2002年 今週の意見 1月
今週の意見(253):
改革のスピードをあげよ
小泉首相の「構造改革なくして成長なし」という主張は正しいと思う。そのため
に雇用不安を除く施策が同時に必要だということもいいだろう。改革にある程度の
時間が掛かることもしかたがない。ある程度である。
しかし「急いてはことを仕損じる」などといって、改革のテンポを遅らせたり、
根本的な問題解決を先送りしてはならない。できるだけ一気にやるべきだと思う。
これまでのところは、さまざまな問題を先送りしたり、妥協したりしてきている。
もう日本病は待ったなしの状況にきているのである。直ちに必要な手術は行うべき
なのだ。
MLで川原田さんが、「国民の支持率が高い間、改革は進まない」と、言われた。
私もそう思う。小泉氏はその高い支持率にあぐらをかいているようなふしがある。
「改革を進めると支持率は50%位に落ちるかもしれない」などと言っている。支
持率なんかどうでもいいのだ。問題は本当にどれだけ改革を進められるかである。
そもそも80%などという高い支持率自体がおかしい。あらゆる層にとってそれ
ぞれの立場で国民にとって、その改革に痛みが伴わないはずがないのだ。それをま
だ自らごまかしている国民の方がおかしいのである。国民もある程度の危機は感じ
ていて、何かしなければならないことはわかっている。だから全く何もしなかった
森内閣の反動で、改革を唱える小泉に支持を与えることである程度の安心感を持っ
たり、良心を満足させているいるだけだ。改革の中身、その進捗度など真剣に考え
ていない。
まあ、今の生活は豊かだし、それさえ守れればいい、というまさにひきこもり精
神なのだ。(1月1日 経新聞社説)そんな国民の支持など実に薄弱なものなので
ある。
小泉氏は国民の顔色などうかがう必要なない。いや、うかがうべきでない。有言
実行である。自民党などぶっこわしてでもやると宣言した言を守って本当に必要な
改革をスピーデイに進めることである。
それが日本国再生のために今一番必要なことである。ぜひそれを期待したい。そ
のスピードが早ければ早いほど、市場での日本経済への評価は高くなる。株価も、
円も、そして国際の格付けも高くなるだろう。あらゆる企業活動もそれでより活発
になり、収益構造、財務状況の改善が図れるわけだ。日本株式会社のそれもまた同
じである。
構造改革がデフレをもたらせているなどいう守旧派の言い分はとんでもない間違
いだ。あらゆる改革に積極的にとりくむ。個人も企業も思い切って新しいことにチ
ャレンジする、その精神を持つことこそが最大のデフレ対策なのだ。
2002/2/5
Tadashi HAYASE
今週の意見(254):
2004年にネット選挙運動解禁
政府・与党は6日までに、公職選挙法の解釈で禁止されているインターネット
を利用した選挙運動を一部解禁し、ホームページの利用を一定の条件で認める方向
で調整に入ることを決めた。やっと、それが実現したか、という感じ。それについ
てある程度慎重な意見が出るのはわかる。それをうまく利用するのは問題ないが、
悪用するものも結構ある。しかしすでに欧米ではいいにつけ悪いにつけ、もう実体
としてインターネットが選挙に利用されている以上、ネット社会がここまで進んだ
今更これを認めないとことはできない。
ホームページなどでの活動はOK、但し、メールは制限するというのも妥当な判
断だろう。ものすごい量のメールがどっと入れば、選挙民が迷惑するのは目に見え
ている。
ネットを利用して選挙活動をする方の便宜性や、効率性は当然だし、選挙に掛か
る国費の削減、節約ということもある。やる方はいい。問題はそを受ける方である。
ホームページを持っている議員は78%に達しているそうが、果たして国民の何%
がホームページはもちろんインターネット自体にアクセスするという能力を今持っ
ているのだろうか。30%なのか、 40%なのか。いや、公表されている数字よ
りその実体ははるかに低いはずだ。
その意味でも選挙活動にネットを利用することを認めるかどうかの議論もさるこ
とながら国民各層のネット参加能力を高める施策をまずもっと行うべきだ。それは
選挙ということを離れても一般国民側にとってもメリットのあることだ。選挙制度
ということ以前にネットワーク社会のインフラ整備がまず必要なのである。
2002/1/12
Tadashi HAYASE
今週の意見(255):
まだ続けるのか空爆
オサマ・ビンラデイン氏の行方がまだわからない。アメリカはアフガンタリバン
を制圧した後も、その行方を追って、山岳地帯に執拗な攻撃を加え続けている。テ
ロを許さないというのが国際世論であり、そのためにアメリカが軍隊を総動員して
もテロの犯人を捕まえようとしている。
しかし、もうそろそろ空爆をやめて欲しい、やめるべきだという声がアフガン内
外から起こっている。正義という大儀のもとに始めた戦争もそろそろ少し矛先をお
さめるべきではないのか。湾岸戦争でイラクのフセインを追いつめながら最後のつ
めを誤って、後に憂いを残したとの国内世論に今度こそはという思いがあるのかも
しれない。が、湾岸戦争と、今回のそれとはまたわけが全然違う。
今回の戦争はオサマ・ビンラデイン氏を捕まること、それをかくまい、擁護して
きたタリバン勢力を打破することが目的であったはずだ。タリバン勢力が崩壊し、
新しい政権が発足した今、空爆という手段はそろそろやめるべきではないのか。
犯人の追及を引き続いてやることには誰も異存はない。
ネット仲間でやっているAV掲示板でピエロこと三橋さんがブッシュ大統領の似
顔絵とともに、このアメリカの少々大国主義的正義感の行き過ぎを懸念する一文を
載せられた。それに応えたのが、私の「西部劇に小銃」の戯画である。
勧善懲悪の西部劇は大好きだった。しかし正義という名目で、今アメリカは少々
力の行使をやりすぎてはいないか。新ミサイル防衛構想といい、京都議定書批准拒
否といい、ブッシュ政権は世界から孤立しつつあったのだ。それがあのニューヨー
クテロ事件で、一気にそれを払拭したのだった。しかし、テロ撲滅のための行動は
は誰しも認めることであるとしても、アフガンという国に対し、あそこまで攻撃を
加え続けるのか、ということだ。
世界の保安官を自認するブッシュ大統領だが、そうした圧倒的な武力行使の結果
はいずれまた自らの身に返ってくるに違いないのだ。自らの国のためにも、世界の
ためにもそのことも少しは考えて欲しいということだ。
2002/1/19
Tadashi HAYASE
今週の意見(256):
アフガン支援会議
アフガニスタン復興支援国際会議で参加各国がそれぞれ支援額を発表した。議長
国の一つである日本が今後一年間で2億5000万ドル2年半で5億ドルという。
財政危機の折り、大変な負担だが、まあ全世界で力を合わせてやらなければならな
いことだから、それはいいとしよう。
問題はアメリカやEU、それにロシアなどだ。それぞれ援助額についてそれぞれ
ここで詳細は言わないが、もっと出していいのではないか、出すべきではないかと
感じたわけだ。どこのマスコミを見てもそのことにはあまり触れていない。それで
も総額45億ドルが集まって大成功だと総括していたのだが。
イラン、サウジアラビア、インド、パキスタンなどもそれぞれ結構大きな額を出
すと言っているのにアメリカが今年2億9千、あれだけの経済規模のEUがたった
5億ドルだ。会議の最後にEUの代表がEUが最大の額を出したなどと言っていた
がその経済規模から言ってもっと出すべきではないか。ボンでアフガン再建プロセ
スを議論した時は、最大限ヘゲモニー、影響力を発揮しようとしたのにだ。アメリ
カもEUも今後どういう風に再建が行われるか見極めたいとして、継続的な支援額
を示すのに慎重なのは当然のようだが、要するに今後の影響力確保の魂胆が見え隠
れする。
支援とはもちろんカネだけ出すことではない。人的な活動、教育啓蒙活動、医療
サービスなどさまざまなカネだけでないものがあることは当然だ。
そういうものを含めて、総合的な支援の内容とその効果的な実施のための具体策
を討論するのが会議の目的なのだろうが、それにしても誰かがアメリカやEUに先
進国としてカネをもっと出せ、カネだけでなく、支援についてコミットせよという
必要がありそうだ。ロシアなんて名前すら出てこないのはどういうわけだろう。そ
もそもアフガニスタンをめちゃめちゃにした最大の責任者ではないのか。
援助すると言ってもそれぞれ思惑があり、その後の影響力を考えての駆け引きも
ある。その意味では、日本はたいした思惑があるわけでなく、本当のこの国の復興
に役立つよう働けるし、働くべきだ。それが将来の日本の国際的な信頼、地位向上
につながる。
まさにカネだけでない、日本にできる貢献とは何か、これからの本格的な内外の
議論を見守りたいものである。日本外国の戦略のなさが言われる中、絶好のテーマ
と機会が与えられたわけだ。
2002/1/26
Tadashi HAYASE
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