2007年 今週の意見 6月

今週の意見(527):

蓋する前にまず中身を明らかに

赤城新農相が正式に就任した。どこかで聞いたような名前だがこの人も二世三世の
類だ。政治家の世界の親族世襲は企業社会のそれ以上のようだ。世襲自体全て悪い
とは言わない。しかし日本の世界のそれは明らかにそれが過剰であり、おかしい。

この新赤城農相の手腕はまだ不明である。新の手腕はこれから問われる。が、就任
後、即緑資源機構の廃止を表明したのにはあれ?と思った。。あれだけ大掛かりの
談合事件を冒した組織の廃止の方向自体は間違っているとは言わぬ。ただ気になる
のは「安倍首相からも指示があった」ということである。

松岡前農相の自殺は明らかに、事務所経費の問題よりも、この緑資源機構の問題が
引き金になっている。従ってその問題の中身、腐敗の実態をすべてあきらかにし、
それをどうするかを明確にした上での組織廃止であり、新体制の発足でなければな
らない。

700人の緑資源機構の役員や、一般職員の処遇のことを言うのもいい。が、しか
し、この農相、まず組織、廃止をいい、それに関連して現職員の処遇のことのみ言
っていることは極めておかしい。

まずは緑資源機構の存在意義そのもの、その目的は一体なんなのかを改めて国民の
前に明らかにするその目的を達成するために、現機構が必要なのであれば、これこ
れの方向に向け組織を改革改善するという説明を国民に向けてして欲しいわけだ。

そのためにもこれまでの緑資源機構のあらゆる腐敗の中身、問題の中身をすべて国
民の前にすべて明にすることがまず肝要である。その上での改革改善案の提出であ
る。

それは社会保険庁の問題も同じこと。5000万件にも上る、行くえ不明の加入者
記録の中身、ずさんな業務実態を明確し、責任の所在を明確にし、改善策を提起し
た上での廃止ならばいいが、まず廃止をいうやり方は国民の目をごまかしていると
しか見えないのだ。

2007/6/2
早勢 直


今週の意見(528)

年金通帳の創設

なぜ5000万件もの保険料支払い記録が不明になったか、いろいろ調査をするよ
うだが、基礎年金番号を統一したことが問題だとか、コンピューターへの入力が
ちゃんとできなかったとか言っているが、要するに社会保険庁での事務がずさん
でありやるべきことやらなかったということだ。

公務員、職員としての責任感、意識が欠如していた、管理職もそれを全然管理監
督していなかったのだ。TVでも多くの人がインタービューに応えていたが民間
会社などでは考えられないことである。

今更何が問題だったかなどと言っても全くどうしようもないことである。事務と
してやるべきことをやってこなかったのだから。

社会保険庁を解体することで、その後そうした事務管理手続きが完璧に行われる
とは到底思えない。大切なことは将来同じようにこうした問題が起こらないよう
にするにはどうしたらいいかということだ。その具体的にして一番わかりやすい
方法が民主党が参議院選挙で公約として掲げるという「年金通帳」の創設である。

私の理解する限り、最初これは田中康夫前長野県知事がテレビでこれを提案して
いた。このアイデイアの出所は田中氏かもしれない。民主党がこれを真似ていい
だしたことかどうかわからないが、いい方法には違いない。銀行の預金通帳、そ
れに郵政公社の預金通帳を思い出してもらえばいい。預金、払い出しの記録がほ
ぼ完全に何年にもわたって記録されている。

今の年金手帳には加入者名、生年月日、加入年月日くらしか書いてない。これを
こn新しい年金通帳では、預金通帳のように、支払った保険料の記録、受け取っ
た保険金などの記録を全部記載しようという考えのようだ。

これを全国民についてそうした記録を残していくことは実に大変なことのようだ
が、しかし今の時代、コンピュータを使えばさして難しい作業でもないことだ。
保険料を徴収する企業や公官庁事業所との連携プレーでそうした通帳に記録を残
していくことはさほどたいして難しいことではなさそうだ。

というか、そもそもそういう方式を取っていれば、こうした記録不明の事件など
起こらなかった。年金手帳なんて本人が持っている場合もあるし、事業所が一括
して預かっていることもある。そもそも年金手帳のそのものだって定年退職時ま
で見たこともない人だっているはずだ。そんな状況で今のような問題は起こるべ
くして起こったともいえる。

この年金通帳は預金通帳みたいなものだから、本人は毎月保険料をはらう度に自
ら支払い額の確認もできる。勤め先が変わったら、それを次の場所で同じように
継続して確認できていくはずだ。

今起こっている社会保険事務の改革案としては、この保険通帳導入プランは極め
てわかりやすく説得力があると私は思う。民主党選挙のマニフェスト目玉になろ
う。

2007/6/9
早勢 直

民主党、参院選の公約に「年金通帳」創設:読売新聞


今週の意見(529)

極めて具体的な年金通帳案

参議院選挙が近づいて自民、民主両党がどんなマニフェストを掲げて選挙を戦うか
いよいよそれが出揃ってきたようだ。昨年秋の衆議院選挙は例の小泉劇場選挙で争
点は例の郵政民営化一本、それぞれの党のマニフェストなどどこかへ吹っ飛んでし
まった。

当時も年金問題は重要な問題であったはずなのに、それが郵政民営化問題でどこか
の隅に追いやられてしまったのだった。幸か不幸かこの度は年金記録問題が浮上し
ていやが上にも年金問題が最大の選挙争点になりそうだし、そうならなければなら
ない。

両党はそれぞれのマニフェストの内容を国民にわかりやすく説明し、はぐらかした
りすることなくその内容を具体的に論ずる選挙戦を展開してもらいたいものだ。前
の総選挙のようなものにしてはならない。

その内容について両党はこれから一つづつ国民の前により具体的に明らかにされな
ければならないのだが、ざっと見た限りマニフェストの中身、その具体性と言う点
では民主党の方に軍配が上がるのではないか。(下の記事参考)

具体性とは、その政策の実現の時期、目標数字、手段方法などが明確に示されてい
るかどうかである。

例えば今回の行方不明の年金記録問題、その解決策に関して、わかりやすく、具体
性があるのが民主党の年金通帳導入案だ。これについてはすでにBLOGでも述べ
たが、これは今起こっている問題の極めて明快な具体的な解決策で多くの国民の理
解を得られるものと思われる。

どうも自民党はこの問題の責任論ばかりに固執し、それを歴代厚生大臣の責任にし
てみたり、あげくくの果てに、事務現場の混乱、その背後にある自治労、労働組合
のせいにしようとしたりしている。もちろん労働組合と関わりの深い民主党攻撃の
ためであることはいうまでもない。

問題が起こった背景やその責任の追及は必要だが、もう国民はそうした泥試合にあ
きあきしている。ましてや問題解決として政府与党がいきなり社保庁解体論を展開
することにも大きな違和感を感じているようだ。

そういう意味でも厚生年金手帳を単なる手帳でなく、加入者の保険料支払額、受給
額のすべての記録を記載して行こうという年金通帳の提案に賛成する国民は多いの
ではないか。

それに至る過程は大変であろうが、この選挙がその実現に向けた第一歩になること
を期待したい。

2007/6/16
早勢 直
今週の意見(530):

国会12日間会期延長

終盤を迎えた国会は12日間会期延長することが決まった。安部内閣は年金関連、
教育関連、天下り禁止の国家公務員法など国民生活に直結する重要法案はぜひこ
の国会で通したいから延長するのだと言っている。しかしそれはあきらかに年金
問題で国民の不信を買い、参議院選挙に不利だからなんとかそれを回復しようと
いう意図がみえみえなのだ。

これは野党はもちろん、与党からも反対の声が高かった。多くのマスコミもそれ
を批判している。当然のことだ。それは他でもない、参議院選挙という他にもっ
と重要な政治日程がからんでいるからである。選挙と法案のどちらが大切か、そ
れはなんともいえないが、参議院選挙の日程はもうすでにずっと以前から決まっ
ていたことなのだ。それをあえて変えてまでする必要性は一体どれだけあるのか
だ。

結果投票予定日は7月22日から、29日に変更になった。なんだそれがどうし
たたいしたことではないか、と安倍総理は言うのかである。7月22日というと
まだ学校の夏休みが始まったかどうかの時期である。が、29日となるともう夏
休みのまっただ中、子供がいる家庭はもちろんそうでない人も職場で休暇をとっ
て旅行にでもでかけようかという時期なのだ。つまり、この日程変更はあきらか
に国民の投票行動に影響するのだ。

現に私など22日なら問題なかったが、29日はすでに旅行の予定が入っている。
不在投票という手もあるかもしれないが、同じような事情の人はそこまでやるか
どうかである。

マスコミもこの選挙に出る政治家にとっての損得勘定など報道している。もちろ
んそれもあろうが、一番肝心なのは国民にとっての都合をあまり報道していない
のは実におかしな話である。主権者は一般国民なのだ。その国民にとっての影響
をもっと論じるべきだ。

いずれにせよ、今回のこの決定、安倍総理の暴挙と言っていい。これで安倍内閣
の支持率がさらに10ポイントほど下がるべきだ。下がって欲しいものである。

2007/6/23
早勢 直

今週の意見(531):

不当労働行為

社保庁が職員に対し夏のボーナス返上を指示していたが、塩埼官房長官が返上しな
い職員は、社保庁解体後再雇用しないことを示唆したというニュースを読んで驚い
た。

社保庁解体の方針は決まったようだが、解体に際し職員は全員一旦全員解雇から始
まるそうだ。それを法的に決めたのが今回の社保庁改革の法律であったらしい。
しかしそのこと自体労働基準法を初めとする現労働者の基本権を定めた労働三法の
精神そのもにに違反するものでないのかという問題提起をを6月24日のBLOG
で書いた。

不祥事を起こした社保庁自体の責任は大きいし、組織として根本的な改革が必要で
あることについては誰も異論はあるまい。その解体を含めた出直しが必要であるこ
とはいうまでもないことだ。しかしだからといって、その組織の中で働いてきた職
員労働者を無条件で全員解雇から始まるというようなやり方が果たして法的に可能
なのかどうかである。

百歩ゆずって、それが今回の社保庁の改革法案で決めたのだからいいとして、この
夏のボーナスを返上したものは、再雇用するが、返上しなかったものは再雇用しな
いという塩崎談話のようなことが果たしてできるのかどうかである。それは労働法
で定める雇用者による不当労働行為そのものではないのか。

社保庁の失態で、幹部以下が自主的にボーナス返上を申し出るのはそれは勝手であ
る。が、どんな理由があるにせよ、賞与といえども労働の対価であってそれを返上
しないと再雇用しない、雇用の機会を奪ってしまう、要するに首だ、などという雇
用者による強制はまさに不当労働行為そのものではないのか。法治国家でこんなこ
とがまかり通っていいわけがない。

国民はたしかに社会保険庁のずさんな仕事ぶりに怒りを覚えている。だからその解
体出直しにも多分賛成する人が多いだろう。しかしその怒りを収めるために、多分
に選挙を意識したこういう談話が白昼堂々とまかり通るようなことは絶対許されて
はならない。

2007/6/30
早勢 直
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