2007年 今週の意見 1月

今週の意見(507):

争点は年金と税制

自民党公明党の与党、それに野党の民主党、いずれも来年夏の参議院選挙を念頭に
おいた動きが活発である。が、どうも国民の目先をごまかすような動きばかりして
いるようだ。国民はそんな愚かではない。最近のそれぞれの党の動きについて、そ
の意図はわかっているはずだ。

安倍首相が来年夏の参議院の最大の争点が憲法改正だとしたのに対し、小沢民主党
代表が争点は年金改革だ、その方が国民の理解が得られると反論した。そんなこと
いちいち反論するまでもなく、今から総力をあげそれが最大の争点となるような選
挙体制を作っていくことだ。

安倍内閣がまずやった教育基本法の改正、それからこれからやろうという憲法改正
はもちろん国家国民にとって重要なことだ。しかし、それよりも国民が今一番関心
があるのは年金制度改革であることは各種の世論調査でも明白である。昨年夏の総
選挙がそうだったが、それは小泉劇場選挙でうまくかわされたされた。かわされた
というか、騙された国民の方もバカだったが今度も同じ轍を踏んではならない。今
度こそ年金を最大の争点として戦って欲しい。憲法改正など何がそんなに重要なの
か。それより国民の生活を守るための年金改革が少子化の問題と並んで最重要事項
である。

それと関連するのが税制改革、それも消費税のアップの問題は避けて通れない。そ
れは国民の生活を直撃する。安倍首相はそれについては9月以降議論を始めたいな
どと言っているが、そんな見えすいた言がどうして通るのか、通すのか、私は理解
に苦しむ。あきらかに夏の選挙を有利に戦ってからのことだという意図なのだ。

その二つの問題を今から与野党で議論を始めるべきだ。与党が憲法改正のことなど
持ち出したらそれはそれで議論したらいい。が、今最大の優先事項は年金改革とそ
れにまつわる消費税を含めた税制改革であることは明白である。野党、特に民主党
はそれを地道に、そしてある意味でもっとショッキングに論じられるはずだ。

それができないでどうするのか、小沢さん。それが小沢民主党にとっても最後のチ
ャンスだと心得ていただきたい。

2007年1月6日
早勢 直
今週の意見(508):

人生銀行

「これは貯めたくなる貯金箱です」 こんなキャッチコピーで、タカラトミーが昨
年末に発売したのが液晶画面付き貯金箱「人生銀行」(4987円)だ。五百円硬
貨専用で10万円まで貯金可能。1カ月から1年までの間で達成日数を設定し貯
金していくと、目標額や貯金のペースに応じて、液晶画面の中の「住人」の人生
が変わっていく。

このニュース記事を見て思わず笑ってしまった。おもしろそうだが、少なくとも自
分はもう買う気はしない。だって今さらこつこつなんてやってもしかたがない。金
利が一円もつくわけではないし。第一もうこつこつなんて間に合わないよ。

こんなおもちゃを大の大人が買うのは日本だけなんでしょうね。日本人の美徳「勤
倹備蓄」のマインドをついたまさにヒット商品なんだろう。でも大人というが、ど
んな年代の大人が買うのでしょうね。

「勤倹備蓄」が悪いとは言わないが、これからはやはり、若者層は貯めるというよ
り、「投資」ということにもっと関心があってもいいし、それに挑戦して欲しいね。
でないとこの国やっていけなくなる。

だからタカラトミーさん、今度は「人生銀行」でなく、「人生証券」のおもちゃを一
つ開発してくださいな。こっちは相当高級なものになるでしょうが、要するに証券投
資のシュミレーションゲームみたいなものですよ。パソコンでやればいいんだろうけ
ど、もう少し単純でわかりやすいものにしてね。ネットにつなげながらやれるものだ
な。

2007/1/13
早勢 直
今週の意見(509):

憲法改正と国民投票の意味

安倍内閣は夏の参議院選挙では「憲法改正」を最大の争点として戦うとしている。憲
法改正そのものについては、与野党入り乱れて賛成反対があるから、それがどのよ
うな形になるかわからないが、国政選挙の中でそれが議論されることについては非
常に意味がある。

というのは憲法改正については他の法律と違って、特別なプロセスを経なければな
らないからである。それは憲法96条で既定されている。

他の法案と違って憲法の場合、両院の3分の2以上の賛成が必要であり、その上で
それが国民投票によって過半数の賛成を得なければならないことになる。したがっ
て改正への道のりは大変厳しい。現在国会は与党で過半数を占めているし、民主党
は憲法改正には内容にもよるが基本的には賛成するだろうから、国会での賛成は満
たされる可能性は高い。

問題はその後の国民投票である。96条で書かれているのだが、実はかってそれに
基づいて国民投票が行われたことはない。第一その具体的な中身、手続きが全く既
定されていないわけだ。それで安倍内閣はでまず国会で国民投票制度を決めようと
している。

憲法改正の中身や、いつそれをやるかについての議論は必ずも急ぐ必要はないが、
とりあえずこの国民投票制を早急に決めておくことについては与野党ともそれに反
対する根拠は全くないように思われる。これについては最大野党の民主党も案をだ
し、与党もそれに近い案を持っているようなので次回国会当たりで成立する可能性
は高い。共産党や、社民党は憲法改正そのものには絶対反対だから、この法案成立
にも反対している。が、それはおかしいと私は考えるのだ。

というのは今回の国民投票制法案では、ただただ憲法改正だけでなく、今後国政上
重要な法案については同じように国民の直接投票で決めようという趣旨が盛り込ま
れるという案があり、それは非常に画期的な考えだからである。それはすなわち直
接民主主義実現の道を切り開くものである。場合によっては拘束力はないが、任意
的な国民投票で国民の意思を調査してみるということで使われても大変意味がある
と思われるからだ。最近あちこちで行われる住民投票の国政版である。

憲法で定められているから、国民投票制度などというものを議会も検討するわけで
あって本来国会議員が国民投票制導入によって直接民主主義を進めようとする方向
などめざすわけがない。というのは、それは彼ら自身の存在意義を否定することに
なりかねないからである。

私自身は直接民主主義の積極的推進に賛成である。今の政治は議員を議会に送り込
む間接民主主義制をベースとしているが、世の中の環境は大きく変貌している。す
わなち国民が何を考えているかなど世論調査であっというまに調べられる時代なの
だ。それもこれもインターネットの普及によって社会がネットワーク化されている
からである。政府自体がメールマガジンという形で直接国民にメッセージを発し、
それに国民が直接質問したり提案したりできるようになっていることも衆知の事実
なのだ。

要するに今の時代どういう方法を使おうと、有権者一人一人の意思を聞くことはさ
ほど経費も時間も掛けることなくできるのである。それをどうして相変わらず膨大
な国費を欠けて、議員、議会を通じた政治しかできないのか、私には理解できない。

国会議員はもちろん、マスコミ、それに一般の国民だってまだそうした直接民主主
義を積極的に賛同する向きは少ないようである。国民はまだそのことの意味が理解
していないのだ。それについてまずそのことの理解を進めるためにもまずこの国民
投票制の早期実現をはかるべきだと私は考える。

「憲法が 開く直接 民主主義」

2007/1/20
早勢 直
今週の意見(510):

Vista発売の波紋

Vista発売開始の日が近づいてきた。が、消費者の目はさめている。昔と比べ
てパソコン消費者もみな少し賢くなってきている。新しいゲーム機発売のように行
列ができることもないだろう。

私達のパソコンクラブでは昨年既に10月の頃から何度もこの話題を取り上げてき
た。当初マイクロソフトがXpのサポートは2年と言っていたのでそれを不安視す
る声があったが、いやMSは多分それを修正するだろうと言っていたらその通りに
なった。

もうこのVistaの発売でパソコンの世界も大きくLinuxへの関心が高まる
のでないかと予想していたが、水曜日のNHKのクローズアップ現代はまさにその
問題を取り上げていた。一般の消費者というより、自治体、政府関係で脱ウインド
ウズの動きが始まったということだ。これはすでにあった傾向だが、この
Vista発売以降それがより活発になるだろうということだ。それは当然個人ユ
ーザーにも波及していく。

NHKの放送でもOSとしてLinuxを使い、アプリケーションソフトは
OpenOfficeを使っている場面があったが、どういうわけか、NHKはそ
の内容を言わないわけだ。ただオープンソフトだなどと言っていた。NHKはそれ
を説明解説するのを一体誰に遠慮しているのだろうか。それを一私企業がその利益
のためにやっているのならともかくそれは広く公共、一般消費者のために役立つの
である。それが公共放送のNHKなんの遠慮があってのことか。

同時に従来のMS系ソフトとそうしたオープン系のソフトに互換性の問題があるよ
うなことも言っていたが、それも殆んど問題にならない程度のことである。
Open Officeなどちょっと使ってみたらわかることだ。

私は別にマイクロソフトが何が何でも悪いというつもりはない。ただOSやオフィ
スソフトなどアプリケーションソフトで圧倒的なシエア、独占状況を許しておくこ
とは絶対に消費者、利用者のためにならない。第一公共部門がそうしたフリーソフ
トを使うことは膨大な歳費削減に役立つはずだ。

その意味ではNHKがこのタイミングでこの問題を取り上げた事は大いに評価して
おきたい。

「オープンな 世界広がる 窓の外 」

2017/1/27
早勢 直
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