2006年 今週の意見 12月
今週の意見(502):
サイバー大学にチャレンジ
「大学設置学校法人審議会は27日、対面授業をせずすべての講義をインターネッ
トで行うサイバー大学を初めて認可した」と11月29日の新聞各紙が報じた。
日本でもやっとこういうものが認可されるのか、という感じである。アメリカなど
ではすでにかなりこうしたものは進んでいるようだ。もっともそれは国が大学とし
てその存在を認めるとか認めないとかは関係ないのかもしれない。日本にだって文
科省がそれを大学として認める認めないは別にして、既にその種のものは存在して
いる。今回はいわゆる特区的扱いで国が始めて大学として認可するというものだ。
その認可に当たっては、いろいろ細かい注文をつけているようだが、いずれにせよ
それを国家が認めたということの意味は大きい。インターネットの進展にともなっ
て大学も当然こうした形で進化していく。行って当然だということだ。
文科省が認可に当たってどういう注文をつけたのか知らないが、一つには対面授業
でなく講義がネットで行われるということで果たして本当の教育、さまざまなカリ
キュラムがこなせるのか、という問題に帰するのだろう。大学での一般教養課程と
専門課程ではもちろんそのやり方が違うし、それはわけて考えなければならないが
そもそも対面授業とは名前ばかりで、教養過程などでは大教室で教授が一方的に講
義し、生徒はそれに出席するが出席率なども極めて悪いのが一般的である。
日本の大学では一年の学期中、教師が中間テストと学期末試験を行いそれでそれで
成績を決めるのが普通である。講義の進展につれて教授がその都度リポートの提出
を求めたり、生徒同士にテーマについて議論をさせたりといったことも殆んどしな
い。講義は大体一方通行で終始する。生徒との質疑応答も乏しい。対面式なんてい
うが、その内容はおそまつなものだ。
その対面式でなく講義を通信教育で行うという方式は昔からあった。それは正式に
国家が認可していたものであったはずだ。それはある程度定着した仕組みだった。
しかし今やインターネットを使った授業、講義は従来の通信教育に比べたら、その
教育効果が抜群に上がることは容易に想像できる。テキストの事前配布はもちろん
教師が教えるべきテーマについての講義を文書や、スライド、場合によっては動画
などを使って効果的に提示することができる。そして受講者にそのつどそれについ
てのリポートを求めることが一般的であり、生徒側にとってもリポート提出の容易
さも従来の通信教育システムの比でない。メール、メーリングリスト、BBS、
BLOG、ホームページなどを駆使できる。
要するにサイバー大学では教師と生徒のコミュニケーションが、従来の大学の授業
などよりはるかに密になることが期待されるのだ。またそうでないと意味がない。
教師と生徒だけでなく、教師はネット上で生徒同士の議論やあらゆる生徒との質疑
応答を上記のような手段を用い、展開していくことも可能なのだ。もし顔をあわせ
るということが大切なら、ビデオチャットを行うことだって可能である。そうした
ことを行うについては大学側の多額の投資はもちろん必要だが、生徒側に掛かる費
用はたいしたことがない。要するにパソコンでインターネットができればいいわけ
だ。
受講する側にとっては、時間や場所にしばられることなく、自宅ではもちろん場合
によっては勤務先の休憩時間、出張先などでもフレキシブルに授業に参加できると
いう大きなメリットがある。教師にとっても、大学への通勤時間を節約し、時間に
ついては極めてフレキシブルな対応ができるはずだ。
そうした意味からいうとサイバー大学の問題はコストとか時間的制約とか、その教
育的効果という本来の問題よりも、それがうまく機能するかどうについては、むし
ろ教える側と教えられる側のパソコンリテレィシイ、(パソコンやインターネット
を使う能力)が問題だということであろう。パソコンというより、もっと大きな言
葉で言えば、情報リテレィシイと言っていい。それについては、受講側というより
教える側の方により大きな問題があることが予想される。
教師が教えることのテーマに専門性を有していることは当然のことだ。問題はその
教師がパソコン、インターネットを駆使してそのeーラーニングの仕組みをどう使い
こなせるかが一番の問題になるだろう。ベテラン教師になればなるほどその心配が
大きくなるのことも容易に想像できる。eーラーニングとは何か、そのことが教える
側も教えられる側もまだあまりよくわかっていないことが一番の問題だと思われる。
授業のスタートに当たってはまずはお互いそのことの訓練を十分に行うことがなに
より必要なのではないだろうか。今回のこのサイバー大学の認可については、以前
にも指摘したことだが、高校で「情報」という科目など頭からその必要性を否定して
かかる日本の教育界に問題の一石を投げかけたことの意味の大きいことは指摘して
おきたい。
そういう意味では毎日ネットでBLOGやSNSに参加している人たちはサイバー
大学の生徒としての資格は十分備えているのだろう。そのサイバー大学にIT総合
学部というのがあるそうだ。若者は一つチャレンジされてみたらいかがでしょうか。
2006/12/2
早勢 直
今週の意見(503):
知事ドミノ
福島、和歌山、宮崎の入札談合事件で三人の知事が逮捕されてしまった。朝日新聞
はこれを知事ドミノと称していたが、時を同じくして、石原都知事については公金
の支出問題がいろいろ出てきている。海外旅行の場合、とびっきり高い部屋に泊っ
たり、画家の4男の海外主張費を都が負担することの是非をめぐってのそれである。
それぞれそうなったいきさつがあって、ただちにそれが規則に触れるという問題で
はないようだ。だから石原知事は質問の記者に対し、「全部手続を踏んでやってい
ること違法性があれば、そういえばいいのだ」などと歯牙にもかけない様子である。
問題は法にさえ触れなければいいのかということだ。それぞれちゃんとした理由、
手続きを踏んでやっているのかもしれない。が、それだけではすまない一般庶民、
都民の常識からするとそれはおかしいと思うのも当然ではないか。それを無視して
「どこに違法性があるか」などと開き直ること自体が問題ではないのか。それをよ
く出てくる道義的責任などという言葉でひとくくりにするつもりはないけれどであ
る。
もう一つは違法性がないというが、例えば4男にその仕事を依頼した時の経過、プ
ロセスが本当に合法的であったかどうかについて検証がなされているのかどうかで
ある。その仕事がどうして4男に依頼されたのかである。他に代わる芸術家だって
いたはずだ。それがどういう理由いきさつで4男に都が依頼したのかである。それ
は入札談合などとちがって金額的なものは比較にならないが、公的な仕事がどう民
間に発注されたかのプロセスの公正さをめぐっての問題なのである。競争入札が行
われたのですかとは言わないが、しかし、都の規定でも場合によってはもちろんそ
れが行われて当然なのだ。石原知事の言によれば、「彼は優秀な画家なんだ。だか
ら彼に依頼してどこが悪い」と言っているのだ。ちょっとおかしいのではありませ
んか。
違法性は一切ないということだが、本当にそうなのかどうかについても改めてその
辺を説明をしていただく必要はあるだろう。石原知事は果たして知事ドミノに耐え
られるのかどうかについても興味のあるところだ。
2006/12/9
早勢 直
今週の意見(504):
安倍政権の命運
改正教育基本法が15日参議院本会議で与党の賛成多数で可決、先の衆議院での可
決がありこれで国会で承認可決されたことになる。参議院の採決に先立ち野党は例
のTM(タウンミーテイング)のやらせ問題、ほか一連の問題に関して内閣不信任
案を出して抵抗したが、圧倒的な与党勢力で一蹴された形である。
改正教育基本法に関して、もちろんいろいろ問題があろうが、その中身に関しては
最大与党の自民党、それに野党の民主党の基本的な考えにさほどの差があるわけで
ない。いや、むしろ自民党が共闘している公明党より、自民、民主の考え方は近い。
学校で子供達に国や郷土を愛することを教えようという基本理念のどこが間違って
いるか、といえばそれ自体表現の違いはあっても何も間違っていることはないと私
自身も考える。
問題はそうした基本理念に関するというより、今回民主党などが国会での成立に反
対したのは、TMでのやらせ質問や、高校中学での必修科目未履修問題、いじめ問
題など教育現場での混乱に関する文科省の責任、教育行政のあり方そのものの問題
をもっときちんと処理してから、基本法改正にとりくんでも遅くないという野党の
主張は正しかったと思う。
とりわけTMのやらせの問題はひどい。それは安倍総理自身が官房長官時代に行わ
れたことであり、それ自体首相や関係閣僚の減俸だけですむ問題ではないと思う。
それは民主主義の手続の根幹に関わる問題であるからだ。それを理由に野党が内閣
不信任案を提出したのは当然のことである。
内閣不信任案は圧倒的多数の与党によって否決されてしまったが、改正教育基本法
がこうした混乱の中で成立してしまったのは憲政史上の大きな汚点となったことは
間違いない。
今回の改正教育基本法で政治に対する国民の不信感がさらに高まったことは間違い
ないし、それに関わった安倍内閣が短命政権に終わることを強く期待するものであ
る。
2006/12/16
早勢 直
今週の意見(505)
ネット社会ののメリットとデメリット
毎日ものすごい数の迷惑メールが来る。数えたことはないがおそらく300通を超
えると思われる。それは私のようにメールアドレスを公開しているものには当たり
前のことでその覚悟はできている。それにしてもよくもまあこれだけあきることな
く、送り続けることができるものだと妙な意味で感心している。いうまでもなくそ
れは腹立たしいことだが、しかし私の場合、もう不感症になって、まずメールボッ
クスを開ける都度まずそうしたものをせっせと削除することからメールの処理がは
じまる。
最初はそうしたものについてはいちいち受信拒否の処置をしていたが、間に合わな
くなって、ただただひたすら削除、削除である。その作業自体案外簡単、削除する
対象はすぐに判断できるからそれを順次選択しておいて一気に削除する。一日平均
2回メールボックスを開けるとして一回せいぜい5分程度の作業であるからどうと
いうことはない。
友人の中にはそれがいやで、わざわざメールアドレスを変えたりする人が結構いる
が私はずっと使ってきたメールアドレスを今更変えるつもりはない。ただ淡々とそ
うした迷惑メールを削除するだけだ。変えたところですぐにまた同じことが繰り返
されるだけなのだ。
私のように300通を超えるものを受け取るならともかく、せいぜい2、3通受け
取っただけでものすごくそれを気に病む人がいる。いや、それが当たり前かもしれ
ないが、私はそんなことは気にする必要がない、なるべきでない、過敏にならない
でとアドバイスするのだが、なかなかそうもいかないらしい。
中にはそれがいやでメールそのものをやめてしまったり、インターネットを閲覧す
ること自体やめる人もいる。
どちらがおかしいか、悪いかといえば、そういうものを送りつける方が悪いに決ま
っているのだ。そういう行為自体をなんらかの形で罰するような法律を作ってもら
いたい、作るべきだと私は思う。
ただ、別の意味でそんなこと位平気で対処するように心がけること、またそうなる
ことがこれからのネット社会で生きるためのの一つの条件であるとも思う。第一メ
ール、インターネットを利用することのメリット、恩恵ははかりしれないものがあ
るのだ。それにかかる時間、コスト、コストパーフォーマンスからいうと、もうど
んな手段もおよびつかないものがある。それから受ける恩恵を考えないで、ただそ
れにまつわるそうしたデメリットについてはもう少し我慢する精神が必要ではない
か、と思うのだ。
世の中どんなことででもそのメリットだけ受けることはできない。光の部分があれ
ば必ず影の部分がある。受ける利益、満足が大きければそれに見合った費用、対価
我慢が存在するのは当然と考えるべきではないか。
あんな馬鹿げた迷惑メールの十や二十、逆にそれで得られるメリットからいうと安
い対価だと思ってもらいたいのである。
私自身についてはそれで得られるメリットの大きさから考えると逆にそのデメリット
は十や二十でなく、二百、三百であってもしかたがない、いやそれが当たり前だ。
と考えているのである。
2006/12/23
早勢 直
今週の意見(506):
今年のIT流行語
ネット友人のくるみんさんが、YahooDays日記で紹介してくれたものに今
年のIT流行語大賞というのがあった。今年のIT関連キーワードの番付表である。
おもしろかったので紹介しておく。
東 西
横綱 YouTube Google
大関 mix i Web 2.0
関脇 GoogleEarth Windows Vista
小結 番号ポータビリテイ ワンセグ
前頭6枚目まであるが、ここでは小結までとしておく。どれが一番重要か重要でな
いかは人によって違うだろう。常日頃パソコンやインターネットをパソコンクラブ
で一緒に学んだり、自らそれについて解説したりする身としてそれぞれの項目にど
れだけ関わったかということをチェックしてみるのもおもしろい。
この中では、直接Yahoo関連のものが少ないというのが今年の特色なのであろ
う。
oogleEarthといい、YouTubeといい、それだけGoogleの躍
進の年であったということだろう。そして9月だったか東京証券市場に上場を果た
したMIXIのSNSのことは実はネット族だけでなく、そうしたことに無縁の一
般人々の関心を引いたという点では、今年最大の話題であったのかもしれない。
横綱から小結までの用語については、私たちのパソコンクラブでも結構話題にした
し、私自身さまざまな観点からの解説を試みた。
MIXIに刺激されたのだろう、Yahooが7月に始めたSNSサービスの
YahooDaysにはネット友人のみかんさんからの誘いがあってこれを始めた
のだが、9月からパソコンクラブの仲間を引き込んであっというまに友人が沢山で
きそれ自体毎日の楽しみになってしまった。YahooBLOGは昨年11月に開
設はしたのだが、それ以来ずっと放置したままであったのだが、SNSがきっかけ
となってその日記と連携してBLOGを9月から再開、これまた何人かの新しいネ
ット仲間が増えたこともあってこれも今年一番の新しい楽しみとなった。
それに従来やってきたML(メーリングリスト)にYahooグループのWebメ
ールによるメーリングリストを12月に入って新しく始めたことの意味も大きい。
このように世間ではGoogleだ、MIXIだのがもてはやされた今年だが、私
自身に関しては殆んどすべてYahooを中心舞台にして改めてネットライフを楽
しんだ一年だった。来年も同じようにYahooを中心に、Googleの新機能
も加えていわゆるWeb2.0の世界を探求して行けたらと思っている。
Yahooのサービスにせよ、上記のようにYahooにないGoogleの各種
サービスなどその内容は実にすばらしいものがある。Yahoo、Googleの
舞台をを中心に、新しい年にはどんな新しいネット仲間ができるか、どんな新しい
試みができるか、楽しみ方ができるか、今からわくわくしているのである。
2006年12月30日
早勢 直
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