2007年 今週の意見 7月
今週の意見(532):
消費税を争点にせよ
消費税をめぐっては、安倍晋三首相が5日夜のテレビ番組で「消費税を上げないな
どということは一言も言っていない」と発言していた。自民党幹部は首相がこの逆
風の中でまた余計なことを言ったと批判しているようだが、余計もなにも、自民党
はいずれ年金の財源ともからんで消費税上げを前提にことを進めていることは明白
なのだ。
選挙前にそれを言う、言わないではない。国民はそれくらいのことはわかっている。
ただ国民はとりあえず今の年金記録問題に対する不信感を表明していて、それから
年金制度そのものの抜本的改革の議論が進むことは当然望んでいる。
安倍、小澤両氏による討論で安倍氏が、年金新制度導入に関連して、民主党は消費
税は上げない、その財源は行政コストを削減することで捻出するとしていることを
非現実的、そんなことは不可能だと攻撃しているのだ。いずれにせよ自民党はもう
消費税上げを前提としてことを進めているのであって、それを今更争点にするしな
いの問題ではない。
自民党の幹部ってほんとうに目先のことしか考えない人ばかりのようだ。
この選挙でそれが中心の争点になるかどうか、またするしないに関わらず、国民の
もう一方の関心はそこにあることを明確である。
民主党は彼らが提案している新しい年金制度を進めるために当面消費税をあげない
としているのなら、その財源の根拠を徹底的に国民に説明してもらいたいものだ。
これから選挙戦に突入したらその論議が深まるのだろうが、どうも今一つそのPR
が足りない。この説明についてはあらゆる観点から繰り返し、繰り返し説明しても
らいものである。
そういう意味でも民主党は相手が争点にしないといっている消費税について、当然
のことながら最大の焦点の一つにすべきであることはいうまでもない。自民党は上
げる、民主党は上げないとしているのなら、それは大きな違いである。民主党の説
明が説得力のあるものかどうか、それが勝敗のカギを握っていることは言うまでも
ない。
2007/7/7
早勢 直
今週の意見:(534)
年金制度はゼロから作りなおすべきだ
参議院選挙が告示され、選挙戦が始まった。テレビ・新聞さまざまな報道を見てい
ているが、国民の関心の第一は圧倒的に年金問題のようだ。年金記録の問題だが、
安倍首相はは躍起になって保険料を支払った人には必ず全部受け取れるようにする
と言っている。なにを今更当然のことではないか。
実は今や国民の関心は、そのことよりも根本的な年金の制度そのものに移っている
ようである。安倍首相、与党はそれがわかっているのだろう。さかんに民主党の改
革案について、財源の問題を持ち出し非現実的だと批判を展開するようになった。
小澤党首もそれを受けて、その内容、財源の根拠など何度も説明するようになって
きた。
そのおかげで、民主党案についての国民の理解も少しずつあがっているようだ。い
いことではないか。いずれにせよ、与党が進める年金制度はもはや制度的には破綻
に瀕している。加入率も一向に改善されていない。将来もらえるかどうかわからな
いものに誰が加入するだろうか。
政府与党がすすめている現在の制度に不信を持ってしまった以上、民主党案に関心
が移るのは当然である。ましてやそれに消費税アップの問題がからんでいる。消費
税をアップしないで、新制度をスタートさせるという民主党案により関心がたかま
るのも当然のなりゆきだろう。
それについては国民はもちろん半信半疑なのだが、それが本当に可能なのかそうか
どうかさらに詳しく聞いてみよう、という選挙民が増えていることも事実でありそ
れまた結構なことではないか。
この年金制度の議論は実は昨年の総選挙で行われたのだが、例の小泉郵政選挙で、
どこかにふっとんでしまった。が、今回は年金記録問題が発覚したことでようやく
本格的な議論が行われるようになった。
その制度改革のためにどうするするか、民主党が政権をとって年金の制度を一から
やり直すべきだと多くの国民は今考えているのではないか。それしか抜本的な制度
改革ができそうにない。私もそう思う。
私自身それぞれの制度の中身をすべて完全に理解しているわけでない。が、少なく
とも現制度のままではどうしようもないことは明白な事実である。それに変わるも
のはなにかというと、それがまだまだ不完全なもので民主党案しかないのである。
今回の参議院選挙で民主党が圧勝し、さらにその後の総選挙で民主党が勝ってはじ
めて政権交代が実現するのだが、日本の国民のため安心できる年金制度確立のため
にはそれしかないと思う。
国家にとって今重大な問題は年金だけでない、安倍首相がいい、一部野党のいう憲
法改正問題なんてたいした問題でない。民主党がかかげているもう一つの重要問題
は日本の食料自給問題、食料安全保障の問題がある。
民主党がこの問題の重要さにもう一つスポットを当てていることもあわせて評価し
ておきたい。これは年金どころかもっと大切な国民の命に関わる問題なのだ。
2007/7/14
早勢 直
今週の意見(535):
日本のエネルギー政策
参議院選挙まっただ中だが、各政党のマニフェストを見ていて一つ気がついたこと
がある。それは各政党とも国のエネルギー政策について述べているところが殆んど
ないことだ。たしかに環境問題についてはあるが、それも密接に関連するエネルギ
ーについての政策が示されていないのだ。
国家安全保障ということに関して実は3つの観点がある。一つには軍事上の安全保
障の問題、これは憲法問題、憲法9条の問題ともからんでいる。いうまでもこれに
ついては多くの党が取り上げている。年金問題がなかったらこれが一番大きな争点
になっただろう。
二番目に食料安保ということがある。食料自給率のアップという問題だ。これも民
主党をはじめとしていくつかの党が農業政策としてそれを述べている。そして三番
目がこのエネルギー政策とりわけ原発についての方向をを明確にしている党はどこ
もない。
それは今回の新潟中越地震のことと関連する。今回の地震で一番問題になたったの
は原子力発電の安全性とうことだ。今回の地震で変電所の火災事故が発生したこと
とからんで改めて原子力発電の安全性が問題になり、ついに柏崎市が原発をとめる
よう東電にじた。7基の原子力基が全部止まってしまった。運転再開まで少なくと
も3ケ月掛かるという。夏の電力重要が最高になる時期を迎えて電力不足が不足す
る。東電は他の電力会社から融通してもらってこの危機を乗り越えるらしい。
日本は世界でも有数の地震国、今回の事件で原発の地震に対する安全性があらため
て論議を生むようになるだろう。環境問題、CO2の削減ということともからんで
原子力発電の必要性と安全性、これからのこの国のエネルギー政策が大きな問題に
なってくるはずだ。
にも関わらず今回の選挙の各党のマニフエストを見ていても、このエネルギー政策
にういて述べているところは殆んどないことは冒頭述べたとおりである。二大政党
の自民党、民主党のそれをみても環境問題についてはあってもエネルギー政策につ
いては殆んどふれていない。
これは困ったことである。今からでもいい。方向性だけでいい。政府与党を始めと
して民主党などこの問題についても基本的な考えを聞かせてもらいたいものだ。そ
して国民はこれに大きな関心を持ちそれも政権選択の一つの柱だと認識すべきだで
ある。
2007/7/21
早勢 直
今週の意見(536)
年金政策論争の今後
参議院選挙は今日投票日、投票が終わって夜の10時にはもうその大勢が出ている
ことだろう。世の移り変わりの変化の激しい時代になったものだ。そして今回は、
日本の政治体制、政治が大きく変化して欲しい、変化すべきだと国民の一人として
切望しているものである。
多くのマスコミ、今回の選挙結果に関してはその殆んどが自民党の敗北、民主党の
勝利、その結果として政界の再編が行われることを同時に予測しているのだが、是
非そうなるべきだと多くの国民が思っているらしいし、、自らもそう期待している。
ただ同じマスコミでも、そうした傾向動向について、それを伝えるニューアンスの
違いを感じる。私は朝日新聞を購読し読売新聞など購読していないが、最近はネッ
で新聞各紙の社説、コラムなどを含めて主なものはで読めるようになった。そして
それらを読み比べてみると面白い。同じ有権者に対する投票参加への記事、社説を
読んでも新聞によってかなりニューアンスが違う。今回は28日の読売の社説につ
いて感想を述べておきたい。
28日読売の社説タイトルは「参院選あす投票 有権者の冷静な視点が重要だ」で
ある。言ってみれば極めて当たり前のタイトルなのだが、内容を読んでいてかなり
異論を感じた。
読売のそれは、与党、野党のそれぞれの主張、政策論争についての評論としてはで
きる公平に扱ってはいるようだが、かなり明らかに与党側に立ったと思われる論評
のようだ。例えば今回の選挙戦についてこう書いている。
「肝心の政策論争は一向に深まらず、閣僚の失言や疑惑ばかりに注目が集まった」
と批判しているのだ。要するにそうしたスキャンダルのおかげで選挙が本来の政策
論争で争われるのなく、国民の感情的な怒りが集中した結果m与党に逆風となり、
それが選挙結果に直結してしまうだろうことに懸念を表明しているのだ。国民はそ
んな問題ばかりでなく本来の政策論を冷静に判断して投票せよと言っているのだ。
私はこれを読んで、この論説委員は大切なことを見失っているなと感じた。本来の
政策論争がないなどとどうして言えるのか。年金問題一つとってもさまざまな形で
論争が行われたではないか。党首討論でも安倍首相自体が民主党の小澤党首に民主
党の年金政策について論争を挑んだ。それに小澤氏が答え、反論もした。もちろん
それで国民がその中身を十分理解したわけでないが、これまで以上に、どちらが説
得力があったかどうかは別にして、各党の年金問題についての国民の理解が深まっ
たことは間違いない。
第一、まずは相次ぎ閣僚の失言や疑惑に国民の批判の目が行くこと、それが与党の
批判票につながることなど至極当たり前のことではないか。それを国民は頭を冷や
して冷静により重要政策を見て投票行動を決めよなどとよくもそんなことを言えた
ものだ。
政策論争もなにも、まずそんな政治家がいることに批判の目、それが直接投票行動
に直結することなどそれこそ正しい判断なのではないか。
年金についての政策論争などなにも今回でそれが終わるわけでない。今回はいわば
はそのプロローグにしかすぎない。それはこの参議院選挙に続くであろう、衆議院
選挙こそが政権選択選挙であり、そしてそ年金問題にもそ決着をつけるべき場にな
なるはずだ。
もちろん政策論争については年金がすべてではない。しかしそれにはあらゆる政策
論争がからんでおり、年金がその核となることについて疑問の余地があろうはずが
ない。それでいいはずだ。
2007/7/29
早勢 直
ホームページへ