2002年 今週の意見 8月

今週の意見(282):

軟弱政党民主党

 国会は会期末を迎え野党はおきまりのように小泉内閣不信任案を提出した。そし
てそれはおきまりのように否決された。小泉首相はそれで「信任された」などとうそ
ぶく。国民が政治に失望するのはそういう中身のない実態に対してである。

 今国会の与党、特に自民党議員による各種不祥事は目を覆うべくもないほどひど
いものがあった。にもかかわらず、小泉内閣支持率がまた50%台にアップしたと
は一体なにごとか。

 国民だってやりきれない気持ちだろうが、小泉内閣支持の最大の理由は「他に代る
ものがない」である。なんという情けない話なのだろうか。与党自民党の中に、次期
総理総裁候補がいないことはもちろんだが、最大野党の民主党が現状では政権担当能
力など到底ないと国民は見ているのだ。

 7月29日の日経新聞社説がそのことを書いていた。そのタイトルは「存在感なき
民主党にあえて苦言を呈す」 だ。よく言えば常識的、悪く言えば、極めて無難なこ
としか言わない日経新聞にしては、タイムリーにそして、適切に民主党の政党として
の欠陥を指摘していた。そのタイトルにあるように、「あえて苦言を・・」なんてもの
ではない。まさにそれは適切な苦言であり、民主党がそこで指摘された体質を改めな
い限り、政権担当能力どころか、政党として存続していけるかどうかの瀬戸際だと考
えるのである。それは一野党の問題ではない。日本の政治にとってまことに不幸な状
態といわざるをえないのである。

 民主党は今次期党代表選びでがたがたしている。それ自体なんら問題ない。それが
党の根本的国家観や安全保障政策などをめぐっての路線論争に関わっているのなら全
く問題はない。が、そうではないのだ。いわゆる若手と称する連中が、鳩菅のような
既成政治家ではダメで、選挙向けにはもっとフレッシュなイメージを打ち出さなけれ
ばといったレベルの意識、範疇での代表選びなのだ。彼らの多くは民主党の人気のな
さは鳩菅に代表されていると思っている。もちろんそれもあるがもっと重要な理由が
ある。

 日経社説にもあったように、あらゆる政党の中でも民主党ほど憲法の解釈や、安全
保障に関する路線で右から左、ばらばらな状況な政党はないのである。かっての自民
党、社会党、民社党などに席をおいた連中が混在しているのだから無理もないと、党
員たちは考えている。それは横におくとして、ただ若いというだけで当選してきた新
しい議員達はそうした論争をあえて避けているふしがある。

 彼らは自由党の小沢党首のような明快な国家観、憲法観さらには強力な政治手法に
はそれだけで拒否反応を起こすような軟弱な体質があるように見える。どう見ても党
内でそうした根本的な党の理念や政策について徹底的な議論をしているふしがない。
地方自治拡大を訴えながら、長野県での田中知事の問題などについても議会側、知事
側どちらにつくのか、一向明確な態度表明がないのである。

 日経社説にもあったが、国民の政治意識は高いのである。なぜ民主党の支持率が一
向にあがらないのか、民主党の幹部たちはもちろん若手と称する連中もその理由がわ
かっていないようだ。それは一にかかって、その国家理念、政治理念のあいまいさ、
論争のなさ、軟弱さにあることにどうして気がつかないのだろうか。

2002/8/3
Tadashi HAYASE
今週の意見(283):

継続は力なり

 夏の盆休みと正月だけは、この「今週の意見」も一度だけ休むことにしている。後は
みなさんが見てくれるかどうは別にして、意地でも一週間に一度何か意見を書き、下
手な川柳を作り、ホームページを更新しているわけだ。毎週一度それをやることは結
構大変だが、まさに「石の上にも三年」で、ずっとそれを続けてきたおかげで、さまざ
まな力がついたと思う。

 さて、それがどんな力かと言われると困るが、さあ、「今週の意見」に何を書こうか
と考えること自体が大変問題意識を育てる上でいいわけで、どんな政治的、社会的事
件が起こっても、それがどういう社会的、経済的、政治的な意味があるのかを考え
るくせがついたと思う。それをまた下手であろうと、なんであろうと、五七五という
川柳の短いことばでそれを表現するというのも、言葉の訓練の上で大変役にたったと
思う。

 時あたかも、MLの討論で、何事をマスターするためには基本的なことを繰り返し
繰り返し継続的にやることだ、という意見が大勢をしめた。当たり前のことかもしれ
ないが、やはりそうだと思ったわけだ。

 この夏休み、一週間だけのはずが、二週間もホームページの更新をさぼってしまっ
た。さあ、また今回からこの正月まで一回も休まないでやるぞ、という気持になった
ところである。

2002/8/24
Tadashi HAYASE
今週の意見(284):

わかりやすい民主主義

>長野で 下諏訪の市長にダム反対派がなった。知事不信任を出したこの地区の県
>議が馬鹿みたいにうろたえている。国会もこんな変化が出来ないものでしょうか
>ね。堀内さん MLへの投稿より

 いろいろ報道されているように田中氏にもたしかに知事として、その資質に一種
の問題があることも事実なのでしょう。が、ダム建設賛成、反対についてもそれぞ
れの理由がある。私たち県外民はそれを外から見ていても、その中身自体について
はよくわからない。

 しかしそんなことを超えて、一番の問題は住民の意思であり、考えなのである。
住民が圧倒的に田中氏を支持しているという事実なのである。県議会の議員たちは
どうしてそれを認めないのか。下諏訪の市長選挙でもこのことがさらに明確になっ
た。今頃何を動揺しているのか、と言いたい。

 知事選挙がまもなく行われ、県民の審判が下る。そして県政が変わる。多くの県
議員はさらにうろたえる。それでいいのだ。

 一方国会では、道路族、郵政族議員ががぞくぞくいて、それぞれの分野の改革に
あたまから抵抗し、反対している。小泉首相が本当にその改革の意志を貫きたいの
なら田中氏とおなじように、そうした反対ともっと真っ向から対決し、最後は自民
党与党抵抗勢力との争点を明確にして国会を解散し、国民の総意を聞けばいいので
ある。それが国民にとっても極めてわかりやすい民主主義のプロセスではないか。

 それをなんとか審議会、なんとか会議をやたら作ってそこで議論をさせ自分は高
みの見物といった風情である。与党抵抗勢力をちくちく刺激し、怒らせ、あげくの
果てそれを見て、まあまあ彼らの顔も立つように微調整をおこない、問題先送りを
して事を収めていく。すべてそういう手法のように見える。

 そして言う。「改革は着実に進んでいる」 ほんとにそうか、と言いたい。改革に
時間が掛かることはそうだろう。しかしそれをすすめるプロセスの中で断固譲って
はならないことがいくつもある。それをあいまいにしてしまうことが問題先送りで
あり、改革のスピードが遅々として進まない最大の理由なのだ。

 争点を明確にして国民の総意を聞く。それが一番肝心なことだ。そういえば民主
党の代表選びも何が何だか全くわからない。何が民主党だ。

2002/8/31
Tadashi HAYASE
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