2003年 今週の意見 1月
今週の意見(301):
金持ちとうさん・貧乏おとうさん
年末年始のお休みの時も,MLではいつものようにいくつかすばらしいメッセー
ジが寄せられた。中でも渡部 陽さんの「金持ちおとうさん・貧乏おとうさん」、
それについての原 清さんのフォローのコメントが秀逸だった。それにつられてつ
いつい、御屠蘇で少し麻痺した頭で一生懸命コメントしたのだった。
「ロバート・キヨサキ著「貧乏父さんと金持ち父さんと」いうベストセラー本を
読みましたが皆さんは如何ですか。昨今の経済情勢に鑑み最近読み直しました。
貧乏父 さんは自分の子供を一所懸命勉強させ、良い学校、一流の会社に入れれば
高い給料がもらえると考える。日本の銀行に入ることもそうだっただろう。 出世の
階段を上がって定年で高い年金をもらって、退職後楽な生活をする。しかしアメリ
カでも日本でもそういう時代は過ぎた。
金持ちとうさんは、子供に自分で金を稼ぐことを教える。金持ち父さんの考えは
お金のためには働かない、お金ではなく学ぶため働く、自分のビジネスを持つ、お
金持ちはお金を作り出す、等という考えをもっている。」 渡部 陽さん
原さんはその英語原文を引用してくれたが、これは私にとっては助かる。この
今週の意見を英語にしなければならないからだ。
おりしも日経新聞の一月一日の巻頭記事が、日本のデフレ病について、その症状
とそれからの脱却について書いていた。ニッポネンシスと称する日本病に日本がど
うして罹ってしまい、それから脱却できないでいるか。その表現によれば、日本は
「皮肉な理想郷を実現してしまった」からだ。小さい成功を実現し、自己の人生に
満足してしまった、貧しいとうさんの存在そのものが問題なのである。そこそこ小
金を貯め込み、後は安定した無難な生活を後生大事に守るだけの貧乏とうさん小市
民とうさんの存在そのものである。
彼らは政治が事前に迫ったさまざまな危機に危機感を持たず、従来の前例に依存
し、あらゆる改革を先送りしていくのをただ黙って看過するわけだ。前アメリカ大
統領クリントンは「こんな状況ならアメリカでは暴動が起こる」と小泉首相に言っ
たそうだ。それは政治家の責任であるが、そのことに危機感を持たない国民、特に
貧乏とうさんの責任そのものなのである。
貧乏じいさんの存在はもうある程度あきらめが必要なのかもしれない。問題は
現役のおとうさんである。国として、彼らにはその子供たちに、どうしたらおカネ
が稼げるようになるか、それは自助努力以外になく、絶えず自己改革に努め、新し
いことに挑戦することの大切さ、おもしろさ、楽しさを学ばせることが責務である
ことを自覚してもらわなければならない。
2003/1/4
Tadashi HAYASE
今週の意見(302):
企業統治のかたち
「大企業の6割、米国型統治採用せず・日経調査
商法改正で可能になった米国型企業統治の経営形態について、大企業の6割近く
が採用しないことが日本経済新聞社の調査で明らかになった。」
ー1/6 日経新聞
1月6日の日経新聞一面トップ記事だ。日本の大企業の6割が、アメリカ型企業
統治方式にノー、従来の監査役制度の継続を指向しているとのことだ。いや、残り
の4割も、検討中とか、検討するとか答えているが、実は従来の監査役制度を継続
するつもりらしい。ほぼ100%が現行制度を変えるつもりはないということなの
である。
これについて詳しく書くつもりはない。ただ、問題はじゃ現在の監査役制度が企
業統治という面で、本来の制度としてきちんと働いているのか、という問題である。
それがそうでないことは、現行制度の下さまざまな企業不祥事があいついで起こっ
ていることを見ても明らかなのである。
外部取締役の強化や、取締役が委員会を設置して監査を行うというアメリカ型制
度の導入をすることを検討しないということ、それがアメリカ型でも最近さまざま
な不祥事が起こったではないかという回答もあったようだ。自分たちのことを棚に
あげておかしな話だととも思う。
どっちがいいとか悪いとか論じるつもりはないが、要するに日本の企業統治につ
いてもさまざま問題が指摘されているからこそ、商法改正をしてまでも日本の企業
統治のあり方について企業自体が考える機会が与えたはずなのだ。が、どうやら現
状維持が無難とそれを積極的に変えようという企業がほとんどないということなの
である。何社かが、よしじゃアメリカ型を試みてみようというところがあってもお
かしくないのに、それが判で押したような回答になることがどうもおかしいと考え
てしまう。
日本企業の組織としての保守性、変化に対する消極性を物語る一面ではないか。
2003/1/11
Tadashi HAYASE
今週の意見(303):
地上の星
昨年暮れの紅白歌合戦が史上二位の低い視聴率だったとか、ニュースになってい
たが、実にくだらない話だ。そんなことはどうでもよい。なぜNHKの番組一つが
国民的行事なのか、意味がさっぱりわからない。
しかも私はそこで登場する、特に主に演歌歌手それも古株のベテランの歌う演歌
があまり好きでない。いや、それはフアンのそれぞれの好みがあることだから、人
の好みにいちいちけちをつける気などさらさらない。問題はNHKがどういう基準
で登場歌手を選んでいるのかである。どうも昔からの名前とか、NHK番組への貢
献度とかが、大きなポイントになっているらしい。その年のヒット曲とか話題作と
かが選ばれるのは当然の話だがその基準がまた極めてあいまいな気がするのである。
言いたいことはそのことでない。数多い初登場の新人の中でも去年は中島みゆき
さん「地上の星」が選ばれたことはニュースで聞いてた。そのニュースだけはちょっ
と関心があった。その曲は例のNHKの「プロジェクトXー挑戦者たの」の主題歌で
あり、そのこともあったのだろうが、シングル発売後、オリコンで2年110週連
続でベスト100位圏内にランクされ、そして最近はついに、トップに踊りでたそ
うだ。サラリーマンのたむろするカラオケバーでも盛んに歌われるらしい。特に中
高年サラリーマンに人気が高い。
曲はともかくその歌詞を聞いていると、その理由がよくわかる。企業のさまざま
な部門でこつこつと努力をかさね、いつかそれが報われる日を夢みながら必死で働
いている中高年サラーマンの心情そのものある。プロジェクトXのテーマ曲として
ぴったりである。
今日本の企業はみな生き残りで必死の努力をしているのだ。その中で、いつか地
上の星たるべく、懸命に働いている人たちにこの曲が支持される理由はよくわかる。
私もプロジェクトXのエンデイングで聴くくらいでじっくり聞いたことがない。
CDを買ってこようか、と思っているところである。
2003/1/8
Tadashi HAYASE
今週の意見(304):
病院医療不信
妻がひざが痛いので、近くの病院の整形外科に行って診てもらってくるという。た
いしたことはなさそうだが、念のためにという。私は行くのはいいが、どうせレント
ゲンを取り、なんとかかんとかだから、あまり運動などしない方がいいなどというだ
けだ。今やっている水泳や、ましてやテニスなどやめておけというに決まっていると
言ったわけだ。半日も待って診てきてもらったのだが、結果は案の定私の言った通り
だった。
レントゲンを取るのはもちろん必要だろう。無理な運動をしない方がいいというの
もいい。どう言われようと水泳は続けるつもりだからそれはいい。だけど分からない
のはなにか痛み止めとかいう飲み薬をくれたことである。妻も最初からそんなものを
飲むつもりはない。実弟が医師なので問い合わせて相談しているのだ。
大体この病院の整形外科は私が20年位前、腰痛で診てもらいに行った時椎間板ヘ
ルニヤで、手術をせよと言われたところである。椎間板ヘルニヤという診断は間違い
なかったのだろう。が、なぜすぐ手術などと言ったのか、不可解であった。私は別の
病院を訪れ、全く別の治療法で完治したのだった。そんなこともあって、私は病院の
治療については頭から信用しないことになってしまった。
24日の日経新聞だったか、出版本の広告を見ていたら、「医者の僕が医療常識を信
用しない理由」というのがあった。こういうのを見るとますます病院医療に不信がつの
るばかりである。
私に直ちに手術した方がいいと告げた医師の顔は、手術がしたくてしたくてしかた
がない、というように見えたのである。その頃も、さまざまな医療ミスが数多くあった
のだろうがそれが表沙汰になっていた時代ではなかった。インフォームドコンセント
(告知医療)などという言葉もない時代だった。
今は違う。病院も医師の患者への対応の態度も変わってきた。しかしまだまだ、患者
からすると、あれ、何? なぜということが多いのである。医師は患者に聞かれなくて
もその治療方針とその理由ををきちんと説明する必要があると思う。
それをしない医師がまだまだ多いという現実なのだ。
2003/1/25
Tadashi HAYASE
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