2003年 今週の意見 2月

今週の意見(305):

赤字カウンター

 MLで音楽の著作権に関して話が続いているが、その中でも商業目的と非商業目
的の場合の違いについて何度か書いた。ちょっとジャンルが違うが、この「赤字カ
ウンター」などは著作権を個人の権利としてでなく、極めて高度な知的生産物をそ
の本来の目的のために、放棄したというか、そんなことを超えて、社会の共有生産
物として提供している典型的な例である。

 これを知的生産物として著作権を行使し、誰かが使用の度に使用料をいただきま
すとやっても結構商売になるのであろう。しかし作者はそんなことをしていない。
そのソースまで公開してどうぞご自由にお使いくださいとしている。その意図はあ
くまで日本国民のこの問題に対する啓蒙ということにその主眼があるからだ。

 それにそうすることで、多くのさまざまな分野の専門家からそのものについての
意見、改良点をもらいさらに質の高いものに仕上げようという意図のあることは明
らかである。それで、さらにそれが日本経済の構造改革に役立ちそして、結果とし
て自らの名声をあげることに役立てばいいということなのだ。

 著作権だなんだ、かんだとそれでカネを稼がなくても、そうしたことで自らの所
属する大学研究機関(これは慶応大学の経済学部のグループのようだが)の名声向
上とその発展につながっていくということなのである。

 ネット社会にあっては知的生産物を無償で提供し、社会に役立てる。しかもそう
することで、より質の高いものにそれがさらに改良されていく。著作権者がとりた
ててその権利を主張しなくても広く世界で認知され、しかもその名声を獲得してい
くのである。カネという実質的収入はそうした過程のなかで、副産物として十分得
られるということなのだ。


 ネット社会の知的所有権とか著作権とかのあり方を示す一つの例ではないか。

2003/2/1
Tadashi HAYASE


参考引用:

「ソースはお使いのブラウザで[表示-ソース]で御覧いただけます。非商業目的の
範囲内で御自由にお使い頂いて結構です。あなたのページの空いたスペースにどん
どん張り付けて、少しずつでも日本人を啓蒙しましょう。このページへは自由に
リンクして下さい。また、転載の際はよろしければこのページにリンクをして下さ
い。」 上記サイトより
今週の意見(306):

歩け歩け

 今週火曜日はテニスの日だったのだが、ちょっと所用があり、日帰りで白馬まで
出かけた。朝11時40分に着き、目的地まではタクシーで行ったのだが、帰りは
そこから駅まで、歩いてみた。6キロくらいあるのかな。

 帰りのスーパーあずさに間に合うかどうか時間を気にしながら、雪解け道を早足
で歩いた。道路の雪はまだ固まっているところもあるが、殆ど解け歩行には支障が
ない。タクシーだと5、6分だが、歩いてみたら大体40分、いやタクシー代を節
約できたということより、野道を歩けて快適だった。快晴の八方尾根を時々振り返
り、いい空気を吸いながらである。横を自動車が走らなければもっとよかったのだ
が。

 15:04分の新宿行きスーパーあずさにも十分間に合った。歩いたおかげで列
車の中で飲んだビールのおいしかったこと。

 が、翌朝朝起きてみるとやはり足がぱんぱん。で、予定のソフトテニスはまたパ
スだった。だけど、こんな距離くらい歩いてダメになるようじゃ話にならない。
これからできるだけ、買い物、テニスコートを含めて、歩くことを実践しよう。

 歩け、歩けだ。

2003/2/8
Tadashi HAYASE
今週の意見(307):

構造改革特区

 昨日の日経新聞記事にあったが, 小泉内閣が構造改革のためにさだめたいわゆる
特区の実施が実際にはせいぜい3割程度にとどまっているそうだ。規制緩和をし自
由競争を促進して、さまざまな分野の活性化をはかろうとするものだが、いずれも
省庁、業界団体の反対などで、実施できないということだ。こんなことで、構造改
革などできるわけがない。

 中でもおかしいな、と感じたのは、例えば病院経営についての株式会社参入をめ
ぐっての厚生労働省や医師会などの反対がある。厚生労働副大臣木村氏自体がその
反対の急先鋒にたっているのだから始末が悪い。学校法人のそれについてはやはり
文部科学省などの反対が強かったが、こちらはその参入は認めたそうだ。

 木村氏は、株式会社というものは利潤の最大化をめざすもので、病院経営にそれ
を認めると既存の病院経営に悪影響を与える、というものである。坂口大臣もそれ
は医療費の高騰につながるという理由で反対しているそうだ。

 ここで問題の本質に帰らなければならない。あえて言うが利潤追求、金儲けのど
こが悪いのかということだ。病院経営で利益が上げられるか、どうか、それはあく
までその病院が提供する医療サービスの価格とその品質、そしてそれに対する利用
者、患者の満足度にその成否のすべてが掛っている。それは当然他の病院サービス
の内容や価格との比較になる。医療サービスなどことの性質上決して安かろう、悪
かろうではないだろうし、同じ医療サービスなのに理由もなく、ただ高い方が選ば
れることもない。患者はその必要に応じて自分の価値判断基準をもって病院を選択
するはずだ。

 金儲けがいけないなどというが、それはむしろ結果であって、それは消費者患者
の厳しい選択があっての話なのである。地元医師会だの、既存のさまざまな既得権
益がどれだけあるのかないのか分からないが、そのことについてよーいどん、で自
由な競争をすることのどこがいけないのかわからない。大切なのは患者側の選択の
自由を増やすことであって、医師や病院の都合既得権益を守ることではない。

 学校経営に関して同じことが言える。こちらも株式会社参入に関して相当抵抗が
強かったらしい。しかしそれが提供する教育サービスの価格や品質はやはり消費者
が自分のニーズにあったものを選ぶということのどこが悪いのかということだ。

 株式会社方式かどうかなんてことが問題なのではない。病院にせよ、学校にせ
よ今のそれが本当にそれが国民消費者ののニーズに合っているかどうかが問題なの
である。そのニーズにあったものしか、選択されないし、そのニーズにあったもの
が正当な利潤をあげてその経営を維持していく、これほどフエアで正しい方向はな
い。

 既存の病院や学校が国民、住民のニーズにあったサービスを提供しているのなら
一体何を心配しているのか、逆に聞きたいくらいである。

2003/2/15
Tadashi HAYASE
今週の意見(308):

わたし的

 先日飲み屋で飲んでいた話をしたが、その時隣で話をしていた数人のグループが
いた。どこか地元の中小企業で働く仲間なのだろう。大声で話をしていたので、聞
こえてきたので聞いていたのだが、それがなかなか面白かった。

 50才位の多分管理職の人だろう、最近の若者はどうも自信がなく、主体性がな
く、行動力が足りないことを嘆いていた。いつの世でも、5、60台になると、
「近頃の若いもんは・・・」と嘆いてみせるのは常なのだが。

 その人は言う。「最近の若者の流行ことばを知っているか。一番目はなにかにつ
けて『ありえない』って連発する。ちょっとびっくりする、というか変わったこと
に直面する、光景、事件などを見聞きすると『ありえない』って言うわけだ。世の
中何が起こっても不思議はないのに、平穏無事に育ったこの世代人間はちょっとし
たことでも、それは信じられない、ってスタンスなのだ。これじゃこれからの激動
の時代に耐えられないだろうな。」

 さらに彼は続ける。「もう一つ若者の間で使われる妙なことばに『わたし的』が
ある。自分の意見や感想を述べる時でもかれらは「私はこう思う」とは言わず、
『わたし的にはそう思いません」などという言い方をする。つまりはっきり自己主
張しないで、自分を前面に出さずできるだけ無難に表現するわけだ。』

 「そんな情けない若者ばかりではこれからの日本は暗いね」、というのがその人
の結論だった。

 最近そんな若者の多くと接していないこちらは、なるほどそうかもしれないと思
ったのだが・・・・。
 
 ちなみにインターネットで「わたし的」という言葉を検索してみたら山ほど出てき
た。びっくりした。何時の間にこんな妙な言葉が定着してしまったのだろうか。別
に若者に限らず、結構いい大人も使っているようだ。それが問題なのである。

2003/2/22
Tadashi HAYASE
ホームページへ