2007年 今週の意見 2月

今週の意見(511):

被害者裁判参加制度について

ゆえなく家族特にいたいけない幼児、子供を殺されたり、性犯罪にあった家族の心
情は被害に遭ったものでないとわからないと思う。そういう被害にあった家族がそ
の犯人が死刑になることを切望する、そのために人生をかけて戦っている人たちさ
えいることに第三者としてがとまどいを覚えることもある。しかしその背景を知る
とそうだ思い直すのだ。

そういう家族の気持ちを報復感情と言う一言で片付けてはならない。そういう犯罪
が二度と起こってならないという気持ちもあることを理解しなければならない。そ
うでないと被害にあった子供や家族が浮かばれないという気持ちはよく理解できる。
いずれにせよ裁判はそういう凶悪犯罪を防ぐための社会的報復、もっとわかりやす
い言葉で言えば、再発を防ぐための見せしめであることには違いないのである。

この制度にいろいろ問題があることは専門家の指摘を待つまでもない。ただこれま
での裁判制度では一番の被害者の心情、被害実態をよそに裁判が行われてきたとい
うことを是正しようということであって、欧米でもすでに実施されているところも
多いと聞く。

いずれにせよそれがどんな形であれ、被害者のなんらかの形での裁判に参加できる
という方向性は正しいと思うのである。以前これから始まる市民参加の裁判員制度
の導入に賛成の意見を書いたことがあるが、こうした制度の導入も国民の裁判とい
うものについての関心を高めるきっかけになることだけは間違いない。それ絶対に
いいことではないか。

裁判は裁判官と検事と弁護士という専門家だけのものか。それぞれの専門家のほか
に、検事の席、弁護士の席にそれぞれ事件に関与した市民が加わり、裁判員の席に
一般市民が加わるという形がある意味で理想の形ではないのだろうか。政治にせよ
裁判にせよなんにせよ、それは国民の生活を守り、さまざまな不正や危機から守る
ためにあるのだとすればどんな形であり市民、国民の直接関与の部分を増やしてい
くことがその維持改善のために必要な方向であることだけはまちがいない。

2007/2/3
早勢 直
参考:犯罪被害者も「論告・求刑」法制審が要綱案:asahi.com
今週の意見(512):

望ましい教師像

いじめ問題に対処するどころか、いじめそのものに関わっていた教師、児童ポルノ
をホームページをホームページで展開していた教師などとんでもない事件が話題に
なった。そういうのは異例なのかもしれないが、しかし他にもまだまだ問題教師が
存在することは間違いない。

今日の教育現場での混乱の大きな背景が学校だけの問題でなく家庭でのしつけ、家
庭での教育そのものに大きな原因があることも指摘するまでもないだろうが、もう
一方で学校の運営、校長の指導力、教師の資質といったことに大きな原因があるこ
とはそうだろう。

したがって教育再生のためにそもそも教員の選び方、育て方の根本問題にさかのぼ
ろうというこの改正案が検討されることは正しいことだと思う。政府原案のように
10年ごとに現場教員を再教育をすることも必要だろうし、この民主案のように最
初の免許取得をもっと厳しくやろう、医師の免許と同じように6年という養成時間
をかけようという考えもわかる。こういう問題こそ与野党なんの利害得失もなく共
同でいい案が作れるはずだ、作っていただきたい。

教員養成ということで、一番大切なことは教科を教える能力ということもさること
ながら、子供たちにどう接するかの人間的資質の問題であろう。これは単なる知識
・技術の試験だけでチェックできるものでない。4年間の知識、技術習得の期間を
経ておそらく医師と同じようにインターン的な訓練期間を設けるようなことになる
のだろうが、その間その指導にあたる学校長、副校長担当教員などによる、教員候
補者の人間的な資質、教師としての基本的資質に問題がないかについての徹底的な
チェックが必要だ。

最後の仕上げは医師の免許試験と同じく国家試験的なものを課すのかどうかわから
ないがやはり面接試験のような資質チェックの関門が重要であると考える。

そういう長い養成期間を経て教師になるからにはその報酬ももっと大きいものがあっ
ていい。大切なことは教員がそうした厳しい養成、訓練の期間、チェックを経て初め
てなれるものだという自覚とと誇りを持てるような社会的環境を作ることである。

そして家庭ではまず両親、学校では先生が子供たちにとってある意味でもっと「絶対
的尊敬の対象」であるような社会的風潮を作ることが何より求められる。それは言う
はやさしいが時間のかかる一番難しいことかもしれない。

「尊敬と 信頼かかる 教師像」

2007/2/10
早勢 直
今週の意見(513): 

天下分け目の都知事選

民主党の東京都知事候補選考が難航している。前の宮城県知事の浅野氏も候補に挙
がったがどうも今のところ感触がよくないようだ。筑紫哲也氏などテレビキャスタ
ーにも断られた。党内では大物の菅直人代表代行、先の代表前原誠司氏などの名も
あがっているようだが、前原氏は可能性があるが、菅直人氏はその気がないらしい。

石原慎太郎氏は交際費問題や4男の海外旅行費の支出をめぐっての問題を抱えてこ
れまでほどではないが、最近の世論調査でも50%を超える都民の支持を得ている
ようだ。タカ派の印象は常につきまとうものの、強力なりーダーシップ、政策実行
力は健在のようだ。それに東京へのオリンピック招致というおおきなイベントを売
り物としており、これを支持する都民も多い。

そうした中民主党がこの都知事選挙を夏の参議院選挙の前哨戦とも、天下分け目の
戦いともしているのは当然の話だろう。だから有名テレビキャスターや知事として
実績のある浅野氏などを担ぎ出そうというのはわかる。しかし結局は石原慎太郎氏
があまりにも強力なので、それぞれの候補者も二の足を踏んでいるのだろう。

もし民主党が参議院選挙で勝利したい、そして都知事選が天下分け目の戦いと考え
ているのなら、ここはやはり党の顔ともいうべき菅直人氏か前原誠司氏を立てるべ
きではないのか。できれば菅直人氏で勝負すべきだ。私の個人的感触では前原氏で
なくやはり菅氏しかないと思う。菅氏なら50%以上の確率で勝てる可能性大と見
る。そしてそれは必ず民主党のその後の躍進につながるはずだ。

菅氏は中央政界で覇権を目指していることはわかる。たかが東京都の知事になれる
かという思いがあるのだろう。しかし、それは違うのではないか。これからは地方
自治がより重要な時代、重要視されなければならない時代だ。菅氏はまず東京都知
事になり実績をあげれば、その後中央政界への道も再び大きく開かれるのではない
かと私は考える。

安倍内閣の支持率が低迷するなか、その対抗勢力民主党の支持率も一向にさえない。
私は個人的には民主党支持者でもなんでもない。しかし民主党が躍進し、一度政権
交代を実現することこそ日本の政治を良くする唯一の道だと確信するものである。
そういう意味で都知事選で勝利できる候補が今絶対に求められているのだ。

2007/2/17
早勢 直

参考記事 :朝日新聞 2007/2/8


今週の意見(514):

赤ちゃんポスト設置

「熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)が、親が養育できない新生児を預かる国内初の
「赤ちゃんポスト」の設置を同市に申請している問題で、厚生労働省は22日、
「現行法では明らかに違反とは言い切れない」として設置を認める考えを示した。
 2月23日ー読売新聞

いやこんな制度があるとは全く知りませんでした。慈恵病院の蓮田晶一院長が2000
年にドイツハンブルグの保育所を訪れた際そうした施設を見学し、日本でも設置をと考
えてきたそうだ。妊娠し、子供を産んだものの育てようもなく、どこかに置き去りにし
たりする事件はよくあるが、そうした施設があれば少なくともなんの罪もない赤ちゃん
の命は救われる。そこに置かれたボックスは赤ちゃんはそこの職員が気付くまで安全に
保護されるようになっているらしい。

昨日のヤフーニュースではこのニュースとともにこのような施設設置に賛成かどうか
オンラインでアンケートを求めるコーナーがあった。私は結果を見ないで賛成票を投
じたのだが、結果を見たら約60%の人が賛成だった。で、まあそうだろうなと思っ
てそのことを昨日のBLOGにも書いたのだが、午後さらに他の同じようなアンケー
ト調査をみたら逆に60%の人が反対だとしたものがあったので、それももっともだ
とれないな、と思い直したわけだ。

厚生労働省もそうしたものを制度的に認可したわけでなく、過渡的な措置として認め
たに過ぎないのだろう。その後あちこちの関係省や大臣からもこれを慎重に取り扱う
べきだという声が上がっているようだ。

ただ、こうしたものがあるからと言って、女性が無責任に子供を産み、そこに放置し
てしまうようなケースが次から次へと起こるとは思えない、思いたくない。あくまで
緊急避難的な設備として位置づけられる、人道的見地から設置されたものであるとい
うことでいいのではないだろうか。

そうした設備が存在する、存在させることの意味については今後法的、福祉的、人道
的、宗教的な意味も含めて議論されるだろう。とりあえずそれでいいのではないだろ
うか。

「真夜中に 命届ける こうのとり」  赤ちゃんポスト

2007/2/24
早勢 直
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