からも想像できるように日本側でもそ
の見解が分かれているようである。
日本側でこの問題に対する結論はもっと早急に出せるはずだ。ことこの問題に関
する日本側のアプローチはどうも科学的でなく、なによりも相変わらずスローであ
ることを認めざるをえない。
2005/3/5
早勢 直
今週の意見(412):
ニッポン放送の経営責任
ライブドアとフジテレビによるニッポン放送株争奪戦で、東京地裁は11日、ラ
イブドア側の申請を認め、同放送によるフジへの巨額の新株予約権の発行を仮に差
し止める仮処分決定をした。鹿子木康裁判長は「発行は現経営陣の支配権を維持す
ることを主な目的とするもので著しく不公正だ」と述べた。
昨夜この報道をTVで見てなるほどそうだ、と私は裁判所の決定に納得した。裁
判長はニッポン放送側がライブドアが株を時間外取引で取得したことについても現
在の法律に照らす限り違法性がないとし、さらにライブドアとの提携がニッポン放
送にとって企業価値を高めるものでないという主張についても、「ネット利用者の
増加などからすると、ラジオとネットの事業の相乗効果が期待できないとはいえず
ライブドアの計画に合理性がないとまではいえない」と述べた。いや、その通りだ。
と思う。
もちろんことはこれで決着したわけでなく、これからさらに高裁、最高裁にまで
裁判は長期化するのだろう。お互いにとって不幸なことだ。フジテレビ、ライブド
ア、ニッポン放送の株主にとってもお互いなんの得にもならない。
私が一番不思議でならないのは、ニッポン放送及びフジテレビの経営者がライブ
ドアが45%もの株を取得したという事実をどうしてもっときちんと受け止めない
のかということだ。株式会社の支配形態はどんな株主がどれだけ株を持っているか
で決まることなど常識中の常識ではないのか。45%、いや、過半数の株を持つに
いたるかもしれない相手をどう排除しようとて今やできないことは現実なのだ。そ
れを認めようとしない。
不思議な話、そうした形で会社を支配しようとすることが、間違ったことのよう
にいう財界人がいることだ。それがまさに資本主義の論理、仕組みではないのか。
その企業の株を多く持つことで経営権を支配しようとすることになんの違法性も
ない。
ただ前にも言ったと思うが、株を支配し、経営権を握ったところでその企業経営
が上手くいくかどうか、それはまた別問題だ。企業経営はヒト、カネ、モノそして
今やシステムがうまくかみ合わないと成功しないことなどは自明のことである。
ライブの堀江社長が盛んにとにかく現ニッポン放送の経営陣と話し合いがしたい
と言っているのにそれを無視し続けるニッポン放送やフジテレビの経営者の姿勢こ
そ、経営者として、株主及び、企業社会に対する背信行為ではないのか。
もし私がニッポン放送の株主であれば、そうした行為はトップとして重大な経営
責任の放棄で、会社に重大な損害を与える行為であると代表訴訟に訴える。
2005/3/12
早勢 直
今週の意見(413):
多摩動物公園
18日金曜日、パソコンクラブの仲間10人ほどで多摩動物園を訪れた。友人の
隅田繁雄さんがそこのボランテイアガイドで、朝10時から夕方4時まで、快晴の
中たっぷり園内を案内してくれた。同行の山田さん夫妻が、バードウオッチングの
ベテランで大きな望遠鏡持参で園内の木々にいる鳥や、遠くにいる動物の表情など
見せていただきこれまた大変楽しく、興味深い見学会となった。
多摩動物園は自然の丘陵の中を切り開いて作ったもので動物達も他の動物園に比
べ、放し飼いとまではいかないが、比較的広い場所を与えられみな悠々暮らしてい
るよう見えた。元来私は本来動物園なるものにあまりいい印象を持っていない。か
って子供をつれて訪れた動物園では、ただただ狭い鉄の檻の中に閉じ込められて人
間の見世物になっているようで動物たちがかわいそうだという印象を持つことが多
かった。その後そうした動物園が閉鎖されたというニュースを聞いてさもありなん
と思ったものだ。
多摩動物園はちょっとちがった。隅田さんの名案内のせいもあったのだろうが、
なにしろ、ただ動物を見せるといういうことだけでなく、破壊されつつある世界中
の自然環境の保護や、種の保存という観点からその運営に当たっているということ
が随所に感じられた。
動物といっても哺乳類だけでなく、昆虫館など大変興味深く、特に多種の蝶々が
きれいな花の中で乱舞する蝶々館やイソップのアリとキリギリスの寓話を思い出さ
せるようなアリの生態を示す展示などびっくりしたものだ。
ウイークデーで家族連れは案外少なかったが幼稚園児など多く見かけた。珍しい
動物に歓声を上げる子供たちには、なによりも自然環境の大切さを教える教育にな
ると思う。大人たちも今世界の環境問題の大切さを認識するため、是非一度訪問す
ることを是非おすすめしたいものである。ゆっくり歩いて見学すれば高齢者にとっ
てもいい運動になる。
2005/3/19
Tadashi HAYASE
今週の意見(414):
企業価値
ライブドアとフジテレビのニッポン放送支配をめぐっての争いが延々と続いてい
くなかで今まであまり聞いたことがない新しい言葉が沢山登場してきた。中でも企
業価値という言葉が盛んに出てきた。ライブドアとフジテレビのどちらがニッポン
放送の企業価値を高めるか、高められるか、ということだ。はてさて、難しいこと
を言うものだと考えた人も多いかもしれない。
企業価値とは要するに企業が活動する中でどれだけ株主に対する満足度、具体的
には一株あたりの収益を高め満足を与えるかということである。いや、そのために
はその企業がその顧客、放送局であれば、リスナーが求めているものを提供し、満
足を与えることでリスナーの支持を得るか、そのためどんな経営努力を絶えず行っ
ているか、ということなのだろう。そのためにも、取引先、そして従業員のさまざ
まな協力、共同作業が必要なことも当然だ。
そのように言うと、なんだそんなことは当たり前ではないか、今更何を言ってい
るのかとなるに違いない。それはこれまでも、これからも多くの企業が栄枯盛衰を
繰り返す中で繰り返し行われてきた議論であり、主要テーマである。企業とはなに
か、企業の価値とは何かということだ。
企業とは何か、企業とはどうあるべきか、それはその収益力を高めるために、株
主、顧客、従業員、そしてその取引先企業とそれぞれどういう良好な関係を保って
いくかということである。そのどれが欠けてもその企業経営がうまくいかなくなる
であろうことは言うまでもないことだ。
堀江氏ライブドアがあのような形でニッポン放送の経営を支配した過程は株式市
場のルールに従ったまでのことであってそのことの是非と企業価値の問題とからめ
て論議すること自体間違いある。
ニッポン放送がフジテレビの大株主であることから、ニッポン放送を支配するこ
とでフジテレビも支配しようという堀江氏の思惑はすでにはずれつつあるようだが
まずはニッポン放送の企業価値を堀江氏のいう新しい経営ノウハウを注入すること
で本当に高められるのかどうか、まずはそのお手並みを拝見したいものだ。
まずはその実績を見せてくださいということだろう。フジテレビの支配などまだ先
のことでいい。
2005/3/26
早勢 直
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