2005年 今週の意見 6月

今週の意見(424):

ヨーロッパとアジア

 フランスとオランダでのEU憲法批准否決がEUのリーダーたちにあたえた衝撃
はわかる。ここに至るまでの過程では一つづつステップを踏み、それぞれ国民から
の支持をえながらやってきたことだからである。そしてその仕上げともいうべき統
一憲法制定という最後の段階でつまづいた。

 フランス、オランダの国民の反対は、欧州統一によって、自国の経済、雇用不安
などが起こるということだったようである。労働コストの安いところに生産が移転
し、国内空洞化が進む。そんな目先なこと、自国の利益だけのために統一憲法に反
対するのか、首脳たちは国民に非難の声を上げたいところだが、それは言えない。
さらに説得を続け、再度の投票で次は支持をとりつける以外統合への道はない。

 EUの前身、ドイツ、フランスを中心とするEECとイギリス、北欧諸国による
EFTAがスタートしたのは、私などまだ大学生であった1960年はじめのこと
であった。その後紆余曲折を経て、EUがに西側ヨーロッパ諸国によって結成され
ていくのだが、その後の発展については語るまでもない。  

 これまでの欧州統合に向けたEUの順調な歩みを外から見ていて、アジア国家の
統合などはるか遠い現実であり、ある意味で大変うらやましいことだと見てきたの
だった。だから、今回のことをそら見たことか、などと決して思わない。思っては
ならないことなのだろう。それぞれの独立国家がああいう形で経済的、政治的、文
化的な統合化を進めていくことは、世界平和のための一つの道筋だと思うからであ
る。

 ヨーロッパに比べアジアの現実はどうだろう。日本、中国、韓国などの関係は統
合どころの話ではない。新しい歴史の道を語るどころでなく、まだ60年も前の歴
史観をめぐって対立している日中などの現実は情けない話だと思うのだ。経済関係
は密接だが、こんな政治的対立をいつまで続けているのだろうか。いうまでもなく
それはお互いのためにならない。

 好むよ好まざるに関わらず、今後世界的レベルでそうした地域の統合化は進むで
あろうし、世界平和という観点からはそれは望ましいことだと考える。EUはその
モデルケースの一つであったのだ。いやあり続けて欲しいものである。

2005/6/4
早勢 直
今週の意見(425):

個人伎かチーム力か

 日本がタイのバンコックのサッカー場で北朝鮮を下し、2006年ドイツワール
ドカップに一番乗りした試合は私も見ていた。私はサッカーなるものに興味がない
し、あの日活躍した柳沢、大黒といった選手の名前も初めて知ったくらいである。

 日本が勝ったことはもちろんうれしかったし、ワールドカップでもいい戦績をあ
げることを期待している。

 私はそれより、これはジーコ監督の選手の個性重視の方針がもたらした勝利どい
う朝日新聞の解説の方により大きな興味を持った。前のフランスのトルシエ監督が
チームワーク重視の戦いを重視し、管理を徹底したのに対し、ジーコ監督は選手の
個性や個人個人の能力を前面に出す方針で徹底したことが今回の勝利の背景だとい
う解説である。そのゲーム直前には更迭のうわさすらあったのに「勝てば官軍」と
はよく言ったものだと感じたのである。

 たしかに前半のゼロ得点から後半の2点はチームワークもさることながら、柳沢
と大黒、特に大黒選手の積極果敢な個人プレーが目立った。その二人の活躍で前半
に見られなかった活気が一気にチーム全体に戻ったという気がした。

 サッカーでも他の団体スポーツでもよく個人伎かチームワークかという話がよく
話題になる。

 どちらが正しいかの結論はもちろんいうまでもない。優れた個人技あってのチー
ム力、優れたチームワークがあっての個人伎ということであろう。それが半々なの
か、60対40なのか、またはその逆なのか。ケースバイケースで何ともいえない。

 しかし私があえていうならば、それはやはり個人伎重視、個人の個性重視という
ことの方により大きい比重をおきたい。これはサッカーに限らない。あらゆる団体
スポーツそしてあらゆる組織体がうまく機能するかどうかの大原則の一つではない
かと考えるのである。

2005/6/11
早勢 直
今週の意見(426):

自治会というもの

 この四月から私の住む自治会の会長を引き受けてやることになった。4月3日の
総会で正式に他の常任役員の方々、お二人の副会長ともどもその役についた。それ
が始まってから私のこれまでの生活は一変した。とにかく多忙を極めることになっ
てしまった。

 土日を含めて、というか、役員会など、まだ現役で仕事についている人が多いか
ら、役員がいつでも集まれる日となるとどうしても土日の夜の時間帯になる。役員
会など月一回程度だからどうということないが、最近は7月下旬に実施する恒例の
夏祭りなどの打ち合わせのため担当役員全員土曜日に集まることが多くなった。

 土日だけでない、防災、防犯関係、学校関係、福祉関係、スポーツレクリエーシ
ョン関係、自治会内の葬祭などそれこそ毎日何もないという日はない状況である。
その上、地域学校のパソコン教育に関して協力を依頼され、それにも参加すること
になってしまった。学校関係の授業となるとこれは、絶対に休むわけにはいかない。

 そういうわけで、昨年など何度か出かけた個人的な旅行など全く行けなくなって
しまった。ある程度は予測していたが、まさかこんなことになるとは夢にも思って
いなかったのである。

 市役所から種々雑多な報告書の提出、回覧物の依頼なども多い。それはほとんど
会長あてにやってきてそれを全部処理しなければならない。それもあまり意味のあ
るものではなさそうだ。なぜこんなことをわざわざやるのか、というものが多い。

 いや、別に泣き言を言っているのではない。ただどうして自治会の役員などみな
さん嫌がってなりたがらないか、ましてや会長職など敬遠されるか、よくわかった
わけだ。

 問題はそうしたものに対する対応のしかたである。なにがこようと、起ころうと
ただそれまでの例に従って、ある意味で黙って機械的にこなしていればほとんどの
ことは済んでしまう。会議の出席など適当に選んで欠席しても実はどうということ
もない。

 しかし私などはいちいちそれについて中身を確かめたり、おかしいと思ったら、
会議でそのように言ったりするものだから、そこからまた新しい仕事が増えたりす
るのである。それは当然のことなのだが、それをやるとややこしいことになるのが
おちなのだ。そして今はそういう状況に落ちこんでしまっているということである。

 で、ちょっとしまった、こんなはずではなかったと思う反面、こういう状況を体
験してみて初めて新たに今日本の社会、市行政、防災防犯の体制のこと、福祉関係
のこと、学校教育の問題点などなど、概念的にわかっていたことの内容が具体的か
つ明確に身を持って体験できた。改めて興味津々ということである。

 日本社会とは実に閉鎖的であり、画一的であり、談合的であり、その中身より、
形式ばかり重んずる社会であることを身を持って体験しているということだ。

 その具体的内容がそれぞれ何かは今日は書かない。書いてもいいのだが、それを
すると今やっている仕事自体にさしさわりが出てくるし、場合によっては、その中
で一生懸命やっている方々に迷惑をかける可能性がある。だから今はなにも言わず
できる限りのことを、少しでもコミュニテイに役立つことをやるだけである。さて
これからどうなっていくか、それが楽しみである。それくらいに思っていないと
やっておれないということと、本当にそのなのである。

2005/6/18
早勢 直
今週の意見(427):

なにが骨太だ

 6月22日の朝日新聞の一面を見ていて少々腹たってきた。右側のトップ記事が
政府税調の「サラリーマン増税」に関する報告書の内容である。サラリーマンに対
する控除を軒並み縮小させ、廃止したりする方向である。来年度には定律減税は全
廃である。具体的な見直しの時期には触れていないが、サラリーマンにとっては相
当な増税となることは必然である。

 そのトップ記事の左側は、政府の「骨太の方針」「小さい政府」を標ぼうした経
済財政諮問会議の報告書の内容である。右左の内容は言うまでものなく密接に関連
している。要するに少子高齢化の背景のもと、深刻な財政赤字問題をどう解消して
いくか、そのための歳入の増加、増税であり、「小さい政府」行政改革による歳出
減少ということである。当然の内容ながら、こちらは抽象論ばかりで具体的な目標
設定はなにもない。なにが「骨太の方針だ」と言いたくなる内容である。

 この6月多くの民間企業の株主総会があったが、その2/3もの多くの企業が増
収、増益を達成している。民間企業の場合、それこそ血のにじむようなリストラの
努力をした上でのことであることは言うまでもない。

 その一方で、中央政府、県、市長村の地方行政府体の行政改革はどこまで進んだ
のか。諮問会議の報告が公務員の総人件費の抑制から、削減に踏み込んだとのこと
だが、その額や時期がきちんと明記されていない。こんなことで、本当に財政再建
などどれだけできるのか、疑問である。

 同じサラリーマンでも民間のそれと国家公務員はもちろん地方公務員でもその仕
事の内容もそれに対する報酬の内容も未だ大きな差があることはさまざまなデータ
でも明らかである。やっていることの効率が全然ちがうのである。

 先週も書いたが、私自身自治会なるものの仕事をやっていて地方公務員の仕事ぶ
り、その不効率、内容のいい加減さをさまざま身をもって体験している。毎日のよ
うに数多くやってくる自治会内への回覧物の以来、その内容を見てもあまりにも無
意味、無駄なことが目につく。民間企業などでは絶対やらない、やる必要もないこ
とをただただ長年やってきたというだけで、なんの見直しも反省もなく多くの人員
の手間をかけやっている。それも自らやるわけでない。ただ、自治会などにそれを
おしつけてくることが多い。。

 7月4日都議会選挙の投票券が送られてきた。こちらも例の石原知事の不祥事が
あってしらけ気味である。明確な争点もないからどの党に投票しようとも思わない
が、まあ石原知事と並んで写真に写っていた候補などには絶対投票するものか、と
そんな程度なのである。

 こんな調子だから日本の政治はいつまでたってもよくならないのだ。いつになっ
たら本当に骨太の政治家が登場して、真の改革に取り組んでくれるのか。

2005/6/25
早勢 直
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