今週の意見 −12月

今週の意見(42) ハンコ社会  日本はハンコ社会である。会社でも日常の生活でも書類にやたらハンコを押す 場面がある。特に職場でハンコを押す機会・回数がいかに多いことか。管理職の 仕事とはハンコを押すことであると言ってもいい位である。それが全て悪いとは 言わない。必要がないとは言わない。が、多くの場合、それを押す意味があまり ないことが多いことも事実である。ただ中身のチェックがなく機械的に押された り、形だけ整えているということが多いのである。              書類に確かに本人である、本人が見た、本人が承認した、同意したことを証明 すること、確認することが必要なことわかる。ではそれがなぜサインであったら いけないのか、ということ。外国式のサインの方が、はるかにその意味では確実 だし、第一手間がかからない。ハンコだと時々手元になかったり、ハンコがあっ ても、朱肉がなかったりする。もっとやっかいなことには、銀行で使う場合など では前に押してあるものと違ってはならないから、その管理が大変。面倒である。 預金通帳用のハンコを通帳と一緒になくしたらそれこそ大変。          おもしろいのは、会社などで使う、インクが内蔵されているシャチハタのハン コ。これは便利でインクの心配がないからどんどん押せる。ところが市役所、な ど公官庁に提出する書類に押す場合、それでは駄目だという場合が多い。要する にちゃんと木とか、プラスチックに彫り込んだものでないと駄目だということ。 それが駄目で、なぜ街の文房具屋でケースに並べて売っている既成品のハンコな らいいのか、その意味・理由がわからないのである。              要するにハンコは日本の規制主義、形式主義の象徴である。本人であることを 確認する必要があるのなら、サインが一番いい。ハンコなんていくらでも偽造で きるし、ちょっと借りて押すこともできる。会社で秘書ならともかく部の女性が 部長の代わりに、本人から借りたハンコをぽんぽんと押している場合すらある。 一体なんのためかといいたい。                        社内LANが構築され、社内の決済も徐々にLANで行われるようになって きた。ここで各部の責任者がそれを見、承認したとという証明をどうするかが 問題になる。本来ならそのような重要書類、LANで流れる重要案件は部長と か役員本人が自ら見るはずだから、それを見て、OKと確認さえすれば十分な はずである。ところがそれでは駄目だということで、日本式ハンコのイメージ をLAN上に流れる決済書に貼り付けて回すような仕組みをとっているところ もある。まことにもってすばらしい日本的形式主義ではないか。        本ボードでも行革を何度かテーマとして取り上げたが、別の言い方をすれば 行革とはいかに官庁書類のハンコの数を減らすかということと、ハンコの押さ れている中身がきちんとチェックされているか、簡素にして、しかもきちんと した責任管理体制が確立されているかということなのである。        1996/12/7                               Tadashi HAYASE                           


今週の意見(43):

ホームページのオープンセレモニー

 先日テレビで香川県の地方ニュースを見ていたらおもしろい画面があった。
なにげなく見ているとなんの不思議もないし、当たり前にニュースであったに
違いない。しかし私は思わず笑ってしまった。それは高松市がインターネット
にホームページを開いた。で、そのスタートに当たって大体的な式典をやった
というニュースであった。何月何日の何時だったかは忘れた。とにかく時報と
ともフアンフアーレ、市長がパソコンの電源を入れ、インターネットに接続開
始。そして市長の演説。                        

 いや結構な話ではないか。あちらこちろの国をはじめ地方の公共団体がイン
ターネットを通じて情報発信をする、広報活動をする結構な話である。どこが
おかしいか。いや、その事自体に私もなにもけちをつけるつもりはない。これ
まで香川県の方が香川ネットというのを作って、香川県を世界に紹介している
のである。だから高松市も同じようにやろうというのは別におかしくない。 

 私が笑ったのはそのことではない。インターネットを使って世界に向かい情
報発信をしよう。それはいい。ホームページを設け、広く世界の人々とと交流
をはかりたい。それも結構。が、なぜあんなおおげさなオープニング・セレモ
ニーなどやらなければならないか。その事大主義がおかしいのである。ホーム
ページなんて世界中の公共団体、企業、個人が何千万人と開設している時代で
ある。だから今更何を大げさな、と言ってるのでもない。         

  市をはじめとする地方公共団体が市民と他の市民社会との交流を求めて広
報活動を行うのは必要なことである。それは別にインターネットに限らずさま
ざまな手段方法を通じて毎日、毎日地道に続けなければならないことである。
たしかにインターネットは広く、特に一方通行の広報活動でなく市民との交流
という意味、双方向のメデイアとして利用しようというねらいこそ正しい使い
方であるはずだ。                           

 地方公共団体がインターネットをそのように利用するのは大いに結構なこと
だが、知事や市長の紋切り型の挨拶など誰も読まないだろう。それよりも市民
はじめ世界中の人々からのさまざまな市制に関する苦情や、質問、意見、提言
などをひろく求め、より開かれた市制を行っていくためのものとすべきなので
ある。                                

 市長の挨拶、広報、観光案内なども結構だが、そういう観点にたって、ホー
ムページを双方向の交流の場として欲しいものである。ホームページの開設に
テープカットもフアンファーレもいらない。必要なのは市長をはじめとする市
当局者の市民や世界の人々とのオープンな交流という認識と、それについての
その後の地道な努力であろう。                     

96/12/14                               
Tadashi HAYASE

今週の意見(44):

クリスマス

 クリスマスシーズンである。今年は21日から3連休、それにクリスマスイブ
クリスマスと続くから日本で働くクリスチャンの外国人にとってはいい休暇にな
るに違いない。日本人にとってもあと一週間でお正月休み、一年の中で家族との
団らんを含めて一番ほっとする休暇シーズンである。海外旅行に出かけるのが昨
今の流行りのようだが、私はやはり家族が集まって団らんの時としたい。   

 クリスマスなどという習慣、イベントが日本でもさかんになったのは戦後のこ
とである。進駐軍の影響もあったのだろう。たちまちのうちに戦後の日本でも、
多くの日本人にとって年末の一つの大切な行事になった。いつのまにか、外国の
クリスチャンのように、クリスマス・イブには父親が子供へのプレセントを買っ
てきて与えたり、それを子供の枕元の靴下に入れるという習慣も定着した。また
大きなクリスマスケーキを家族で食べるところも増えた。夜の街ではナイトクラ
ブやスナックがクリスマス・パーテイと称してお客を集め、プレゼントを配った
りする。最近はお父さんもそうした夜のパーテイを断って、家で子供中心のクリ
スマスを楽しむようになったようだ。結構なことである。          

 キリスト教徒でもない日本人が、こうした習慣を受け入れ、まねていることは
別に悪いこととは思わない。それは多分に百貨店、おもちゃ屋、ケーキ店の商業
主義に乗せられている面があるとしてもである。子供にとってサンタクロースの
持ってきてくれるプレゼントはなによりの楽しみであろうし、一生の思い出にな
るにちがいない。家族で楽しむ大きなクリスマス・ケーキにしてもそうだ。  

 クリスチャンでもない日本人が外国のそんな行事をまねることはない、などと
かたいことを言う必要はない。ただし子供達にはその日の文化的・宗教的な意味
を様々な形で教えてやることも必要だろう。テレビの子供番組などでいくつかそ
ういう企画を見かけるが、大変いいことだ。21世紀をひかえ、世界がまずます
国際化していく中で、子供達がキリスト教を含めて、外国の宗教、風俗習慣を知
ることは是非必要なことである。                     

 年末になると大人は年賀状の仕上げに忙しくなる。年賀状は虚礼で廃止だとい
う話もよくあるが、それは会社間の意味のない、儀礼的挨拶のやりとりである。
個人同士での日頃の無沙汰を補い、一年に一度互いの健康を確認し合うことは大
いに意味があると私は思う。この年賀状に先だってもらうのが外国からのクリス
マスカード。これも年賀状と全く同じ意味である。日本人としてはクリスマス、
カードも年賀状もというのは大変だが、年賀状とともに、これからは多くの外国
の人々ともクリスマス・カードをも交換する機会を増やしていきたいものだと考
えている。                               

 インターネットで年賀状のリンクをして交換するという試みが増えてきた。今
年もいくつかそういう試みに私も参加するつもりである。それとまだ経験がない
が、来年位からは是非外国の人々ともクリスマス・カードのリンク交換などして
みたいと考えているところである。                    

1996/12/21                               
Tadashi HAYASE


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